“お願い。神様——どうか私からこの人を——”
“この人だけは、遠くに持っていかないで——”
10章後半戦は、いよいよ主人公にスポットライトが。
しかしそれは決して華々しいものじゃなく、蓮をどこまでも絶望に追い込んでいく。
狂乱するアンナvsマリィ。
実戦経験のないマリィが矢面に立つなんて......(゚Д゚;≡;゚д゚)。
しかも相手が本気のシュライバーとか......。
しかしそんなブログ主の心配を払拭......どころか驚愕させる文章が。
“今のマリィはまさに究極的な覚悟と戦闘思考を持っていた。蓮の渇望を借用し、無理矢理喚起させるほどシンクロ率は高レベル”
形成時の400倍のスピードを叩き出しており......もう蓮より強えじゃねえか。
だが、マリィが速くなればなるほど、それを凌駕する速度をみせるのが“凶獣変生”の厄介なところ。
蓮の創造に噛み合いすぎて嫌になるな。
シュライバーに苦戦し、城から脱出するどころか、躍り出たのは玉座の間。
黄金の下知の下、赤騎士のテーマで始まる三騎士vsマリィ。
絶望的ながらも、即座にエレオノーレに狙いを定めるマリィの戦術眼はすさまじい。
この女神様、思った以上にバトル適正高いな。
しかし愛しの閣下が見てる手前、気合い入りまくりなエレ姐さん。マリィの攻撃を事もなげに防ぐ。
このとき既に1000倍速だしてるマリィもやばいが、“予測”だけで捕らえる姐さんもやばい。
直後に鋼鉄の拳や暴風の牙でしっちゃかめっちゃかにされるも、蓮を守ろうと絶叫して突撃するマリィの姿に、胸が痛くなる...。
エ「舐めすぎだな」
マ「信念が足りん」
シ「Und rühre mich nicht an——Und rühre mich nicht an!」
......なんだこいつら調子乗りやがって...。
3vs1でボコって悦に入ってんじゃねえぞコラ。
戦争奴隷のクセに!!ヽ(`Д´)ノ
シュライバーだけでも敗色濃厚な上に、王の前で無様は晒せないエレオノーレと、蓮を出せと殺気がマジなマキナ。
そんな奴らを前に、マリィ奮闘。ついに速度は脅威の3000倍。
......だがそれでも刃は届かない。
強いな三騎士。
今スワスチカって開いてるのまだ5つだろ...?
出せる実力もせいぜい6割ってところか。
それでこの強さ?やばくね?
よくよく考えてみたら、マリィルートで主人公勢が三騎士に勝てたのも、マキナ以外は舐めプしてたってのが大きな要因だしな...。
結局成す術もないまま、幕引きの拳によりマリィは強制退場させられる。
ラ「無力だな」
「それでは誰も守れまい」
「絶望を奏でろ。哀絶を歌え。卿ら、私を楽しませる楽器であろうが」
「怒りの日(ディエス・イレ)を聴かせてくれよ」
「さすれば、そう、奪われたものを返してやるぞ」
「テレジアの命と引き換えにな」
“どうしたらいいの?どうすればいいの?どうやったらわたしもあなたの力になれるの?”
“お願い。誰か答えを教えてください”
マ「わたし、なんでもするから——」
ラインハルトの発言に激情する蓮。
そして女神の哀訴に応えるメルクリウスが重なる。
BGMがこれまでとは一線を画す、重奏な「Ω Ewigkeit」に切り替わる。
蛇がタクトを執り、“序曲”は最終楽章へ。
“——Disce libens——”
“日は古より変わらず星と競い”
“定められた道を雷鳴のごとく疾走する”
“そして速く 何より速く 永劫の円環を駆け抜けよう”
“光となって破壊しろ その一撃で燃やし尽くせ”
“そは誰も知らず 届かぬ 至高の創造”
“我が渇望こそ原初の荘厳”
“Briah——”
“涅槃寂静——終曲”
Eine Faust——Finale
女神に頼られウッキウキな水銀から、直接注入された第四天ブースト。
それにより発現された能力は、これまでのヘイスト効果に加え、周囲の相手にスロウを付与するぶっ壊れ性能。
流れ出る覇気は、城を構成する爪牙たちが震え逃げだそうとする程。
そしていざその実力は、無様を晒せないと気構えていたエレオノーレを玉座の奥まで吹っ飛ばすレベル。
つ、強えぇ......。
蓮が出てきたことを喜ぶマキナ。すると今度は「同僚2人が邪魔」と言い出す始末。
こいつホンマ......。
しかしエレオノーレは恥をかいたまま退けぬと殺る気マンマン。
アンナたそはさっきからずっと「触るな触るな」と喚いていて意思疎通不可。
そんな殺意むき出しな三騎士へ、負けず劣らずの殺気で返す終曲蓮。
化け物たちによる地獄の狂宴が開幕。
盛り上げ役のイザークは、戦場にパンツァー隊やら騎兵団やらを次々投入。
もう誰が敵なのかわからない、まさにカオスな状態。
なんだったらヴィジュアル的には蓮が一番悪役に見える。
そんな蓮の胸中は、“怒り”。
何も守れず、誰も救えない自分の弱さを嘆く。
大事な友と太陽を失ってしまった今、“大切な刹那を止める”という願いも虚しいだけ。
“なあ、だけど”
“たった一つだけ言わせてくれよ”
“俺はやっぱり、どうしても——”
“おまえらを、こんな城にしたくないと思うんだよ”
その赫怒はついにエレオノーレとマキナを完全に停止させる領域に。
そのままマキナを両断しようとしたところで、水銀からボソッとアドバイス。
「おまえこのまま流出しちゃってええの?」
↑(たぶんこんな感じのこと言われた)
流出位階の意味と、自身の法則が流れ出た危険性がよぎり、蓮は思わず後退。
蓮が退いたことにより、他のみんなも急に賢者モードに。
さっきまでの狂騒っぷりが嘘のように静かに。
一番テンションが下がってしまったのは、もちろん黄金。
仕方なしにと槍を形成。
マリィの流出フラグがたち、水銀ニッコリ。
槍の矛先は蓮。
その威容は、終曲に至った蓮ですら「停止できない」と思わせるもの。
ちなみに金本で明確にされた各キャラのパラメータ。
一部抜粋させていただくと、
螢を基本にみて
万能王エレオノーレ
蓮
そして問題のラインハルト
…こいつ形成の段階で全キャラに勝てうるスペック持ってやがる。
そら規格外なんていわれるわけだわ。
迫る黄金光。
その間もボソボソ何か呟いてくるメルクリウス。
蓮の脳裏に映る、ロートスの影。
そしてこの選択肢。
うっひょぉお~~。
「Amantes amentes」最高ぅ~~~。
......だが落ち着けおれ。
上を選びたいところだがまずは壮大な痴話ゲンカをみるために下をポチっと。
逡巡し、今何をしなければならないのか悟った蓮。
槍を回避し、城の奥で泣いている守るべき存在へ手を伸ばす。
無事、玲愛先輩回収。
あとは脱出あるのみ。
超スピードの蓮に、後ろから追いつくアンナちゃん。
相変わらず「触んな!触んな!」と吠えながら牙を鳴らす。
蓮は完全に玲愛を守る姿勢になっているため、蹂躙されるがまま。
「私を見捨てて」と泣き叫ぶ玲愛に対し、苦悶の声も上げず守りに徹する蓮が痛ましくもかっこいい。蓮は追い詰められたときほど、カッコよさが際立つのがある種不幸だな。
蓮の捨て身の防御も空しく、アンナちゃんの牙は終曲の刃を砕ききり、オマケにイザークの魔手まで伸びる。
絶・体・絶・命。
しかし「いや、さすがに死なれちゃマズいわ」と冷静な黄金閣下は2人を制止(遅えーよ!)。
なんとか地上に逃れ出た蓮たち。
玲愛に傷一つつかせなかったのは本当にすごい。
が、その胸は未だ殺意一色。
空に浮かぶ城を見上げ、殺すと叫喚。
血涙を流すその姿は胸に刺さる......。
先輩は静かに抱きしめる。
涙ながらに、蓮がどれだけ自分にとって大切かを訴える。
“生きている、鼓動がする、自分はあなたに生かされている”
紡がれる言葉の数々が蓮を救っていく。
先輩、素敵だ。
蓮も徐々に正気を取り戻していき、再び不退転の決意を。
2人でいっしょに生きていくことを誓う。
マキナに敗れたルサルカは、すぐに消されるでもなく、教会のスワスチカ要員に。
結局誰にも追いつけず、届かず。
どこまでも薄幸なその生涯。
ル「えいえんが、いいの......」
「えいえんになれば、またあえるかも、しれなくて」
「えいえんになれば、あいされるかも、しれなくて......」
何もない虚空に手を伸ばす。
何もないはず、しかしそこに昔掴めなかったはずの魂を感じる。
ルサルカは問いかける。
今でも刹那が愛しいか。
死にゆく自分を、“永遠”だと言ってくれるか……。
ロ「ああ......」
「時の止まった不変は好きだよ」
“天に輝く銀の月よ”
“その光は愛に満ちて 世界の総てを静かに照らし”
“地に行き交う人達を”
“いつも優しく見下ろしている”
“ああ月よ そんなに急がないで 教えてほしい 私の愛しい人は何処にいるの”
“天空の流離い人よ 伝えてほしい”
“私はいつもあの人を思っていると”
“ああ 伝えてほしい 私があの人を愛していると”
“愛しい人が 夢の中に私を見るなら”
“その幻と共に目覚めてちょうだい”
まるで葬送曲のように綴られる、ドヴォルザークの歌劇「ルサルカ」。
永遠となって旅立つ魔女を最後に第10章は閉幕。
キャラ雑感
ルサルカ
これまでのルートではず~~~っと嫌なやつだったクセに、玲愛ルートに入ったとたんまさかの“純情”という属性を獲得した最強の後付けヒロイン。
ルサルカの中の人も喜んでらっしゃるようで何より。
しかしこの魅力が逆に最初から発揮されていたのならば、ヒロインの半数を喰ってただろうなと思うと、これでよかったのかもしれない...。
ChapterⅪ Xenogenesis→「Dies irae ~Amantes amentes~」ChapterⅪ 感想 - ゆらりゆらりとゆらゆらと