ゆらりゆらりとゆらゆらと

あたまの悪い男が、起こったことを忘れないためのボケ防止日記

『相州戦神館學園 八命陣』水希ルート第八話 感想・壱

“ようやく分かったんだ、俺にとっての戦の真が” 
“千(アマタ)の信(イノリ)を聞いてくれ!” 

 

 

仕事が忙しく1ヶ月ぶりの更新( ;∀;)。

厄介な親父と厄介なヒロインを相手に、四四八が過労死しないか心配。

 

 

 

前話からの続きで始まる四四八vs聖十郎。

晶ルートで散々苦しめられた逆サ磔が再顕現。

相変わらず四四八はセージが憎くて仕方ないし、セージは四四八が羨ましくて仕方ない。よって逆十字は今回も絶賛大稼働。

さらに正田作品には珍しい頭脳派のセージは前回の敗戦を活かして、最初から“盧生の資格”にターゲットを照準!余計な口上や攻防はムダだと、徹底して割り切った戦い方に。

こうなってくると四四八側はマジで打つ手なし(笑)。晶もいないため、彼女のルートで使った回復ありきの戦法も出来ず。

ここに、セージは勝利を確信。

聖「さあ、役目を果たせよ四四八——俺を救う救世主(イェホーシュア)!」

 「おまえという祝福を得て、今こそ俺は盧生となるッ!」

 

視点は四四八に。

防戦一方。オマケに彼の勝利条件は倒すことではなく、許すこと。

打開策を見出すべく、傷つく中で彼はこんなロクデナシを愛した母・恵理子に想いを馳せる。邯鄲に入る際、彼女から受けとったある意思を思い出し、奮い立つ。

次いで思い浮かべるのは、剛蔵の姿。晶ルートでみせた男の殴り合い。勇気と友情の在り方を見せられ、四四八の中で確実に答えが輪郭を帯びていく。

 

四「そうだ。許す、許さないじゃなかった」

 

 「心から伝えたいと思えることを、俺自身が見つけなくてはならないんだ」

 

逆サ磔を受けながらも、四四八は前へ。

息子の本心など見当もついてないセージは、嬉々として迎え入れる。

すると、両者の間に現れる濃霧。四四八の聖十郎に対する悪感情が表出したもので、ようやく彼が自分自身と向き合えた証拠。

セージはなんのこっちゃわかっておらず、変わらず不遜に対抗。もはやピエロである。

再三に渡る「俺の役に立て」。急段の威力を上げるべく、下劣な挑発を繰り返すセージ。......しかし意に介さず返答する四四八に、聖十郎は恵理子を重ねて知らず危機感を覚える。

——霧の中で風が吹く。

セージの目の前には、毅然とした四四八の姿。

驚愕するセージへ、四四八はついに今まで目を逸らしてきた真実を口にする——

 

 

 

 

四「————親父。俺は、あんたの息子だったよ」

 

 

 

 

清廉なBGM「戦の真は千の信に顕現する」が鳴り響く。

愛が無くとも、打算しかなくても、それでも、この世に生んでくれたのは父親がいたからこそ。仲間たちとの出会い、人生の尊さなど、生まれなければ感じられなかった思いなれば。

感謝の念と共に、新たな破段を会得。

 

“生まれてきたんだ。ここにいるんだ。あんたのおかげだ——ありがとう”

 

“抜けば玉散る氷の刃” 

“破段、顕象——” 

“犬塚信乃——戌孝” 

 

芽生えたの思い、翻って破魔の力となって現れる。病や穢れを祓う能力なため、セージの急段にモロに突き刺さる!

ここに、セージを父と認めた四四八。家族としてキチンとダメ出しもして、息子の役目をきっちり果たす。

反対に、聖十郎は最後まで罵詈雑言の嵐。父としての責務を何一つ果たさぬまま、無常に現実へと還っていく。

こうしてストーリーの中核を担ってきた“親子対決”は完全決着。あっさり感は拭えないが、セージに引導を渡す人間は別にいるので( `ー´)ノ。

 

アラヤ公認の盧生となった四四八。

邯鄲での任務は達成できたため、あとは現実に戻って最終決戦なのだが......今もクヨクヨ悩んでいるメインヒロインがいるため、夢を続行。

 

 

 

 

 

 

場所は校舎。

教室で佇む水希。

水「ねえ——私は柊くんのことが好き」

 「柊くんの方はどうなの?私、やっぱり面倒くさいかな?」

 

その質問がめんどくせえ!!

 

四四八は返答を拒否。

なぜなら水希が見ているのは四四八本人というより、自らが定義した男性像。それは「(女性より)強い男」であり、四四八の本質など欠片もみていない。

ゆえに、スパルタ優等生は言葉ではなくその身を以て証明せんと、得物を創造!強制的にバトルスタート!

ほぼ不意打ちに近い状態で攻撃を放った四四八。水希は間一髪で防御をするも、真実を知っている四四八は驚かない。彼女であれば当然の所業で、まだまだ底は計り知れない。

四「世良、本気を出せ。それは俺が死なないと駄目なのか?」

 「俺は誰かのように、これで壊れてしまうほど柔な身体に生まれちゃいない」

 「だから男を、俺を、いつまでも甘く見るんじゃない!」

 

四四八の喝破を受けても、水希の凝り固まった価値観は揺るがず。男>女という単純な図式で成り立っている。

さらに自身の実力の高さを把握しているため、あえて「己は弱い」という自己暗示までかけてる始末。最高にめんどくせえ......。

四四八は「本気だしてくれなきゃ男が廃る(`・ω・´)」と当然の主張をするのだが......これに水希が激昂!弟の件からずっと守ってきた己の在り方を否定されたと思い、激しくヒスる!

水「私は生まれつきこうだもん!ええごめんなさい、弱く生まれることが出来なくてッ!」

 「それが間違いだって痛感して、我慢して、ずっと閉じ込めてきたんだから......なのに今度はそれもやめろ?腹が立つから、嫌だって......軽く言わないでよ、じゃあどうすればいいっていうの!死ねって?消えろ?じゃあそうしてよ、柊くんがやればいいんだ!」

そこはかとなく漂う櫻井螢臭......正田は地雷女描くのうますぎな。

野枝は時代に抗う強さを求め、水希は時代に則り強さを拒絶。同じ女性でもこうまで違うか。

 

そして、キレた女を冷静に諭すのが正田作品の男のサダメ。四四八は男がどういった生き物か、改めて説く。“我も人、彼も人”......性別の差はあれど、人間としては対等であることを。

その言葉を受け、ようやく水希も弟の死に向き合う。

その後の運命を決めることになった、過日の弟の告白......あの時逃げずにキチンと「姉弟だからm(__)m」と言えていればと回顧。勝手にノッブを弱者と決めつけてしまったことこそが、自身の過ちだと気付き——四四八の本気に、本気で返す! 

 

 

そうして全霊の一合を結び合った両者。 

やせ我慢をする四四八に、からかう水希。

ようやくメインヒロインの闇が晴れたようでブログ主も安堵(笑)。 

水「私にとっての戦の真は、柊くんや仲間のことを信じる心......」 

 「ありのままの自分を見せて、それを受け止めてくれるって、強く信じることだったんだ」 

あまりに強すぎるがゆえに、気付けなかった当たり前のこと。それを諭すのに人生5週もかかってしまった四四八だが、まぁそれだけ難敵だったな水希は(笑)。 

 

ともあれ、邯鄲でのやり残しはこれで終了。2人は本当の朝に還っていく——。 

 

 

続き→『相州戦神館學園 八命陣』水希ルート第八話 感想・弐 - ゆらりゆらりとゆらゆらと

 

 

 

出典元:www.light.gr.jp