ゆらりゆらりとゆらゆらと

あたまの悪い男が、起こったことを忘れないためのボケ防止日記

「Dies irae ~Amantes amentes~」ChapterXⅢ 感想Ⅰ

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“その勝敗は明白であり、奇跡でも起こらぬ限り覆ることはない”

“だが奇跡とは?”

“本来そのようなときに起きるからこそ、奇跡というのではなかったろうか” 

 

歌劇「ヴェヴェルスブルグは今日も地獄」開幕。

香純ルートでは出番がなかった奴らが鬱憤を晴らすかの如く大暴れ。

おかげで主人公勢が苦戦どころの騒ぎじゃなくなってしまった。

しかしこの章、半分くらいはエレオノーレとベアトリスの惚気で構成されていることにユーザーたちはお気づきだろうか!?

 

 

蓮たちが派手にドンパチやってた一方で、司狼は囚われの香純を救出。

やはり有能。

このままミッションコンプリートかと思いきや、ここまで暇を持て余していた神様がついに顔見せ。

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蓮と瓜二つの顔に動揺を隠せない2人。

 

 

礼拝堂では螢とラインハルトの間に割ってはいる、カッコよさ満点の戦乙女の姿が。

ラ「久しいな、中尉」

ベ「ええ......お久しぶりです、ハイドリヒ卿」

ベアトリス復活は最高に熱いのだが、目の前に立ちはだかる絶望がそれを大きく上回る。

螢へ向けられた槍を止めたのも、螢をかばうベアトリスの雄姿がみたかったから、という何とも“らしい”理由。

 

ベアトリスとの再会により、螢は元気を取り戻す。

和気藹々とした空気が流れるも、それをぶった切るかのようにトンデモない提案をぶっぱする黄金閣下。

ラ「殺し合え」

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一人は8つ目のスワスチカの贄。

一人は欠けた白騎士の代替。

生き残った一人は、ランハルト流出後のお相手。

こっちで決めてもいいけどおまえらで決めたほうがまだ傷は浅いべ、という勘違い甚だしいやさしさを見せてくれる獣殿。

黎明のときはこんな人じゃなかったのに...もっと常識あふれる人だったのに...。水銀中毒こわい。

こんな悪魔の提案を撥ね退ける3人。

蓮「ここでおまえを斃せば全部終わる」

螢「あなたはこの世にいてはならない」

ベ「第八が開放され、手に負えなくなってしまう前に」

60年前よりその実力を知ってるためか、ベアトリスだけ現実的な啖呵なのにちょっと笑ってしまう。

提案を蹴られたどころか喧嘩を売られた獣殿。怒るどころか嬉しそうにほほ笑む。

総てを愛する男は伊達じゃない。

残る部下へ一言「喰らえ」と下知。

瞬間、ベアトリスは炎に呑まれ、蓮は拳圧で吹き飛ばされる。

 

“その男は墓に住み あらゆる者も あらゆる鎖も あらゆる総てをもってしても繫ぎ止めることができない”

“彼は縛鎖を千切り 枷を壊し 狂い泣き叫ぶ墓の主 この世のありとあらゆるモノ総て 彼を抑える力を持たない”

“ゆえ 神は問われた 貴様は何者か”

“愚問なり 無知蒙昧 知らぬならば答えよう”

“我が名はレギオン——

 

“Briah——

“至高天——黄金冠す第五宇宙”

 GladsheimrGullinkambi fünfte Weltall

 

流出が目立ちすぎてイマイチ日の目を見ない獣殿の創造。

しかしその詠唱のかっこよさは作中トップクラス。

愚問なり~のくだりが厨二心を刺激するし、「ヴェルトール」の言い方が力強くて鼓膜が天元突破。女性人気がでないわけがないわな。

 

ラインハルトの創造に、蓮たちだけでなく司狼&香純も巻き込まれてしまう。

髑髏がひしめくが、それでも優先すべきは目の前の正体不明の影法師。

香「答えて、あなたは蓮の何なのッ?」

司「つーより、蓮がおまえの何だ?」

基本的におしゃべりが大好きなため、聞かれたこと(聞かれてもないことも)にはきちんと答える水銀。

メ「あれは我が分身、我が創造物」

 「あれは私の聖遺物」

 「怒りの日の奏者だ」

水銀にしちゃ珍しく簡潔に言ったほうか?にしても言い方がうざってぇ...。

ツァラトゥストラは既知を打破するために創った存在で、黒円卓なんてただの餌」と独白。そのダークっぷりをユーザーに一切隠さない。

作中キャラから嫌われ、爪牙たちから好かれるのはそういうトコ。

 

 

さて、敵方のご指名により、蓮はマキナ、ベアトリスはエレオノーレが対戦相手になったわけだが、残った螢ちゃんは......?

ラ「歓迎しよう、レオンハルト

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いじめられ珍道中に耐えた結末がまさかこんな...。なんでこんなことに...。

こいつらの接点てせいぜい“ラインハルト”“レオンハルト”って名前がちょい被りしてるくらいじゃんか。

あっちが百獣の王ならこっちは箱入り子猫だよ。

 

獣殿の口から明かされる黄金錬成の真実。

死者蘇生やエインフェリア化はあくまで目的のための手段に過ぎず。

魂を回帰の輪から外し、世界の法則を乱す。

最終的に神を殺すことで既知を垂れ流すこの世界を終わらせる旨を螢に説明。

突然の重篤厨二病発言を受けて「何言ってんだこいつ」状態な螢。

しかしお構いなしにラインハルトは喜々として続ける。

ラ「胸が躍ると思わんか?戯けた創造主とやらいう者に、我ら総軍、無限の回帰より脱却して挑むのだ。私が指揮し、卿ら英雄達(エインフェリア)が先陣を務める。怒りの日(ディエス・イレ)に相応しい」

これだけ熱く語るも感化されない部下に、ならばと、「不幸な人生だったろう?こっちにくればみんな幸せになれるんやで...?」と同情路線に移る閣下。

死者と再会でき、離れ離れになることはないんだよ、と。

しかしこれまで悲劇に見舞われてきた少女は一言、「くだらない」

今の自分を形作ってきたこれまでを否定させはしないと、毅然と刃を構える。

既知だろうが未知だろうが、自分の意志で決めた道なら胸を張るべきだ!と語るその姿は“レオンハルト”の名に恥じぬ勇壮さで、先に子猫だと評したことを謝らなければならない。

しかし言い返されたラインハルトも、「うんうんそうだねその通り、自分もカールもしょうもない奴だよ」と、その大物ぶりが下がることがない。

玉座に腰掛けたまま、螢を挑発。

ラ「私に未知を見せてみろ。失望はさせてくれるなよ」

螢「あなたを斃し、カール・クラフトを消滅させる!」

獅子同士の戦いが始まる。

 

 

大ホールでは60年ぶりの再会となる鬼上司と忠犬部下。

ベアトリスの吐くトゲにやれやれといいながらも、すごく嬉しそうなエレオノーレ。

......こいつら早くも惚気てやがる!!

 

トリファの退場はすべてエレオノーレの手練手管によるものとみているベアトリス。

即興の計画であったにも関わらず、見事トリファを陥れ「水銀みたいなことするじゃないですか」と皮肉たっぷりに言うも、エレオノーレの余裕は崩れず。

Q.どうしてそんなに強いんですか?

A.信仰

というシンプル・イズ・最強なアンサーを返してくれる。

ちなみにここで「いやアンタのは信仰じゃなくて愛だろ!」なんて指摘しようもんならもれなくムスペルヘイム

 

トリファ攻略の疑問を解消でき、ベアトリスはようやく積年の想いをぶつけるときが。

ベ「私には敬愛する人がいます。その人はちょっと恐くて、かなり傲慢で、信じられないくらいの理想主義者で」

 「追いかけて追いかけて追いかけて追いかけて——

  「行き着く果ての楽園(ヴァルハラ)は、こんな所なのですかッ!」

嘆かわしいと絶叫するが、これで動じるエレオノーレでは当然ない。

ついにバトルスタート。

これまで幾度も流れた「Thrud Walkure」も、やはりベアトリスにこそ相応しい。

黒円卓最強の剣術+雷速の動きをみせるも、なかなかエレオノーレを捉えられない。どころか腕組みして余裕綽々。

それもそのはず、姐さんは城で毎日シュライバーと戦っていた!

すごいマッチングだなおい。

(まあ両者とも真の創造を使ってないはずだから、なんともだが)

そしてその経験から得た新技“ドーラ砲の運用に係る兵の召喚”を披露。

銃撃部隊や砲兵を用いだし、やってることがミニラインハルト。

 

苛烈な攻撃を掻い潜り、ベアトリスは祈りの渇望を謳いあげる。

......だが聴こえてきたのはそれだけではなかった!!

 

“私が犯した罪は——

“心からの信頼において あなたの命に反したこと”

“私は愚かで あなたのお役に立てなかった”

“だからあなたの炎で包んでほしい”

 

“さらば 輝かしき我が子よ”

“ならば如何なる花嫁にも劣らぬよう 最愛の炎を汝に贈ろう”

 

“我が槍を恐れるならば この炎を越すこと許さぬ”

“我が槍を恐れるならば この炎を越すこと許さぬ”

 

“Briah——

“雷速剣舞——戦姫変生”

 Donner Totentanz——Walküre 

 

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顕現する、カインの時とは比べものにならないほどの雷光。

詠唱中も“あなた以外のものになりたくない”なんて、上官にぞっこんなモノローグするわ、上官は上官でそれに応えるようにヴォータンのセリフ被せてくるわ、もうなんなんだよこいつら...。必死こいてる螢の気持ち考えたれや。

 

 

場面は切り替わり、闘技場ではマキナの拳圧で錐揉みながら吹っ飛ばされる蓮の姿が!なんか想像するとマヌケだな。

拳がッ!当たるまで 殴るのをやめないッ!なマキナ。

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そのまま自身と蓮の出生秘話を語りだす(なにそれこわい)。

マ「ここは蠱毒

 「最後の一人になるまで強要された、奴隷達の墓場」

 「誉れの欠片も存在しない、腐りきったヴァルハラだ」

60年前、大戦で死んだ者らが集められ「今からちょっと殺し合いをしてもらいます」ということで行われたバトルロワイアル

戦いの果て、勝利した魂を水銀が二つにギッチョン。

一つがマキナ。一つが蓮に。

“戦場で死ぬことこそ名誉”という、ドイツ人なのに侍みたいな感性を持っているマキナさん。

そんなこんなでMr.死にたがりは、「蓮と戦って、勝てたら城から解放」という口約束を水銀と交わす。

そういった諸々の影響があいまって、マキナは蓮にご執心。

 

そんな“終焉”にとりつかれた男へ、蓮も負けじと返す。

蓮「繰り返してやるよ、何度でも」

マ「違うな。ここで終わるんだ」

蓮「だったら、終わるのを止めてやるよ」

両者とも、戦友だったころを思い出せぬまま死闘へ。

 

 

そんなあっちこっちの状況をリアタイで把握する司狼&香純。

みんなが頑張ってる様子をみると、いてもたってもいられないのが香純というヒロイン。

自殺して計画狂わせたるわと、とんでもない覚悟をみせてくれるも、水銀よりムダの一言で片づけられる。 

むしろ香純が死ぬことで、神父により潰された玲愛の産道が復活してしまうので、ますます手詰まりな状態になってしまう。

つくづく主人公たちに不利なゲームだ。

何もできない自分に歯噛みする香純。この後、懊悩した末にする一つの決断はなんとも悲しいものに。

身動きがとれず打つ手もない司狼らに、水銀から1つ提案。

メ「観覧は昔からの、数少ない私の趣味だ。せっかくの戦場、君らも見物していくといい」

こ、こいつ......「ノゾキ」を「観覧」だなんて上品な言葉に置き換えやがって...さすが詐欺師。

 

 

創造位階に突入したベアトリス。そらもう速い。

雷は秒速30万キロなんていうもんだから、ホールで暴れまわるなんてとんでもないことだよ。

おまけに炎も銃撃も全て透過。

格上相手にここまでやれるのが螢とのレベルの違いか。

ついにエレオノーレを捉えはじめるも、驕ることはせず、

ベ「ここで私が喜んだら、どうせ馬鹿者とか言うんでしょう?」

エ「どうも貴様は、私を極度の嗜虐家だとでも思っている節があるが......」

 「そんなことはない」

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 「公正かつ冷静に見て、評価できるものには評価を惜しまん。辛辣に見えるのは、つまらん輩が多すぎるからだ」

その評価基準がまず辛口すぎませんかね姐さん...。

 

真に雷速に達したことにより、エレオノーレの創造“無限に広がる爆心”を実質封じたと嘯くベアトリス。

振るう剣もエレオノーレに通り、戦況は確実にベアトリス有利。

にも関わらず、エレ姐さんの余裕は崩れず、逆に静かに問いを投げる。

なぜ黒円卓に入団したのか、スワスチカに何を願ったのか。

死者の蘇生も黄金の戦奴も望んでいないのに、なぜ?

エ「命令だ、キルヒアイゼン。貴様が懐いていた望みを言うがいい。事によれば、叶えてやれるかもしれん」

叶えてあげようと言うあたり、やはり姐さんのベアトリスに対する想いは他とは別格だな。

そしてそんなベアトリスも、いやそれ以上に。

ベ「言ったはずです。私には敬愛する人がいると」

 「綺麗事は言いません。私もしょせん兵士(ひとごろし)です。死にたくないから殺してきたし......ええ、黄昏だろうとなんだろうとお付き合いいたしますよ」

憧れた人といっしょなら、永劫戦い続ける存在となっても構わなかった。

しかし回顧されるプロローグの一幕、ベルリン市民を生贄に捧げた時。

ベ「あなたの命令で、あの日のベルリンは地獄でしたよ」

  「あなたまでが、堕ちた」

 

 「だから——だから私が、望んだのは」

 「あなたを、ここから救いだすこと」

 「だから、ハイドリヒ卿を斃すんです」

十一年前は失敗したが、今度こそ道を照らす光にならんとするベアトリスの宣誓。その覚悟がすごい。

「いつまでも恋は盲目ってんじゃねえんだワン!目を覚ますんだワン!!」と道を誤った飼い主に意見を言える立派なワンコ。

しかしこれが最愛の飼い主の核地雷を踏むことに...。

 

エ「貴様は二つ、言ってはならんことを口にした」

い、いけない。エサ抜きなんてレベルの怒りじゃないぞこれは...。

・ラインハルトを誅する

・忠義=恋という指摘

特に後者がブチ切れ案件だった模様。

爆発する炎、流れる「Einherjar Rubedo」。

共に姐さんの苛烈さと激情を表すのに、これ以上ない舞台装置。

そして“広がる爆心”など余技に過ぎぬと、真なる剣を抜き放つ。

 

“彼ほど真実に誓いを守った者はなく”

“彼ほど誠実に契約を守った者もなく”

“彼ほど純粋に人を愛した者はいない”

“だが彼ほど 総ての誓いと総ての契約”

“総ての愛を裏切った者もまたいない”

“汝ら それが理解できるか”

“我を焦がすこの炎が 総ての穢れと総ての不浄を祓い清める”

“祓いを及ぼし 穢れを流し 溶かし解放して尊きものへ 至高の黄金として輝かせよう”

“すでに神々の黄昏は始まったゆえに”

“我はこの荘厳なるヴァルハラを燃やし尽くす者となる”

 

“Briah——

“焦熱世界・激痛の剣”

 Muspellzheimr Lævateinn

 

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その能力は“ドーラ戦車の砲身内に閉じ込め、迫る業火を浴びせる”というもの。

そもそも逃げる場所が存在しない、まさに“絶対必中”を体現した創造。

初めて見たときは「な、なるほどぉ~~」と思わず声が漏れてしまったよ。これならシュライバーも殺れそうだ。

出した時点で勝負が決まりなあたり、やっぱり三騎士は別格だな。

ベアトリスはこの時点でかなり消耗。それも抱えている魂は自分一人のもののみ。

死は免れない。しかし、それでも、

ベ「私は、あなたを救うんです」

 「あなたは強すぎて、厳しすぎて、純粋すぎて悲しすぎる。たった一人愛した人からも道具としてしか見なされず、自分自身の気持ちにさえ気付いていない。誰も近寄れない炎(ローゲ)、それを与えた槍(ヴォータン)、あなたこそが馬鹿娘(ブリュンヒルデ)だ!」

父ヴォータンの怒りに触れ、ローゲの炎の中で英雄を待つブリュンヒルデ

その炎を越えてみせると、ジークフリートたらんとするベアトリス。

誰よりもエレオノーレを知り敬愛しているからこそ紡がれる言葉の数々、「ワルキューレ」を絡めたこのあたりの啖呵は最高に熱い。

 

そして業火に飛び込む間際、

ベ「カール・クラフト!」

 「聞いているのでしょう、約束しなさい!」

 「これは騎士の戦いです。魔術師風情が、その決着に手を出すことなど許しません!」

 「見事、私がヴィッテンブルグ少佐を斃したら——

 「あなたの穢れた錬成(かいにゅう)を禁じます!返答はッ!?」

この一方的ともいえる契約に、

 

——Jawohl Fraulein Walküre——

 

承知したよ戦乙女、と激痛の剣内にも返答を響かせる規格外。ドイツ語でもウザいなコイツ。

普段人の人生狂わせてる分、こういう時のお願いは叶えてくれる神様。

全身全霊を以て、ベアトリスは駆ける。

ベ「一緒に還りましょう、ヴィッテンブルグ少佐。ヴァルキュリアでもザミエルでもなかったあの頃に」

 「きっとそこが、私達のヴァルハラなんです」

エ「抜かせ馬鹿者、貴様こそ——

 「今さら後戻りなど有り得ん。貴様が来い!」

ベ「私は死人で出来た道なんか照らしたくない!」

 

 

一緒に行こうって言ったり、おまえが来いって言ったり相思相愛なんてレベルじゃねえぞ...。戒兄さんがはいる隙ねえじゃねえか。

 

続き→「Dies irae ~Amantes amentes~」ChapterXⅢ 感想Ⅱ - ゆらりゆらりとゆらゆらと

 

 

 

出典元:www.light.gr.jp