「神咒神威神楽 曙之光」文月・穢土諏訪原 感想・上
“なぜなら、あたしも——”
“——あんたと同じ、癌だからな”
出没、アド街ック天国in諏訪原の回。
もはや完全にDiesの続編であることを隠そうとすらしないあたり、逆に清々しいぜ。
現状の最終目的地“諏訪原”へ到着した東征軍。
倒壊したビル群が並び、さながら終末の光景。
さて、この作品もようやく中盤にさしかかったところで、ようやく我らが主人公・六条紅虫さんが!!
チキンな岩倉・千種とは違い、はるばる前線までやって来られた。さすがだ。
その狡から......ゴフンゴフンッ!失礼。
その周到な立ち回りに、冷泉様が嫌気を差していると伝令から通達。どうやら意識不明の異人がいるとのこと。
ここで注目ポイントなのが、“龍明が蘇生措置を施した”という点。
姐さんは当然異人の正体が誰なのか把握しているわけなので......ハナっから宿儺とバトらせようと意図してたのね。とことん水銀に似てきたな。
冷泉から報告を受けた竜胆は、覇吐を連れて意識が戻った異人の下へ。
うわぁ...かっけえなエリー。海軍服も似合ってるとかってレベルじゃねえぞ。
娘はペリー率いる米海軍使節団の交渉役。それ以上の素性は明かせない......と、いかにも怪しい。
神州からしてみればアメリカは仮想敵国であるため、さっそく尋問を開始——どうして黒船は座礁したのか?
返ってきた答えは「この世のものではない歌が聞こえてきたから」。
Diesで歌といえば“血のリフレイン”が真っ先に思い浮かぶが......ここでいう歌とは?
ともかく、そんな異常事態は見過ごせないと、竜胆は諏訪原を調査することを提案。
しかし、軍の状態をよく把握している冷泉様はこれに反対。今は補給線の維持と黒船内部の調査が先決であると異議申し立て。
う~んホントに優秀だ冷泉様。この人が武家の棟梁でも、正直まったく問題ないのでは?
ただまぁ覇吐曰く、すでにこの段階から冷泉にはどこか異様な気配が漂っていたようで......。
結局いつも通り、竜胆たちだけで行動するという結論に。
そしていつもの組み合わせで方々へ。
......ってか実質遺跡デートみたいになってやがる!
クソが爆発しろ全員!!
楽土血染花
兄妹が訪れたのは遊園地跡。
マリィルートだと確か......蓮たちが決死で病院戦してる最中、ベイがこっそりスワスチカ開けた場所じゃないか(笑)。
正直印象としては「薄い」とかってレベルじゃないが、ここで問題なのが群生している花々。
よりにもよってバラ。それも思いっきりあの庭園を想起させるような咲き方。
案の定、咲耶はこの光景に上機嫌。
そして、垣間見える在りし日の幻影。
見せているのは、からかい上手の宿儺さん。
内なるベイが興奮したのか、刑士郎はぐったり。......毎度大変だコイツ。
休憩がてら、2人は故郷の思い出話を。
辛気臭くいかにも“田舎の村”であったが、咲耶にとっては宝石の日々。
遊園地に咲き誇るバラに自分を投影する。
......少しずつ妖しげな感じが戻ってきてます。
何かに魅せられたように、咲耶は兄にバラを一輪差し出す。
すると.........なんということでしょう(サザエさん声)。
刑士郎が触ったとたん、バラが枯れ落ちてしまったじゃありませんか。
散華した花を見て、普通ならビビるところだが、咲耶ニキは普通じゃない(知ってた)。
咲「わたくしは先ほどの花になりたいと、ただそれだけを思いました」
「あの花のように、兄様に吸われてしまえばいいと」
威烈繚乱
2人が来たのは諏訪原大橋(って名前だっけ?)
マリィルートでは処女同士がバッチバチに殺り合った場所。
戦場の雰囲気を感じ取り、自分らにピッタリだと紫織は上機嫌。
そんな紫織とちょっとプライベートに突っ込んだ話をする宗次郎。剣以外興味ナシ男だったこいつも、ようやく良い兆候がみえてきて何より。
談笑していると、こちらにも幻影が。
流れる映像は先述した殺し合いの風景。螢の熱い啖呵が相変わらずシビレる。
しかし紫織にとってはそうではなかったか、モロにしかめっ面。
宗次郎は宗次郎で、どんなに凄くても過去の人間とは戦えないと興味が薄い。
宗次郎の興味はあくまで“今生きている強者”。東征が終われば紫織、覇吐、刑士郎、最終的には竜胆をも斬ると宣言。
宗次郎が目指す“天下最強の剣士”の定義とは“ 壬生宗次郎が最後まで生き残る”こと。
唯我もここまで突き抜けてくると、いっそ清々しい。
が、同じ穴のムジナと思われていた紫織が、宗次郎の論に鋭い指摘。
紫「でもさ、今度はそうすると先がなくなるんじゃない?」
「せっかく天下最強の剣士になっても、それは終焉への秒読みだよ。戦う相手がいなかったら、壬生宗次郎が最強でいられるのはわずかの一瞬だけになる」
「後に残るのはかつての頂点。最強だった剣士でしかない」
脳筋みたいなナリして、本質をズバッと言うなぁ。
言葉に詰まる宗次郎は、反対に紫織は何を望んでいるのか訊ねる。
その答えは——。
紫「私は、ずっと戦える相手が欲しいなと思う」
どちらの意見が真っ当か、東征後にケリを着けようと笑う2人。
咒皇百鬼夜行
夜行らが到着したのはタワー跡。
どうしても思い出すのは、シュライバーの撲殺ダンス(凶器:ルサルカ)なんだが、あれは螢ルートだったな。
マリィルートでは蓮vsマキナの聖戦の地。
他パーティ同様、こちらでも幻影現出。
求道を極めたマキナが発した「敗北(なっとく)させてみろ」という言葉をいたく気に入る夜行。
傍にいた龍水は、幻影の中にあった“既知感”を読み取る慧眼ぶりを発揮。やはりこのカップルは少し抜きんでてる。
夜行はふとした気持ちで龍水に質問——本当の母親に会いたくないのか?
龍水の答えはハッキリとNO。彼女は龍明こそが最高の母親だと信じて疑わない。
夜「なるほど。では、おまえは幸せというわけか」
水「それはもちろん!母刀自殿を母に持ち、夜行様の傍に置いて頂けることを、どうして不幸などと思えましょうか」
「今の幸せは、私にとって最大限望めるもの。そう言っても、過言ではないと信じております」
序盤から幸せアピールがすごかった龍水。正直初見プレイの時はこのことに何も違和感をもたなかったなぁ。
夜行と龍水の類似点。それは“幼い時分の記憶がない”こと。
とくに夜行にいたっては、最古の記憶が“龍水と初めて出会った日”とのこと。
そんな超重大なことに考えを巡らそうとしたところで、例の歌が聴こえてくる。
神世創生
覇吐たちが向かったのは教会跡。
第四天下ではヤンキー2人がヒャッハーして、魔女がどえらい目に遭った、いろいろと酷い場所(笑)。
その雰囲気から、なんとなく儀式場であることを察した覇吐たち。
話題はそのまま結婚式に。
祝い事の場でもそんな厳しい顔してんの(*^-^*)?とイジる覇吐に、キレた竜胆は祝言の作法を見せたらぁと告げる。
すると抜け目のない覇吐。参列者側でなく、挙げる側だと捉え、テンションMAX。
詰める覇吐。うろたえる竜胆。
はぁ~~尊い。
竜胆の鬼のような説教が終わった後、2人はようやく教会内へ。
礼拝堂まで進んだところで、見えてきた幻影は玲愛が祈る姿。
ここまでの行軍で様々な事態に翻弄されさらに自身の現状もあり、思い詰めていく竜胆。ことさら“死”に対してかなり敏感に。
そんな彼女を安心させるべく、覇吐は“死なない”ことを宣言。
ここまででも何度か口にしてきた言葉だが、それは自愛から来るものではなく、
覇「俺は、竜胆のために死なないんだ。それはおまえと同じだろ」
「そうさ。俺は、おまえのために生き延びるし、おまえは俺のために死なねえんだよ」
「自分のためだけじゃないから、生きる」
覇吐が言うと、なおのこと感慨深いこのセリフ。
「誰かのため」と「生きる」というこの2ワードは、神咒の中じゃあ特別大きな意味を。
と、各陣営の下に例の歌が聞こえてきたところで前半終了。
後半は待望のルネ山登場で、ブログ主含む信者たちにとってはまさに至☆高☆天。
オレにはまだまだ届かねえよ♪→「神咒神威神楽 曙之光」文月・穢土諏訪原 感想・下 - ゆらりゆらりとゆらゆらと