ゆらりゆらりとゆらゆらと

あたまの悪い男が、起こったことを忘れないためのボケ防止日記

「Dies irae ~Amantes amentes~」ChapterⅩ 感想

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“魔女の腹を裂いて現れたモノは、自らの手にある鎖を握りなおす”

“とぼけた声。およそ緊張感の欠如した、どこか酔っているようなノリはそのままに——

 

司狼信者のブログ主歓喜の第10章。

前章といい、今章といい、マリィルートは一章ごとの密度が濃すぎてやばいぜ。

 

 

遊園地でヒャッハー(虐殺)し終わったヴィルヘルムからスタート。

つつがなく任務達成したものの、当然こんなことでは渇きは癒えない。

その足は、愛しの敵手を奪った者の下へ。

 

 

教会では神に祈りを捧げる玲愛の姿が。

“天にまします我らの父よ 願わくは御名の尊まれんことを”

“彼らに永遠の安息を与え 絶えざる光もて照らしたまえ”

奏でる聖句の美しさに惹かれそうになるが、よくよく思い出してみると、この人前に「神様ぶん殴る」発言してたんだわ。

この無軌道っぷりが、らしいっちゃらしいが(笑)。

 

しかしそんな先輩の胸中は笑っていいような状態にあらず。

スワスチカが開かれるたびに訪れる痛みと死への恐怖。

蓮と出会い、生きることの充足感を知ってしまったあまり、死へ近づいていく現状が玲愛の心を追い詰める。

十代の女子高生が背負うには、あまりに重すぎる十字架。

あらためて黒円卓が許せなくなるな。

そんな中さらに玲愛を苦しめる事態——病院のスワスチカが開かれる。

リザが散ったことを知覚。しかし蓮が生き残ったことに安堵。

そのリザへ対する罪悪感がますます玲愛の心を圧迫することに。

そんな最悪のタイミングで、弱ってる奴をいたぶるのが三度の飯より大好きな女・ルサルカ登場。

玩具を見つけたとばかりに、玲愛に絡みだす。 

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この対比がなんだか好き。

さながら魔女と聖女。

リザの過去や玲愛の残り時間を引き合いに、ペラペラペラペラと煽っていくルサルカ。

何でも知ってるような口ぶりのクセに、玲愛の曽祖父がヒムラーだと思ってるあたりが実に滑稽だ。

そんな性悪女の悪口に、黙っているような先輩でもない。

玲「百年?二百年?あなたは何年生きてきたのよ。限界が近づいて、私に頼らないと死んでしまいそうなくらい怯えているくせに」

 「副首領(メルクリウス)の領域には、どう足掻いても届かなかったくせに

大好きだったリザを侮辱されたゆえ、本気の意趣返し。

とはいえさすがはトリファの娘だ。

指摘する言葉がことごとく魔女のコンプレックスを突いてやがる。

そして“ラインハルトは総てを呑みこむ”とトドメの一言。

同時に、ドアを開けて入ってくるのはヴィルヘルム。

場はますますカオスなことに。

 

常に殺気全開のベイが、まったくその気配を出していないことに訝しみ警戒モードに入るルサルカ。

イカベイ」や「Verfaulen segen」から仲の良さを見てきた身としては、この2人の緊張感のあるやりとりは新鮮でおもしろい。

しかしベイにとっては女友達などとは露ほども思ってなかったご様子。

奪われた怒りを発露していく。

ヴ「俺にとっちゃあ、男も女も二つに一つだ。そそるか、それともそそらないか、てめえじゃそそらねえよマレウス」

 「守備範囲外なんで放置してりゃあ調子くれて俺の餌ァ攫うなんざ舐めた真似こきやがってよォッ!」

怒ってるときのヤンキー口調たまんねえぜ(笑)。

しかしここまで激昂しているのにも関わらず殺傷の意思はみせず。

“何か”を期待しているベイ。攻撃はせず、しかし「死ね」と断言。

バカの意味不明さと挑発に、いよいよルサルカもブチ切れ。

おまえこそ死んどけやと、日記をとりだそうとしたその時——。

 

司「——待てよ」

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キ、キターーーーーーーーー!!

ルサルカの腹を引き裂き、中から現れたのはキムタクベイの想い人・遊佐司狼。

聖遺物を強奪し威風堂々と構える。

その姿に、宿業を乗り越えたと過去最高級の笑顔と賛辞を贈る吸血鬼。

ヴ「やる、やるねえ!まさか本当にこうなるとは恐れ入ったぜ、大したもんだ。なあおい、クソガキ、聞かせろよ。てめえ自信はどれだけあった?」

あぁ、ヴィルヘルムが嬉しそうで見てるこっちも楽しくなってきたぜ。

香純ルートでは実現しなかった、聖遺物有りでの司狼vsベイ。

ワクワクが押し寄せてくっゾ!!!

 

曰く“蓮より様になっている”という司狼の形成。

日記の試運転を兼ねてベイの攻撃をさばいていく。

ヴィルヘルムのべた褒めが止まらない!

司「今夜は随分しゃべるな、おまえ」

ヴ「いいじゃねえか、語らせろよ。こんな気分は久々なんだ。狙った野郎と殺り合えるのは、俺の人生的に珍しい」

 「楽しもうや、てめえ全力を搾り出せ。俺を退屈させんじゃねえぞ」

親友みたいなテンションでまくしたてるヴィルヘルムがやばい(笑)。

これを見るに、ベイの「因縁の相手」はシュライバーだが「好敵手」はやはり司狼だと思う。

しかしなぁ...これだけヒャッハーしてるところをみると、あらためて戦争奴隷適正MAXなんだなコイツ。創造さえ違えば城に上がれたろうに...。

 

日記の特性を把握していく司狼。

そんな彼の望みは一つ“未知”。

ならば敗北という未知を与えてやらんと、猛る吸血鬼は不死の夜を展開する。

 

“かつて何処かで そしてこれほど幸福だったことがあるだろうか”

“あなたは素晴らしい 掛け値なしに素晴らしい しかしそれは誰も知らず また誰も気付かない”

“幼い私は まだあなたを知らなかった”

“いったい私は誰なのだろう いったいどうして 私はあなたの許に来たのだろう”

“もし私が騎士にあるまじき者ならば このまま死んでしまいたい”

“何よりも幸福なこの瞬間——

“私は死しても 決して忘れはしないだろうから”

——ゆえに恋人よ 枯れ落ちろ”

“死骸を晒せ”

“何かが訪れ 何かが起こった 私はあなたに問いを投げたい”

“本当にこれでよいのか 私は何か過ちを犯していないか”

“恋人よ 私はあなただけを見 あなただけを感じよう”

“私の愛で朽ちるあなたを 私だけが知っているから”

——ゆえに恋人よ 枯れ落ちろ”

 

“Briah——

“死森の薔薇騎士”

 Der Rosenkavalier Schwarzwald

 

 

詠唱長えよ!!

流出組より長えじゃねえか!なんだこの好待遇は?!

そして何よりかっこいいのが腹立つ。

“耽美”という単語がこれでもかってくらいピッタリ。

ちくしょうベイのクセに!非モテのクセに!!

 

対する司狼は、現時点では形成が限界(十分すごいが)。

地力の差で押されていく。

だがそこはやはりトリックスター

ヴィルヘルムを盛り下げるどころか、テンションを爆上げさせる提案をひとつ。

手札となる12個の拷問具、これらを同時に展開し、

司「ケリ着けようぜ、なあ」

 「この中の一つでも潰し損ねたらおまえの負けだぜ。まさか逃げねえよな、中尉殿?」

ヴ「——面白ェなァッ!」

 「ああ、ああいいぜ。受けてやらァ!ガキの遊びにゃ付き合ってやるのが、大人の......余裕ってもんだからよォ」

大人どころか子どものように大はしゃぎして喜ぶベイ。

笑いすぎて声優さんの喉が心配になってくるレベル。

 

ベイのテンションに比例して強くなる薔薇の夜。

礼拝堂では瀕死だったルサルカさんがますます危機に!(というかよく生きてるな)

玲愛も衰弱。

ここで自分が死ねば全て丸く収まるのでは?とあろうことか死を想ってしまうことに。

出陣の条件が揃い、城からシュライバーがルサルカの腹の上に参陣。

よりにもよってなんでそんな所に...。殺意MAXかよ(笑)。

そんなボロクソな扱いを受けている魔女へ、白騎士はトドメと言わんばかりに黄金錬成の真実を告げる。

f:id:yurayura3:20200312203039j:plain>もうやめて!とっくにルサルカのライフはゼロよ!

 

しかしルサルカ本人はまだ諦めず。

“まだ、絶望などしていない。そんなものは凡愚の業だ”

“真の天才とは、才能の煌めきでも積み上げた努力でもない”

“運......それも土壇場での運!ツイてないと思った時に、一瞬だけ訪れる幸運に手を伸ばせるかどうか”

魔女となった時の教訓か、一発逆転を懸け自称天才ルサルカ最後の謀略。

自身へ“全力でシュライバーを愛せ!”と暗示。

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真に迫る愛の告白に、シュライバー陥・落。

条件は全てクリアされた!(ゼロ風)

これでルサルカは救われ

シ「ああ、ああ——アンナありがとうッ!」

 「君の仇は僕が絶対、この手で討ってあげるからね!」

 「アハ、アハハ、アハハハハハハハハハハハァ——ッ!」

“恋人の復讐”というお題目を手に入れたシュライバー。

殺しの理由ができた喜びに奮え、凶獣は仇敵の下へ。

玲愛が空気だ。

 

 

場面は再び司狼vsベイへ。

12個全ての刑具を破壊、司狼の身体を貫くベイ。

楽しかったと満面の笑みで勝利を宣言。

——が、

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“12個”は司狼のブラフ。

本命は腹に仕込んでいたアイアンメイデン。

ベイの腕を食い千切り、続けざまに弾丸をお見舞い。

普通ならこの必殺コンボで仕合終了間違いないのだが、現世組は本当にどいつもこいつもしぶとい。

決着はここからだと再度構えるヴィルヘルム。恍惚とした表情で在りし日の初恋を思い出す。

ヴ「さあ、続けようぜ。まだ終わりじゃねえ......アタマかっ飛ぶまで殺り合うとよ、見えてくるものがあるんだよ」

 「あれはよぉ、いつだったかな......ワルシャワの火は綺麗だったぜ。思えばアレが、俺にとっちゃ初めての......」

 

シ「見苦しいなぁ、いい加減邪魔だから消えちゃってよ」

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回想なんて入らせねえぞとシュライバーの横槍。

まあこの回想あまりにも長すぎるからな。

というか「Acta est Fabula」プレイ時はまさかここのフラグ回収するなんて思いもしなかったよ。

 

ベイの死により教会のスワスチカ開放。

シュライバーはニコニコと司狼に絡みだす。

その右手には上半身だけのルサルカ...。

助けてと懇願する魔女に顔面パンチをお見舞いし、よくもボクの彼女をこんなにしたな許さない殺す宣言。

ん、んん?

なんか書いててよく分からなくなってきたな...。何言ってんだろうコイツ?

司狼もアホの相手が終わったら更なるアホが出てきて大変だ。マジで同情するよ。

シュライバーの勝手な発言に付き合いきれず司狼は帰宅、ルサルカはなおも救いを求める。

誰も言うことを聞いてくれず、アホの子はついに癇癪。

シ「なんだここは、馬鹿ばっかりか!シャンバラには馬鹿しかいないのかよお!」

 「僕が助けるわけないだろっ。これはさあ!敵討ちなんだよ!いい?分かる?か・た・き・う・ちっ!君が生きてたら、あいつはカタキにならないだろおぉぉォッ?ねえ、分かってんのォッ?」

......やばすぎる。

圧倒的なまでのサイコパスな考え方で怖すぎ。

中の人の怪演もあいまって、ここのシュライバーは単純に恐ろしい。

神咒で丸くなったのが不思議でならないぜ。

 

いろんな意味でヤバい奴登場し、めまいを覚える帰り道。

上空を横切るカイン&螢を捉え、司狼の足は方向転換。

 

 

キャラ雑感

ルサルカ

弱いものイジメしてたら、いつの間にか弱いものイジメされてた憐れな魔女。

司狼がでてきたぐらいのところはまだ「ざまぁwww」と笑えたが、さすがにシュライバー登場からは可哀想すぎて笑えませんよ神。

敗因はおおよそ司狼にあるもんだが、第六・第七天の世界では仲良くやってるようでなにより。まさか神咒アフターでおまえらがセット登場とは、組み合わせ的に予想できたもののやはりビックリだったよ。

地星の真の輝きが見れるのは次ルートよ!

 

ヴィルヘルム

もはやギャグの域まで昇華されたその宿業。

今ルートもいいところまでいったものの、よりにもよって最悪の相手に奪われる結果に。

続く第六天の世界で転生するも、天魔・血染花の出番もまた奪われる。なんだこの救われなさは...。

こいつも次ルートでおいしい活躍が用意されてるので、正田卿のお気に入りであることがよくよく察せられる。

 

三騎士がいよいよその姿と脅威をみせてきたマリィルート。

リザはエレオノーレに、ルサルカとヴィルヘルムはシュライバーに、と最初の脅威だった現世組が次々大隊長によって葬られていくのは敵ながら何ともいえないものがある。

残った神父。次章ではその執念の足掻きが。

 

 

ChapterⅪ Ghetto der Ewigkeit→「Dies irae ~Amantes amentes~」ChapterⅪ 感想 - ゆらりゆらりとゆらゆらと

 

 

 

出典元:www.light.gr.jp