
“今度はまた、百年後にでも......”
“ええ。桜咲く千信館で逢いましょう”
仕事が激動に忙しく、ブログの更新を2年近く怠ってしまいました。
そんな中でも、こんなクソブログを見てくれる方がいたことに感謝の念を禁じえませんm(__)m
物語は佳境。ラスボスを前にした前哨戦の数々に、多くのドラマが(´;ω;`)。
いよいよ、関東大震災当日。
着々とウォーミングアップをはかる、震災の象徴・空亡。
すでに出力は鈴子ルートを凌駕しているというのだからヤバい((((;゚Д゚))))。
まず前震として幕下の凶行陣・百鬼夜行が進軍!
迎え撃つのは......

おまえかいっ!!
四四八から眷属を外されているため、破段含めた夢の力はすべて使用不可。
......が、“護国”という大義と、修めた技を揮えるという理由から、本人のボルテージは最高潮。素の身体で妖どもを屠っていくのだから、こっちも十分やばい。童貞の底力か......。
まぁ当たり前だが結局数の暴力に飲み込まれて絶命してしまったものの、最期は笑って逝ったのだから、ある意味一番の勝ち組だったかもしれないおじいちゃんでした。
視点は戦真館サイド、まずは鳴滝。
再三訪れる辰宮邸。
百合香への想いを自覚したこともあって、どこか自嘲的。
現実でのファーストコンタクトの日を思い出し、
“初めから妙に気に食わない女だった”
“苛立たせる女だった”
しかし、その上で
鳴「俺は、百合香(あいつ)に惚れている......他の誰にも渡したくねえんだ」
こいつもほとほと厄介な性格だ(笑)。
さらに、思いの矛先は恋敵にも向けられる。
辿り着いた主賓室では、百合香に刃を向けている幽雫くんの姿が( ゚Д゚)。もはや殺すことでしか自身の愛を証明できなくなってしまった、哀しき家令。その光景を目にし、すぐさま飛び掛かる鳴滝!
ここに始まる、前ルートからの決戦の続き。野郎2人が真剣に相対しているのに、肝心のお嬢様が変わらず惚けていて、いよいよどうしようもない(ノ∀`)。
さらにさらに視点は変わり、今度は我らがアイドル・キーラちゃん。
彼女の血塗られた背景......ロシア帝国の復興を目論むマッドな父親がすべての原因。野望のため、娘を超人へと改造していったわけだが......
キ「やめて!やめて!お願いどうかお父様!」
「それは私の手じゃないの。それは私の足とは違うものなの。切り刻まれるのは痛いの。縫い合わされるのは苦しいの」
「だからお願い、いい子になるから......わたしに誰かを繋げないで!」
セージとは別ベクトルでやべえ親父だ......。
キーラちゃんにとってさらに不幸だったのが、生まれ持って備わっていた“金の魔眼”。これにより、「他者と物理的に繋がる」という摩訶不思議がまかり通り、軒並み彼女の身体に。
そのことを知った父親はさらに狂気を加速!人間だけでなく、獣すら彼女につなげてしまう......。
そんな過去の風景を振り返り、原点に立ち帰ったロリサンタも出陣!
戦真館で待ち構えていた鈴子&夜叉を急襲。そしていよいよ露わになる、彼女の真の姿。

兵隊3千人とつながった威容は、まさに大怪獣。
そんなどこもかしこもクライマックスな中、空中デートにしゃれこんでいるのは栄光&野枝カップル。
この2人のトークは全部が全力投球なため、いちいちブログ主のメンタルを削ってくるんよ。
邯鄲での周回を回顧し栄光がまず口にするのは、謝罪。
栄「いつもいつも、会うたび忘れちまっててさ。馬鹿みたいだったろオレ」
「でも、今度は約束を守ったぜ。だから、オレはもう絶対に忘れねえ。百万回生まれ変わっても、君のことが好きだってさ」
「夢の中で夢に融けて、この時代の人間だったことすら忘れちまってたオレだけど......野枝さんへの、この気持ちだけは忘れてなかった」
「それがオレの......馬鹿で間抜けで頼りない、オレのたった一つの誇りなんだ」
その後のトークの主導権は完全に野枝。めちゃくちゃ尻に敷かれまくってるわけだが、このカップルはこれ以上ないくらいこの形が似合ってる( *´艸`)。
さらに、そんな野枝がときたまみせるデレが破壊力満点でやばい。なんだかんだ栄光のこと大好きなのが伝わってきて、ブログ主の心が保たない(笑)。
もうぶっちゃけ一生ノロけていてほしい。
......のだが、状況がそれを許さない。突き進んだ2人は、いよいよ空亡のテリトリーに突入。
垂れ流される破壊の余波を、キャンセルしつつ前進。空亡がもたらす暴威は“宇宙規模”と地の文でもお墨付き(;´Д`)。
本格的に始まる栄光・野枝vs空亡。
キャンセル能力に長けた2人。しかし空亡のデタラメな力の前には歯が立たず。戦況は一方的なんて言葉すら生温いほど悲惨。
それでも、血だるまになりながら2人は前進を止めない。この辺りの描写は本当に熱くて、古参の爪牙たちも大勢昂ったはず。
――が現実は甘くない。夫婦を嘲笑うかのように、ついに訪れる刻限。関東大震災、本震襲来。
これぞ空亡の真価。日本の歴史の中でも類を見ないほどの死者&行方不明者を出した、忌むべき大災害現出。
来るゲームオーバー。その圧倒的暴威に、瞬く間に塵となって消える栄光&野枝。
絶望の渦中、ようやく仲間たちに出番がまわってくる!
“あなたが私を疑っても、私は何も隠さない――あなたが大切な人だから”
“急段、顕象――”
“犬川荘助――義任ォォ!”
回復完全特化の晶の急段。それに被せるように四四八も破段“犬山道節忠与”/“犬田子文吾悌順” を同時発動。治癒+鎮魂+意識共有という、今までの技全部乗せ。空亡の被害を端から修復していく。
さらに畳み掛けるように、高徳院でスタンバっていたのは歩美と狩摩。
ハブかれたと思っていた勝負師にもきっちり出番を回してくるあたり、本当にクライマックスなんだと感じさせる(; ・`д・´)。
“我、ここにあり。倶に天を戴かざる智の銃丸を受けてみよ”
“急段、顕象――”
“犬坂毛野――胤智!”
狩摩ルート以来の歩美の急段。想いを乗せた弾丸が、時間を超えて空亡の暴風圏に突き刺さる!
同時に、粉微塵とされた栄光&野枝が、晶の急段により復活。眼前の空亡を捉える。
龍神が物語当初からずっと求めてきたモノ――極上の贄。
栄光と野枝が差し出すそれは――
“急段、顕象――”
栄「オレがおまえに捧げるものは――」
野「私があなたに捧げるものは――」
「彼女を好きだという心だ!」
「彼を好きだという心だ!」
自分の命よりも重い、最も大切なもの。それはお互いを思う心。これまでの思い出はもちろん、これから訪れるであろう幸せな未来すらも2人は差し出した。
作品の枠を超えて体現されたOmnia vincit amor。さしもの龍神もこの供物にケチなどつけられず。真実の姿を取り戻し、凶将陣もろとも消え失せる。
栄「また、逢えるかな」
野「ええ、きっと」
未来を捧げた2人が、未来で再会を誓い合う。
大金星を挙げたこの夫婦に、幸せをあげるのは作者として絶対の義務じゃねえか正田?
ところ変わって、視点は鈴子・夜叉vsキーラ。こちらも激化。
“急段、顕象――”
“急段、顕象――”
“鋼牙機甲獣化帝国ァァ!”
“犬村大角――礼儀ッ!”
両者急段発動。
人外と自認することで発動するキーラ、人外と自認させることで発動する鈴子。協力強制が噛み合いすぎ......というかお互いのためにあったんじゃないかと思えるような急段条件。要は似た者同士ってことで、受け入れる鈴子と否定するキーラちゃんの対比がおもしろい。
急段ということもあって、為される効果は強力。
鈴子は自身のルートでお披露目済み、対象の強制排除。
一方初お披露目になるキーラちゃん。本来の姿である、姉妹・兵隊とのドッキング状態になることでシンプルに膂力が向上。つまり筋肉バカ。
「筋肉は裏切らない」という名言通り、鈴子の必殺の刃が薄皮を斬るレベルに落とされる。聳え立つ圧倒的質量差。亡き父へ、「もう繋げないで」とむせび泣きながら暴れるキーラちゃんを見ていると、なんとも苦しい気持ちになる(;´д`)
苦戦を強いられる中、夜叉も致命の一撃を浴び、絶体絶命。それでも、鈴子が掲げるのはかつてと同じ、
鈴「我も人、彼も人」
「だから、そのためにこいつは消す――それが私の戦の真よッ!」
そんなタイミングで、幸か不幸か空亡の本域――関東大震災が到来。
甚大な被害が皆を襲うが、一番ヤバいのがキーラちゃん!
なにせシンプルに身体がでかいものだから、来る災害をモロに浴び続ける事態に。ってか展開が5章をなぞり過ぎていて、いよいよ正田も性癖を隠さなくなったなとブログ主も呆気にとられる始末......。
鈴子たちに訪れる漁夫の利的勝利――だが甘粕に認められ、作者に(歪んだ)愛を受けた少女は、このまま終わることを拒絶!

キ「恨みます、お父様」
父と作者への怨嗟を引き金に、キーラちゃん最終進化を開始!
兵や姉妹たちと真実ひとつになることで、空亡に並ぶ廃神へと手をかける。
ここに新生を果たすキーラ......しかし作者の歪んだ愛はとどまることを知らない!!
直後に訪れるのは、街や人を癒そうとする晶の急段。相手を選ばないため当然キーラにも発現するのだが、引きおこる事態は聖十郎と同じ過回復。
キーラの望み、なぜ盧生になろうとしたのか――その答えはいたってシンプル元の身体に戻りたかったから。自分のためだけでなく、繋がれてしまった姉妹や家族同然の兵たちのために。
そんな思いがあるゆえに、晶の急段に身体が激しく反応してしまう。どこまでも不憫だ......。
崩壊していく彼女へ、鈴子トドメの犬村大角。今度こそ完全勝利を果たす。
キャラ雑感
空亡
怪獣その1。
作中で最大の脅威を担ったわけだが、その正体は自然災害というのは非常に納得。
栄光と野枝夫婦の引き立て役として、良いキャラだったんじゃないでしょうか。ってかこれ以上あんま語ることがない......。
キーラ
怪獣その2。
正田作品の中でも上位に食い込んできそうなビジュ。......しかし属性がロリということが最大の悲劇だったわけで。
出番的にはそこそこ多いものの、マッチング相手が格下か格上の2択なため、ほぼ蹂躙するかされるかのシーンばかり。
オマケにバックボーンも悲惨と来たため、彼女には多くの同情票が集まったのでは?
次作でいろいろはっちゃけられたのが、せめてもの救いか。
続き→『相州戦神館學園 八命陣』水希ルート第九話 感想・弐 - ゆらりゆらりとゆらゆらと