「神咒神威神楽 曙之光」最後之修羅 感想
“誰よりも真実に誓いを守り、何よりも誠実に契約を重んじ、神よりも純粋に人を愛した破壊の君よ”
“我を焦がすこの炎で、総ての穢れと総ての不浄を祓い清めると誓いを立てよう”
story:かつて黄金の近衛として“怒りの日”の舞台に立ったエレオノーレ・ヴィッテンブルグ。黄昏の地平で幸福な人生を謳歌していたが、運命の日が来てしまい——。
コンシューマで追加収録された龍明の章。
本編より300年前にいったい何があったのか、あぁよくぞ加筆してくださった。
個人的には夜都賀波岐メンバーたちの本来の姿が描かれたことが何よりうれしい。
じぃゆうすけ様の覇道にすっかり呑まれてしまったよ(アヘ顔)。
マリィの法が包む世界、『黄昏輪廻転生』。
遍く総ての生命に成長を促し、幸せを約束している太極。
かつて獣の爪牙として、地獄を彩ってきた姐さんも例外ではなく。
その“追いかける”という性格は変わることがなく、転生を重ねる度に至高の輝きを求め生きてきた。
何度転生しようと女性として生まれ、隣にはかなりの確率で腐れ縁のFカップの存在も。
モノローグでも言い争いしてるあたり本当に仲いいな(笑)。
姐さんは黄昏の世界を謳歌。
それもそのはず、メルクリウスが生存しているため対になる黄金の君もまた、世界のどこかで生きている。
無自覚ながらもそれを感じとっており、第五天は今日も平和。
——そして訪れる運命の日。
“座”に殴り込みをかけてきた不調法者。
挺身追跡隊メルクリウスの戦意に呼応する形で、ラインハルトも覇道神として復活。
姐さん含め、かつての爪牙たちも再び修羅の戦奴へ。
“懐かしくも鮮烈な主の威風に、総身痺れて声も出ない”
“この想いは忠。この涙も忠。断じて浮ついた色恋などでは有り得ない。私は黄金(かれ)の兵としてその背を追い、戦場に在ることのみを願う者”
姐さんがどこまでも可愛くて、ぼくは満足です!!
一同に会した黄昏・刹那・水銀・黄金の覇道神連合。
『Dies』をプレイしたユーザーならば、この面子が揃った時点で勝ち確だと思うのは当然!
さぁさぁ、身の程知らずのボンクラにお灸を据えて希望の明日へレディ・ゴ
波)——滅尽滅相!
……は?
わ ら え る か !!
座に殴りこんできたのは、よりにもよって神座史上最強最悪の邪神。
黄昏、水銀…そして黄金の三柱は敗北。
修羅の近衛であるエレオノーレ。本来なら自分たちを破った者には敬意を払うものだが、このクソヒッキーだけは例外であると怒髪天。
主の死に引っ張られながら、その胸中は仇討ちに燃える。
憤怒に猛る中、聞こえてきた“超越の物語”に身を委ねる——。
そうして目覚めると、そこは穢土。
起きた瞬間世界の主の殺意に染められる。蓮たそ……。
傍らにはTHE腐れ縁のリザさん。
ちょっ、リザさん…相変わらず美人すぎません?
和服はおろかマロ眉まで似合っちゃってるなんて反則でしょう勘弁してくださいよ。
どれだけ眠っていたかを尋ねる姐さんだが、穢土に時間の概念はナシ。
なぜならそこは蓮の世界。
リ「愛しい刹那よ、永遠なれ......彼の渇望(ねがい)だったでしょう?」
「だから、この地は絶対に渡さない。守ってみせるわ。彼を、そして私の子を......」
う~ん、マリィルートと地続きであることを踏まえると、このセリフ感慨深い。
ト『では、テレジアは死ねと仰る?』
リ『そうよッ!』
思い返されるChapteⅨでの夫婦ゲンカでの一幕。
香純(ヨハン)を優先したために、玲愛を切り捨てる発言をかましたリザさん。
全部ではないにせよ、本音ではあったろうから......。その時の罪悪感や母親としての責務やら、もろもろ抱いて穢土にいるのだろうなぁと思うと胸が痛い(:_;)
リザさんの不退転のセリフを耳にし、共感とどこか違和感を覚える姐さん。
その後リザさんは、姐さんの様子を司令官殿に報告へ。
れ、玲愛せんぱ~~い!そ、そのジト目たまらないっす!!
け、螢ちゃ~~ん!!おまえなんで幼児退行してんだぁ?!性格にトゲがなくなってだだの可愛い奴になってるじゃねえか可愛すぎるほげぇぇえ!
......い、いかんいかん危うくゾウリムシになるところだった。俺は挺身追跡隊俺は挺身追跡隊......。
本来であれば穢土側のトップは当然蓮なのだが、その蓮が波旬対策で絶賛発狂モード中なので現状の最高指揮官は玲愛先輩に。
黄金の血を継いでるし指揮官としての素質は相当やばそう。
でも性格がなぁ......。
玲「泣くの?泣いちゃうの?」
「まあ泣くよね君は。泣き虫だから。さあ泣くがいいよ」
どこのブリッツのエースだおまえは。
まぁ玲愛はええわ。元からこんなだし。
問題は螢だ。
おまえ、どうしてこうなった。
玲愛が言うように蓮が留めたいと願った期間がこの幼女時代だったというのか。
だとしたら蓮はロリコンの疑惑がでてくるし(そういやDiesのグランドルートの選択肢に『ロリータかな』ってのがあったな)、螢は螢で非常に不名誉な扱いなのでは......?
玲愛とリザが姐さんのことで話していると、エリーが会話に乱入。
ちょっと声質かわった?一瞬誰なのかわからなかったぜ。
おなじみ女版司狼。
“波旬に見つかったらマズいため、名前は呼び合わない”という共通認識があるのにも関わらず、玲愛や司狼の名前を何の気なしにぶっぱする。
こいつと彼氏はどこまでも異端だな。
夜刀様超燃え萌え隊の先輩が手を焼くのもムリないわ。
目覚めてから1週間が経過。
すっかり元気になりました!ということで、姐さん自由行動へ。
しかし何の因果か、部屋を出てさっそく相対するのはロリ螢。
前の座では「その年で心まで処女とか終わってんじゃボケえぇぇぇ!」と言った側と言われた側。
言った側は現在、ある意味最強な幼女姿。
こんなん姐さんが不利すぎるだろ!!
ベアトリスを気遣い、曰く偵察に来た螢。
しかし姐さんはガン無視。
“仕方あるまい。もとよりこいつが口にすることなどは、だいたいが論理の破綻した戯言なのだからまともに聞いていると馬鹿を見る”
第六天下でもバカにされる螢。不憫だ......。
ブログ主が螢の未来を憂いていると、とんでもないイケボが聞こえて......
くっっはぁぁあああーーー!!!
兄さん馬鹿かっけぇぇぇーーーーー!!
ルサルカ超かわいいよぉぉおおおお!!!
自分、今日から穢土の蜘蛛に転生していいっすか?
トークの邪魔になる螢をルサルカが引き摺っていき、姐さんと戒の一対一。
.......いや、この組み合わせもまずいな。
黄金以外で唯一姐さんを口説けるのが戒兄さんだ。
その業は正田卿ですら危険と判断したほどだ(;゚Д゚)。
どうなっちまうんだコレ、ワクワクすっぞコレ。
ベアトリスの下へご案内。
道中屋敷の庭園を見やり、
戒「綺麗でしょう?」
エ「ああ。見事な庭だ。しかし分類的には絵と同じだな。命の息吹を感じない」
戒「修羅の城......戦死者の館に焦がれるあなたの御言葉とは思えませんね。死者の楽園という意味では、どちらも似たようなものでしょう」
......なんだこのオシャレな会話は。知的レベルが急に上がりすぎだろ。
それにしても兄さんの口調は丁寧で聞いていて心地いいな。
エレオノーレに対してもしっかり敬意を示しているのが窺えるし、こういうところもイケメンゆえなんだな。
兄さんの渇望は“全ての穢れを自分に”というもの。蓮のように他者を守る性質のため、この無間神無月と相性バツグン。
まぁ、要は主人公適正が高いってことっすな!
そんな兄さんから明かされる、かつての黒円卓の今。
・シュライバーとヴィルヘルムは消息不明。おそらく死亡している
・イザークは玲愛と融合、ほぼ形骸化
・トリファは生きているものの、依代である聖餐杯が存在しないため大幅に弱体化
そしてこれから会う一人。エレオノーレにとって縁があるどころの話ではない存在。
もうどいつもこいつも美人すぎて鼻血がとまらん!なんだこの神無月ハーレムは。
戒「二人とも、積もる話があるでしょう。僕は席を外しますので、どうかごゆっくりと」
ベ「ええ、ごめんなさい。そうしてくれると助かる」
「あの子は色々心配しているようだから、あなたが機嫌を取っておいて」
戒「分かってる。じゃあ、そういうことで」
......夫婦万歳。
ここで、二人が第五天世界では一度も伴侶とならなかったことが地味に明かされる。
初見時は驚きすぎて何度も文章を読み直してしまったものだ。マリィの愛すら超越する14歳神の呪い。
真に邪神なのは正田なのでは(笑)。
敬愛する騎士との再会を喜ぶも、望んだ形でなかったことに心を痛めるベアトリス。
.......というかあらためて中の人演技うますぎやしないか?ベアトリス一人にしたって黒円卓に入る前・後でだいぶ声質変えてらっしゃるし、さらには螢・ロリ螢・母禮と......全部まったく異なる演じ方をなさっていて、控えめに言って......最強?
黄金の輝きも包んでいた黄昏の地平。
それを奪った波旬許すまじと、胸の熱を言葉にする姐さん。
ベアトリスも頷き、
ベ「この地だけは、絶対誰にも渡しません。今度こそ守り抜いてみせます」
「少佐、そこにあなたも加わってくれるのなら、私にとってこれほど心強いことはありません。また、いつかのように......」
エ「そうだな。共に行こう」
部下との語らいを終え、次はかつての同輩の下へ。
......いかんな、この立ち絵を見ると『ミッドナイトジェントルマン』を思い出して腹筋に悪い。マジメなシーンなのに。
人と話すときは顔をだして話せ!という社会人として至極まっとうな指摘をする姐さん。
それに対しマキナは
マ「出来ぬ」
「見せぬのではなく、見せることが出来ぬのだ。もはや存在などせんからな」
「俺にとって至高の死(刹那)に時を止めたのだ。首から上は存在しない」
“怒りの日”による聖戦、その結果こそマキナが求めた安息であり誇るべき刹那。
それゆえ首から上はあの日のまま。蓮好きすぎる...。
[笠のオープン=あらゆるものを死滅させる]というとんでもない能力もサラっと明かされる。
マッキースマイル......恐るべしっ!!
今も変わらず死を想っているものの、手を伸ばすことはしない。
なぜなら夢見がちな戦友が、堕ちてなお戦っているから。
その在り方は歪んでいる、しかしそんなマキナの友情に敬意を表す姐さん。
姐さんの今後の行動を問うマキナ。
波旬許さぬと再三猛る姐さんだが、マキナは泰然と「それがどうした」と返す。
マ「おまえがこの太極(ソラ)に染まる必要などまったくない。刹那もそれを望んでいないし、黄金とてそうだろう」
「今のおまえはただ一つの異分子、ただ一人の修羅」
「問おう。修羅とは何だ」
厨二レベルの高いこの質問に戸惑う姐さん(無理ないわ)。
続けてマキナは、蓮が纏っている憎悪の鎧に皆が引っ張られていることを説明。
姐さんも例外ではなく。
憎悪の裏に隠された蓮の本当の想い。気づいているのはマキナともう一人のみ。
その答えは夜になればわかると、マキナはエレオノーレに屋敷へ向かうよう促し、かつての大隊長たちの会話は終了。
言われた通り、夜の屋敷、その最奥へ。
そこには——。
——そこには蛇のトグロに巻かれた天魔の女性陣。
憎悪に身を浸しながらも、蓮の愛に包まれて幸せだと満足している彼女たち。
この光景を目にし“波旬憎し”という激しい感情が自分のものでなかったことに気付くエレオノーレ。
そのまま無間地獄にあわや取り込まれる寸前で、その地獄の主である蓮により屋外へ解放される。
あの姐さんがパニクって逃げるほどの真実。
逃げた先で出逢うのは、蓮の裏側。
エリー同様、格好は外国由来のもの。格好いいし、めちゃくちゃ似合ってる。
司狼の特性により、無間地獄の支配になんとか抗えている姐さん。
かつてはエレオノーレの方が格上だったが、今ではものの見事に司狼の方が上位に。
というか前作じゃこの二人絡み0じゃなかったか?道理で会話が新鮮に感じるわけだ。
司狼は仲間たちの本音を暴露。
エレオノーレが先ほど見た通り、蓮の愛に甘えて現状に満足している。
司「違和感の正体はそれだよ姉さん。奴ら、あんたの前で一言も口にしなかったろう」
「戦おう、てな風にはな」
その言葉に、エレオノーレもまた、自分が“斃す”という言葉を用いてなかったことに思い当たる。
神格である蓮が発する憎悪。
これに呑まれるのは至極当然で、バカ2名と違い耐性いっさいゼロの姐さんが違和感だけでも覚えられたのはさすがとしか。
事の総てを把握したエレオノーレ。
眦を決し、今度こそ己の存在を言葉にする。
エ「私は修羅だ」
穢土を存続させるだけではいずれ来る滅尽滅相の日を座して待つのと変わらない。
蓮の真意を汲めるマキナと司狼は、その蓮と繋がりすぎているため穢土から出られない。
ゆえに白羽の矢が立つのは自然と彼女に。
“次代の覇道を見つけること”
司狼はエレオノーレに託す。
それはつまり波旬の討滅であり、蓮の消滅も促すものだが、司狼は一顧だにしない。
なぜなら彼の意志は蓮の意志。
エレオノーレが成すべきは修羅の体現——破壊の愛。
司狼の想いを受け取り、姐さんは確と宣言。
エ「約束しよう、波旬を斃す」
先ほどまでの余裕の無さはどこへやら。腹を決めた姐さんはDies時代を彷彿とさせる厳かさを。
これより魔境たる西へ渡る姐さん。
まず行うはエイヴィカイトを置いていくこと。
第六天の汚泥に紛れるため、誓いと共に“無間大焦熱地獄”を封印。
これで姐さんは完全に蓮の軍勢変生の輪から外れる。
天魔としての力はもうない。
“私は人として、知識と心と魂のみで、あの狂った自己愛の穢れに面と向かう。たとえそれが、どれほどの苦痛を伴う道であろうと背を向けるわけにはいかないのだ”
苛烈だ......この人は他者にも厳しいが、何より自分に一番厳しい。
決意と共に筆を執る。描く絵は四柱vs邪神。
かつて世界を守るために戦った英雄達、その軌跡を無かったことにしないために。
エ「見ているがいい、波旬」
「私を滅し損なったのが、貴様の敗因だと思い知らせてやる」
「なあ、そうだろう。刹那よ」
刹「ああ、まだ終わってなどいない」
「最後の修羅に敬意を表する」
「おまえの忠こそ、黄金にとっても至高の天であったのだろう」
憎悪に塗れた声ではなく、確かな意志を以て贈られた感謝と激励の言葉。
修羅の残影である彼女もまた、蓮にとっては掛けがえのない刹那。
これが300年後の夜明けを導く前日譚。
人物雑感
エレオノーレ
Diesから株を爆上げしすぎて伝説になった人。
黄金を破った黄昏・刹那に、嫌な顔どころか幸せな生をおくれていることに感謝していたとは......。尊すぎ。
外伝プレイ前までは、独断で西に渡っていたものと思っていたが、司狼と打ち合わせ済みだったんだな。諏訪原での司狼との会話に齟齬がでないか?
「最後の修羅」という肩書きにふさわしいその生き様、ジークハイル(`・ω・´)ゞ。
リザ
ありがとうFカップ。
エレオノーレとの絡みは鉄板すぎて、実家のような安心感。
玲愛や螢との会話でもあふれる母性はさすがとしか。
堂々と玲愛を娘扱いできるこの世界、彼女にとっては......。
玲愛
夜刀様超燃え萌え隊。
萌えすぎてるせいで新世界より穢土の存続を優先させちゃう、とことん報われないヒロイン。
螢に対して当たりが強いのちょっと笑う。
戒&螢
兄貴まじイケメン。強キャラ臭ぷんぷんでたまらんですよええ。
「エレオノーレとの会話」という見たかったイベントも拝めたし、言うことないっす(^◇^)。
え?螢?
ん~~、いろいろ言いたいことあっけど............可愛いからOK!!
ルサルカ
蓮(ロートス)の愛におそらく誰よりも甘えているであろう泥姫。
ぶっちゃけこの外伝だとほぼ空気。
ベアトリス
戒の嫁。第五天では正田の呪いにより幸せを阻まれた不遇の戦乙女。
......仮にエレオノーレが残留していたらベアトリスハーレムが誕生していたんだな(笑)。
立場的に考えると、彼女が西に渡る側も大いにアリやな......あ、いや螢と魂レベルで融合してるから無理なのか、惜しいな。性格的にも竜胆や龍水の指導者として十分素質ありそうなんだが。あぁ妄想が捗るんじゃぁ~~。
マキナ
夜刀様超燃え萌え隊。
萌えすぎてるせいで死にたくても死ねない苦労人。
寡黙なイメージあるけど、蓮が絡むとよく喋る(笑)。
とまぁ冗談はともかく、エレオノーレが無間地獄を脱するキッカケを与えた名バイプレイヤー。同じ修羅の軍門にいたからこそ為せる助言の数々。さすが大隊長。
修羅とは何だ?
司狼&エリー
夜刀様超燃え萌え隊。
萌えすぎてるせいで西に行きたいのに出られない苦労人。
エレオノーレに決定的な啓示を与えたもう一人のバイプレイヤー。
その態度や言動を聞くに、本当に東側でも異端なんだなと思わせられる。
てか司狼いなきゃ詰んでたなコレ。
刹那
蓮とロートスがジョグレス進化した姿。
復讐鬼となったものの、案外理性をみせてくれる。
かつて死闘を演じた黄金の爪牙すら“至高の刹那”だと定めるあたり、大人になったなぁ(遠い目)。
プロローグ→「神咒神威神楽 曙之光」序文 感想 - ゆらりゆらりとゆらゆらと