「Dies irae ~Amantes amentes~」神なる座に列し伝わる救世主 感想Ⅱ
“そしてここから、僕の物語が始まるんだ”
ついに始まる神座サミット。
どいつもこいつもキャラが立ちすぎてて愉快。
蓮の苦労が早くも察せられる。
コウハによる神座巡りは終わる。
個性豊かな彼ら彼女らの在り方を見て、コウハの中でも革新が。
——そうして、コウハは“君”に別れを告げる。
“君”とコウハの関係は、この段階では一切不明。
「姉」であるとコウハは言うが、それもどこまで本当なのか......。
ただその真摯な口ぶりから、大切に思っていることだけは間違いない。
座の交代劇の中で、コウハが見出した己の道。
それは“君”を守ることだと断言。
悲壮さすら感じさせる覚悟。ブログ主はこういうのにめっぽう弱いため、はやくもコウハを好きになってます。
“君”ことパン君と別れ、コウハはある人物......なんと第一天・ミトラと合流!
ここまで予定通りなのか、2人はそそくさと神々の会合へと向かう。
そうして——極奥神座に集った八柱。
全員とっくに死んだ身。それがなぜこうして健在しているのか......口火を開くのは水銀の蛇。
一番事情に精通していそうな初代こと真我に話を振るも“戒律”を理由に返答を拒否される。
真我の口調が水銀に負けず劣らず芝居がかってて、クセが強いんじゃ~。
“戒律”という、初めて出てくるキーワード。
この場のほとんどが「何それ?」状態なのだが、肝心の真我さんは説明する気ゼロ。
どころか、自分を最大限嫌っている無慙へ、嬉々として話を振る。
真「私はおまえと再び会えて、大変うれしい。是非とも久しぶりに声が聞きたい」
無「相変わらず狂った女だ。また殺されたいのか、真我」
真「私はいたって構わんよ。おまえに討たれるのは痛快だ」
と、このように人を食った態度がデフォなミトラ。
神咒の碑文でイメージしてたのとエラい違いだ。そこはかとなく水銀臭がするぜ(つまりうざい)......。
話が進まない中、しびれを切らした第三天・明星が割って入る。
知者である彼から、現状の確認。
・神々の生殺与奪の権は、別の者が握っている
・ここからの脱出は不可
分かっているのはこれらわずかに2点。
これでは埒が明かないため、明星より無慙へ、再度“戒律”の説明を要求。
すると真我の時とはうってかわって笑顔で応じる無慙。
彼からしたらサタナイルは出来た息子同然のため、デレデレ(笑)。
なんやかんやあってやっと“戒律”の説明。
第一天のときに出来た独自の理であり、条件をつけることで様々な力の向上を図れるようになる。『ハンターハンター』でいえば「制約と聖約」。『呪術廻戦』でいえば「縛り」といっしょ。
無慙が挙げた具体例として、「攻撃を防御できない代わりに、不死性を有する」というもの。『黒白のアヴェスター』第1巻でさっそく登場していましたね。
真我にしてみても、そいつの不死性は折り紙つき。不死身に関して一家言ある黄金を煽り、煽られた黄金も興味津々。
“戒律”についてはみんなが分かったものの、本題については相変わらず話が進んでいない。
ここでようやく、唯一の常識人・刹那が会話に加わる。
コウハでなくともこいつがリーダーやるべきだと思うわ......。
刹那は、ここに召喚された時に聞こえてきた謎の声——ナラカについて言及。
ソレが事態の元凶であることは明らか。
あとはその正体......やはり何かを知ってそうな真我へ、刹那は問いただす。
刹「あんたはナラカを知ってるな?」
真「ああ、とてもよくね」
刹「奴は何者だ?」
真「それは言えない」
刹「奴の計画は?」
真「同じく言えない」
刹「全部最初から決まっていたのか?」
真「そういうことだよ」
刹「俺たちの一生さえも?」
真「そうだと言ったが?」
その一言に、歴代の神々が激昂。言葉にせずとも発される意思は強烈。
皆、神に至れるほど強い自負自尊を持っているため、誰かの操り人形であることなど認められない。ただ散々人の人生弄んできたメルは、怒る権利ないと思うんだよな......
さて、そんな神たちの嚇怒を一身に受けても、柳に風な真我さん。
あろうことか「全員わたしのタイプ♡」とか舐めたリアクションまでとる始末。コウハ曰く彼女は「男は全員わたしにゾッコン!!」と思ってるらしい。こいつに信者がいない理由がなんとなくわかってきたぞ......。
そんな中、黄昏だけは真我に怒りをぶつけず。
他の神同様許せない思いはあるものの、真我の話には続きがあることを感じており、先を促す。
さしもの真我も、これには今までのようなふざけた態度をせず
真「いいね。素晴らしい。さすがは天下の五代目殿だ」
「あまりこういうことは言わんのだが、いい女だよ。おまえがいてくれて助かる」
初めて意味深な表情を浮かべる。
剣呑な雰囲気は黄昏によって流れ、一息ついた刹那はあらためて最終確認。
この先においても、もっとも重要なこと。ナラカは敵か味方か。
BGMが止み、真我の答えは——
真「敵だよ。私と奴は相容れん」
「ゆえに力を貸してほしい」
「頼む」
これに即応する刹那。
そして呼応するように黄金・水銀が含み笑う。
黄金が求めるのは常に強者。これより始まるであろう未知の闘争に、拒否する理由がない。
水銀は、黄昏が行くのであればたとえ火の中水の中。「出来る範囲で」なんて謙虚に言っていたが、こいつの出来る範囲はマジで底が知れない。
未知大好きペアが乗ってくるのはまぁわかるが、万事に疑り深い刹那がなぜ即行で決断したのか......一同はこの場で異彩を放つ最後の一柱・波旬に注目。
『神咒神威神楽』で散々暴れまわった暴君。その実力は、間違いなく史上最強。真我ですら波旬には肝を冷やされたほど。
己以外の全生命を塵と断ずる、そんな彼が刹那らを前にしてもおとなしくしている......この異常事態こそ刹那は警戒。
神々が眼中に入らないほど異質なモノがいる。波旬をこうさせるナラカを、刹那は危険視。
「知らない」ということが許せない明星も、真我の誘いに乗り気になっていく。
残るは無慙。
みんなの注目が集まる中......続く無慙の行動は最高に激ヤバ。
波「誰だ、おまえ」
波旬が無慙の視線に気づく。
瞬く間に始まる滅尽滅相。
トラウマBGM「神威曼陀羅」が流れて、ゲロ出そう。
一瞬の大音響の後、場は再び静寂に。
そこには右腕が潰れた無慙と、左小指が消失した波旬が!
驚愕するのは、刹那。
刹「あんた、どういうつもりだ?いや、どうやって波旬を斬った?」
無「それはこちらのセリフだよ、若いの。おまえ、どうやってあれを止めた」
以下、黄金閣下による、よくわかる解説。
まず無慙が最初に何をしたかっていうと、波旬に思いっきりガンを飛ばすこと。
ナラカに夢中だった波旬も、さすがに喧嘩売られたら気づくというもの。ってわけで戦闘開始。
この惨状、波旬を唯一止められる刹那がたまらず“超越の物語”を行使。
時が止まるまでほんのわずか......その一瞬で、波旬と無慙が激突した回数はなんと万を超えるとのこと!
時が止まり、同時に無慙も戦意を放棄したことで、波旬は再びナラカ探しに没入いいんかおまえそれで......。
以上が事のあらまし。
一連の事象を見極めることができたのは殺り合った当人以外だと、介入した刹那と戦神である黄金のみ。
注目すべきは、やはり無慙か。
あの波旬とぶつかって、殺されるどころか指一本持っていくとは......。
神咒のVFBで開陳された神々の強さの設定変わってやがるなコレは。
結果的に何事もなく収まったものの、無慙がしでかしたことは全員を巻き込んだ大心中と同義。
明星含めみんなが無慙を睨むと、自然と修復されていく右腕を見つめニヤつくヤンキー。
曰く、本当に生殺与奪の権を握られているのかどうか、確かめたかったとのこと。
……いや、大事なことだけど、事前に言っとけ(;´Д`)
無慙の危うい性格は、第一天時と何も変わらないとこぼすコウハ。
無「それにその餓鬼は気に食わん。屑は絶滅させたくなるし、無視されるという経験もなかったのでな」
.......てかこっちが本音だな。
ついでにこの場の戦力を大まかに測ることができたと、無慙。
それはつまり、この先の戦争を見据えているということ。
「共闘」となるかどうかはともかくとして、無慙も真我たちとの戦列に加わることを承諾!
ここに意志は一つとなった。
真我は最後に、大役を任せる人物を紹介。
促され、意を決するコウハ。
持てる勇気を振り絞って、生涯初の舞台へと踊り出る——。
ということで神々たちの歴史的な最初のサミット終了。
主役・ラスボスを飾っただけあって、どいつもこいつもクセが強いぃ!!
しかしそんな奇人変人どもの会話は、聞いてるだけで絶頂もの。
頑張れ蓮、おまえだけが頼りだ!
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