「Dies irae ~Amantes amentes~」ChapterⅨ 感想
“わたしにとっての唯一無二は、きっとレンなんだと強く思う”
それぞれの思惑が交錯する病院戦。
リザとトリファの夫婦喧嘩でハラハラし、マリィの覚醒で胸が奮え、螢の残念さに頭を抱えるボリューミィな章。
「黒髪ロングはしっかりしたイメージ」を覆す螢はある意味偉大。
場所は教会地下。
トリファの姿が見えないことに警戒心を高める螢。「あいつを野放しはやばいだろ:(;゙゚'ω゚'):」ということで単身、代行補佐のリザの所へ。
螢から話を聞いたリザは、11年前の神父の暗躍を思い出す。『Verfaulen segen』で空気何もしなかったことを悔み、今度こそはと、リザは動くことを決意。
カインを起こし、螢と共に5つ目のスワスチカを取りに行く。
続いてマキナの回想。
といっても、覚えていることは戦場の苛烈さと自身の最期。断片的でありながらも「あれはもうこりごり_:(´ཀ`」 ∠):」と死の安息に至れたことに一安心。
しかし、人の人生を狂わせることに安心と信頼の実績を持つ蛇が、黙っているはずがなかった!!
メ「その身は終われぬ、私と同じく。この円環に乗っていると知ったが最後、君は何処にも辿り着けない」
蠱毒の死闘をくぐり抜けなお安息を与えられなかった男は、今度こそ終わりたいと願い終焉の渇望を抱く。
蓮はクラブから病院に運ばれた香純の下へ。
香純の容体や司狼たちの行方など、もろもろ抱え込んでメンタルギリギリ状態。
しかし屋上で黄昏ていたマリィを見て、幾分か気持ちがスッキリ(いいなぁ)。
しかもマリィは何をしてたかといえば、蓮たちとの日常を楽しみに、屋上の空気に慣れておこうとしていた...。なにそれ女神か?(女神だ)
もうほんと健気だし可愛いし優しいしおっぱいバインバインだし。最高だ、最高のヒロインだ。
そんな最高のヒロインのストーカー「メルクリウス」という存在に、蓮もいよいよ気にかかり、マリィに質問。
蓮「カリオストロってのは、どんな奴だ?」
マ「変な人」
マリィは、蓮と出会えた原因を作ってくれたことに感謝している。男として見られてないってことだぞ、聞いてんのか蛇おい。
と、いい感じでトークは進んだものの、蓮もマリィもお互いに「相手を戦場に付き合わせているのでは」という罪悪感があり、歯切れの悪い感じで会話は終了。
そのまましばらく待機していると、リザが軍服姿で登場。
ChapterⅡでの穏やかなやりとりもあって、蓮としては戦いたくない相手。
蓮「似合ってないですよ、その格好......」
「ここは通しません。諦めて帰ってください」
リ「あなたこそ、退く気はないの、藤井君」
「今すぐ綾瀬さんだけでも連れて逃げなさい。他は認められないけど、それだけは許してあげる」
「あなたにとって、他はどうでもいい相手でしょう」
どちらも不退転。かつ蓮からすれば、リザは玲愛の母親代わりということもあってなおさら止めたい。
その手を血で染めさせまいと奮起する......が、割ってはいる戦る気十分な残念ガールの姿が!!
螢「今は私と、一緒にいこう?年増趣味なわけでもないでしょう?」
あ~ウザいな、これはウザい。
絡み方が最悪だ。
螢は良いところと悪いところがマジで極端なんだよなぁ。自身のルートで見せた輝きが復活するのはもう少し先のこと。
螢の発言に蓮も不快感を露わに。さっさと斬り飛ばさんと意気込む。
だが螢も舐められっぱなしでたまるかと創造を発動。リザの仕事のし易さなど意に介さず、派手に爆炎を散らす(ー ー;)。
こんな螢の頭の悪さを嘆きつつ院内に入るリザ。
すると、なぜかそこには所在不明だった神父の姿が∑(゚Д゚)。
警戒しなくていいよ、と怪しさ満点の男が言ってくる恐怖よ...。
「オレらって同類じゃん?」と気安く近づいて来るも、リザはこれを否定。
リ「私はあなたが羨ましいし恐ろしい。あなたは私の理想に近すぎて、見ていると目が潰れそうになる」
「あなたみたいに、微塵も揺れない強さは欲しい。だけど要らない。私はこの自慰(かっとう)が、大事ものだと思っているから」
「それを乗り越えてしまったら、きっと本当に人じゃなくなる」
常に迷いと葛藤を抱え、そんな自分を肯定しているリザ。それが良いか悪いかは別として、確かに人間らしいね。
対して、その在りようを否定されたトリファ神父。これだけ面罵されればブログ主ならばとても立ち直れないが、“人”をやめてしまった神父はこんなことでは折れない。
父親は誰?
その一言でリザの足が止まる。
リザにとっては禁忌、そしてトリファにとっては確定させておきたい事項。
“イザーク兄弟の父親”
トリファは、自分の玲愛に対する愛がどこに起因しているのかハッキリさせたい。真に自分の気持ちなのか、それとも......。
動揺するリザに、神父は畳みかける。
おまえが逃したヨハンの血脈がここにいるぞ、と。
リザの根幹を揺るがしかねない痛烈な一撃。弁論で神父を敵にまわしてはいけない(震え)。
トリファは玲愛を救う(香純を捧げる)ことで自らの愛を証明したい。
リザは唯一愛せた息子ヨハン——その子孫を守りたい。
そしてついに、偽りの夫婦生活は終わりを迎えることに……。
リ「させない、絶対にそんなこと......あの子は生かすと私は決めたのッ!」
ト「では、テレジアは死ねと仰る?」
リ「そうよッ!」
越えちゃいけないラインをついに越えてしまった...。
この発言ほんとにショック(´;Д;`)。
玲愛があまりにもあんまりじゃないか。……むしろこれがあったからこその『神咒神威神楽』での行動だったのか 。
この発言を受け、トリファは容赦なくリザを非難。
ト「俗ですねえ。実に素晴らしき醜さだ。あなたはバビロン、やはりテレジアの母として相応しくない」
「いや、そもそも最初から、女であっても母親ではなかったということでしょうね。なぜならどちらも育てていない」
「産んで捨てるだけならば、そこらの雌犬でも可能なことだ」
......ホントに容赦がなかった。
「言われたら言い返す、倍返しだ!!」と半沢直樹リスペクトを感じる(気のせい)。
夫婦の仮面を剥がして出てきた言葉たちの、なんと冷たいことか。
トドメとばかりに、玲愛のためにここで死んどけとトリファ。
自分の心すら壊れてる奴に言われとうないわとリザ。
見ごたえ十分なのだが、胸が痛くなるなんとも複雑な一幕だった。
と、病院でそんなシリアスな展開が広げられる中、一人遊園地のスワスチカを開いていたヴィルヘルム。これほどスムーズに任務を達成させてるのが、ベイっていうのが最高に面白い。
そんな遊園地のスワスチカ開放を感じ取り、焦燥する蓮・煽る螢。
現状蓮より上の位階にあることもあってか、調子に乗り始めるアホの子。
香純が死んだらどうする?と、生者を優先する蓮の矜持をコケにしてくる。こうなった螢ちゃんはノンストップ。ユーザーの好感度なんか知るかとばかりに、香純が死んだことを前提に話をトントン進めていく。
終いにゃ、一緒に黄金錬成めざしてがんばろう、いっぱい殺そうよとトチ狂ったことを言ってくる始末。
どうです?この圧倒的メンヘラ感。螢ルート後の蓮の苦労が目に浮かびますよ...。
黄金による死者蘇生を安い取引だと嘯く螢。ここまでの身勝手な言い分とその考え方に、いよいよ蓮もブチ切れる。
蓮「人殺しが蘇生だ不死身だの図々しい。ゴミ屑いくら寄せ集めても、黄金になんかなるわけないんだ」
「おまえは、安い取引で好きなものの価値を下げてるんだよ!」
よく言ってくれた蓮。
“大切なものは地球とだって釣り合わない”
思い返される、香純ルートでも重要だったこのフレーズ。
1mmの隙もないこのド正論に「うるさいッ!」としか言い返せなくなった螢。
おまえが始めたレスバだろうによ...。
子どものように逆ギレし蓮に猛追。
もうやめてくれ...。これ以上螢の醜態なんてみとうない...。誰か、誰でもいいから螢を止め
エ「見苦しい。貴様の負けだ小娘」
ね、姐さ~~~~ん!!(涙)
よかった、みんなの姐御エレオノーレ姐さんが来てくれた。
一瞬で場を鎮めるその手管はさすがっす!
ただ螢をねじ伏せるのは少しやりすぎな気もするっす!
院内で争っていた夫婦も、姐さんの到来を感知。常に冷静なトリファも、この早すぎる参戦には舌を巻く。
しかし決断は一瞬。
ひとまず夫婦喧嘩は休戦して、香純は任せろとリザに提案。
言葉巧みに言いくるめようとするも、リザはこれをはねのける。「人であった時の輝きはもう無い」というリザの糾弾が手厳しい。
現状、リザにとって一番信用のおける相手は蓮。カインを監視として残し、屋上へ救援に向かう。
そんな、リザに一杯食わされた形になったトリファだったが……去り際のリザの言葉から、今のカインの中身が誰なのか看破!そして浮かべる悪い顔。
このルートのトリファはマジでただじゃ転ばない。
屋上では、幕をあげるザミエル教官の地獄のかわいがり。スワスチカはまだ4つしか開かれていないにも関わらず、その実力は蓮よりはるか高み。
だが、これ以上犠牲は出させないと奮闘する蓮のその立ち回りに、あの辛口な姐さんも称賛を贈る。螢ルートのベアトリス戦での評価云々のセリフはどうやら本当だったみたい。
しかし奮戦むなしく、病院を守るために極大の火砲をモロに受け、ついに蓮リタイア……。
“英雄”が大好きな姐さんは、蓮を認めつつも更なる期待を膨らませる。
エ「立ちたまえよ少年。勇者ならば無理を通せ」
「常識を超えて見ろ。無から振り絞れるものがその人間の真価だ」
言ってることが素でスパルタだ(´o`;。これにずっと付き合ってきたベアトリスってすげえんだなと、あらためて実感。
反応がない蓮の代わりに、庇うように割ってはいるのはマリィ。
同タイミングでリザも屋上へ到着。
女の戦いの予感ガタガタ; ガクガク。
それぞれがエレオノーレへ。
マリィは蓮に近づくなと警告。
螢は従順な犬宣言。
リザは、テメーは引っ込んでろやと喧嘩腰。
そんな各人に反応しつつ、リザを螢に任せ、姐さんはマリィに接近。
言葉は恭しく、だが続く行動は苛烈に。
エ「戦うとは何か、あなたは理解しているのか」
「血の何たるかを知っているのか」
かつて蓮がマリィに問うたこと。
その時のマリィは“心”を理解していなかったために、無機質な答えだったが今回は違う。
エレオノーレがマリィに触れる。結果首から派手に血しぶきを上げ、マリィはその様に恐怖。
続けてエレオノーレはマリィにも鬼の可愛がりを実行。殴られることで、マリィは初めて痛みを実感。蓮がこれまで背負ってきた覚悟と重圧を、ようやく思い知る。
ボコボコにされる中——マリィは“覚悟”を持って立ち上がる。
蓮のように強くなりたいと、今度は確たる意志の上でエレオノーレに触れようとするが——。
エ「お目覚めかね、気分はどうだ?」
蓮「......てめえ」
「なに俺の女ボコってんだ、殺すぞ」
...
......
スゥゥーーーーーーーーッ(大きく息を吸う音)
レーーーーーーーーーーーーンッ!!!!
主人公ォッーーーーーーーーーー!!!!
かっこいい!すごい!かっこいいいい!
俺の女だって!俺の女だって!!!
イヤッッほぉぉう!!やったあ!やったやったやったあ!
このシーンだけでお金を払う価値があったってもんよ。
必殺の瞬間を逃したと、ごちりながらも嬉しそうなマリィが最高に可愛い!!
そんなマリィの気持ちに気付かず、彼女を労わる蓮が最高に眩しい!!
あぁ祝おう、ここに神ゲーは約束された。
マ「ねえレン、一緒に戦おう」
蓮「え......?」
“驚いたような声。かわいい”
“だからもっと驚かせたい。喜ばせたい。あなたを私が幸せにしたい”
“わたしを抱きしめるレンの手が、ぼろぼろに焼け焦げてるのが許せない”
「わたしの男ボコってんじゃないわよ、誰にも渡さないんだから」
あっ——(ブログ主のキャパシティ崩壊)。
オレ、モウ、シンデモ、イイ。
マリィ、レン、コノフタリ、カミ。
カミガ、アラワレタ。カミガ、ゴコウリン、ナサレタ。
タタエヨー。カミヲ、タタエヨー。
はっ?!
いかんいかん、あまりの破壊力に精神をもってかれてたぜ...。
蓮&マリィvsエレオノーレが再び激しくなる中、一人残念な螢。病院もろとも吹き飛ばさんと着々と準備しているエレオノーレを尻目に、未だに指示に従いリザの足止め。
その見るに堪えない駒ぶりに、リザも嘆息。
そんなことしてるうちにエレオノーレの発射体制が完了。
全ての状況を動かすのは、リザ。
カインを屋上へ呼び、蓮を香純の病室まで叩き落す(すごいコントロールだ)。
次いでカインに螢を抱えさせ、病院から強制離脱させる。
蓮には逃げられ、場はかき回されるわで当然エレオノーレ姐さんは大憤怒。
消し炭にしたらぁ!と、照準をリザにロック。
玲愛に別れを告げるリザだが、その胸中は“母親としての愛”を確かに感じさせるものであり、トリファとのやりとりだけが全てではなかったのだなと少し安心。
リ「もう一度、さようなら。私の子供たち」
エ「さらばだ、戦友(アウフヴィーダーゼン・カメラード)。この腐れ縁がまだ続くなら、ヴァルハラで会おう」
“広がる爆心”を以てリザを滅却。
続けて爆心は、逃走中の蓮を捕捉。
逃げきれないと死がよぎるが、蓮と深く結びついたマリィがその渇望を拾いあげる。
マ「時間が止まればいい」
「時よ止まれ——ねえ、そうなんでしょ?」
発動する“美麗刹那・序曲”。
それでもなお追いすがらんとエレオノーレが火勢を増そうとしたところで
獲物を獲るなとマキナ参陣。
マキナのケツがすっげえ柔らかでヤバかったのか、エレオノーレもかっかした頭が冷える。
その冷えた頭で、倒壊した病院にトリファがいることを感知。
鼠ぶっ殺すと息巻く(っていうかいつも息巻いてんなこの人)も、マキナさんから冷静な一言。
マ「そんなことより、おまえは自分の首を心配しておけ」
マリィに触れたツケを後々払わされることになるエレオノーレ。果たして覚悟ができていなかったのはどちらだったのか...。
さて、珍しく行動が後手後手にまわっているトリファ神父。いよいよ後がなくなってきたか、敵である蓮へ同盟を持ちかける——。
キャラ雑感
リザ
敵、味方から偽善者やら雌犬やらさんざんな言われようだったシスター。
その心の闇をトリファによって露わにされてしまったが、よくよく考えたらトリファの闇のほうがよっぽど深いので一安心(安心?)。
けっきょく根っこが善性の人だから、早いうちに死んでしまうのがストーリー上悲しいところ。
この章で吐露した玲愛への愛情と罪悪感が、穢土に残留した理由につながっていると考えると、ますます泣けてくる。
ChapterⅩ Nigredo Albedo Rubedo→「Dies irae ~Amantes amentes~」ChapterⅩ 感想 - ゆらりゆらりとゆらゆらと