ゆらりゆらりとゆらゆらと

あたまの悪い男が、起こったことを忘れないためのボケ防止日記

『相州戦神館學園 八命陣』鈴子ルート第七話 感想

“わたくしの欲しいものは、いつも手に入らない” 

“誰も彼も、みんな死んでしまえばいいのに” 

 

 

物語の全容が明らかになっていく鈴子ルートがスタート。 

ラスボスも本格的に絡んでくる内容になっているため、盛り上がり方が尋常じゃない。 

というかサブキャラたちが目立ちすぎて、ヒロインが息してない。

 

 

 

 

 

鈴子のモノローグ。

戦真館の前衛として、刃を振るってきた彼女。

前話でも多くの鋼牙兵を屠ったわけだが......その胸中は虚無

人を殺めたことによる呵責の念や罪悪感といったものが一切湧かない。機械的に殺人を行えてしまう自分自身に、戸惑いを隠せない。

四四八がたびたび口にする“我も人、彼も人”——そんな彼の矜持に反しているようで、一人思い悩む。

 

 

 

そうして本編。

鈴子が目覚めると、そこは旅館の廊下。

現実に帰ってこれたわけだが......あの惨禍から戻ってこれたことに理解ができない。

さらに、隣で一向に目覚めない四四八が、鈴子の不安を募らせる。

 

 

司令塔を失った形になり一同困惑。

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完膚なきまでに敗北したこともあって、おもいっきりお通夜状態。

が、こんなときに頼りになるのが歩美さん。重苦しい雰囲気を一蹴!

歩「ぶっちゃけると全員ダメダメ。誰がどう悪かったなんて話じゃないし、そういう次元の問題じゃないから、これもうやめよ?」

 「てゆーか、蟻の集団が狼に負けたの反省しても不毛だって。そりゃ蹴散らされちゃうよ、うん」

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みんなで反省会。

振り返ってみるに、そもそも辰宮勢を信じすぎたことがそもそもの失策。与えられた情報をすべて鵜呑みにしてしまった。それも、しっかり者の四四八でさえ手玉に取られていたことから、何かの術中にハマっていたことが疑われる。

というわけで、唯一百合香に反感を抱いていた鳴滝に注目が集まる。

 

 

 

 

視点はそんな問題の辰宮嬢へ。 

流れるBGM「青薔薇の君」の妖しさはホント異常だな。正田作品を至高たらしめてるのは、与猶啓至神がいてこそだって再認識よ。 

現在辰宮の領域はなんと第七層。最下層一歩手前の快挙だが、戦真館含めた各勢力から狙われる立場にもなってしまったため、危険も危険。 

肝心の百合香はこの状況を楽しんでいる。こうなってくると大変なのはやっぱり幽雫くん。主の意向には逆らえず、されど全力で守らねばならない。 

そして悲惨なのが、お嬢様はそんな恭しい家令に対して何も期待していない。 

盲目的に従う優男など興味ナシ。彼女の理想の男性像とは 

百「わたくしは男らしい人が好き。厳つい顔に、巌のような強く逞しい体躯(カラダ)。そこに目上の者へも屈さぬ気概を見せつけられたら、それはもう」 

己の世界を壊してくれる益荒男。恋するお姫様が望むのは白馬の王子なんかではなく、気骨溢れる偉丈夫。 

なにもかも幽雫くんとは正反対。完璧十全な執事は、百合香の命なら何でも応える。 

そして屈辱の足舐めタイム。命令に対してすぐさま実行に移した幽雫くんに、ますます不満が募るお嬢様。 

あらん限りの罵倒を浴びせるも、幽雫くんの鉄面皮はくずれない。ほんとうにマゾなのかもしれない。 

 

百「答えなさい、宗冬」 

 「わたくしが死んだら、おまえも死ぬのね?」 

 

百合香の本音は拒絶されることを望んでいる。予定調和な展開は、彼女にとって絶望そのもの。 

しかし......幽雫くんの答えは決まってYES。 

百合香嬢の諦観は加速していく——。 

 

 

 

 

 

 

千信館の面々は修学旅行を早退。鎌倉へ帰省。

四四八は我堂家で預かることに。

ここまでの過程や、冒頭で独白した自身の悩みなど、ストレスがマッハな鈴子。頼みの四四八は眠り姫状態。

鈴子の唇は自然と彼の顔に近づき——

 

 

 

鳴「うわ......おまっ、やめてやれよなそういうの」

 「引くわ」

 

 

 

“時よ止まれ、時よ止まれ。この刹那を永遠に” 

 

滅尽滅相、誓うぞ誰も生かして帰さない。

 

 

全霊の攻防を終えた二人。

息を整え、今後の方策を考えようとしたところで、とんでもない乱入者が。

現実世界に聖十郎顕現。

彼にしてみても、四四八には一刻も早く盧生となってほしいため、今の展開は不本意

よって、何もわからない千信館へ助け舟を。

聖「四四八(それ)に起こっている事態はな、蒙昧な辰宮の娘と接続が強化されたというだけの結果にすぎん。ゆえにさっさと同調を切れ、さもなくば第七層(ハツォル)で死ぬぞ。あの女は傾城だ。近づく者に破滅をもたらす蟻地獄よ」

 「ゆえに、おまえたちは今後、百合香(あれ)に引かれて七層(ハツォル)へ落ちる。辰宮本来の領域にして、邯鄲を構成する中で最大の激戦区へ」

 「何せあの場は百鬼空亡、邪龍の巣でもあるのだから。人形で遊ぶのにも飽きた頃、新たな玩具を求めていようよ」 

 

さらに続けて 

 

聖「おまえたちは、ただ黙して遂行すればいい。夢を重ねて終へ至り、この夢界(カナン)を早く抜けろ。業腹だが、奴もそれを望んでいる」

鈴「奴......?」

聖「先駆者だ。もっとも、あれは単独で成し遂げたがな。俺やおまえたちのように、群体構造をしてはいない」

 

このあたりは晶ルートと合わせることでよく分かりますね。

言いたいことだけササっと告げて、聖十郎は退散。このルートでの出番は終了。

 

 

仲間たちを呼び、聖十郎の話をみんなへ伝える。

そしてようやく鳴滝から辰宮の話が。

彼視点で語られる、第四層での辰宮勢との接触

伊藤野枝に誘われ、成り行きのまま辰宮邸へ。警戒してしかるべき展開のはずなのに、なぜか鳴滝以外の面々は心を許してしまっている。そして同調圧力の凄まじさから、鳴滝はそのことを口にできなかった。そのまま百合香本人と対面してしまったことにより、完全に彼女の思うままとなってしまった。

 

そんな反省を踏まえた上で、鳴滝は臨時のリーダーを据えることを提案。そして彼の推薦は鈴子。

鳴「こういう時くらいシャキっとしろよ。あいつのライバル自称すんなら、腕の見せ所じゃねえか鈴子」

晶「別に四四八ほどやれとか、そんな無茶振りしねえからさ」

歩「フォローはお任せ」

水「うん。だからみんなで、柊くんを取り戻しましょう」

栄「よろしく頼むぜ、新リーダー」

全会一致、こうなったときの千信館は熱いぜ( `ー´)ノ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

が、幕間はそんな希望を吹き飛ばす絶望・百鬼空亡のターン。

起源は風水における龍脈

日本は古来より風水に基づいて土地や建物を建造しており、人々の生活に密接に関わってきた。

ところが文明開化が進むと、それら非科学は否定され亡きものとされていく。

そうしてかつて崇められてきたさまざまなモノたちの神聖性は失われ、タタリへと堕ちていった。その最上が百鬼空亡。

——そして現在、第七層鶴岡八幡宮にて、空亡vs怪士

歩美ルートで猛威をみせたご自慢の殺人拳も、相手が龍神ではただの徒労。あっという間に惨殺。殺しの機会すら与えられずムリゲーを強いられた殺人童貞、さすがに今回ばかりは同情せざるを得ない(;´Д`)。

そんな部下の死に、なんの感慨も抱かない頭領・壇狩摩。風水学の権威である彼からすれば、そもそも「空亡を倒す」なんてのは夢のまた夢だと承知済み。荒魂を御す常套手段としては“畏敬と奉納”なのだが、狩摩にそんな殊勝な心掛けは皆無(笑)。

よって現状手詰まり。さらに狩摩は全力を封じられている。四四八を百合香から奪還できたことが、唯一彼に出来た抵抗策。

このルートにおいて、もはや狩摩は退場するしかないのだが......

 

狩「やっぱりいかん。退屈じゃの。それじゃあ面白くなかろうが」

 「せっかくの夢、これもええ機会よ。この際とことん、本番前に遊んでみるのも一興じゃろうが」

 「男じゃけえのォ、見栄ェ張らんで何のための生き様なんなら。おら来いやァ!」 

 

前ルートで散々目立ったくせに、今ルートでも出しゃばることを宣言!トリックスター的立ち位置の彼が立つと、やはり盛上がる(∩´∀`)∩ 

 

というわけで、態勢を整えるため夜叉を生贄とし一旦退散。 

戦真館と組んで事態の打破を目論む。 

残った配下、泥眼もついに外装を脱ぐ。 

 

 

さあさあいよいよ役者が出そろってきました(^o^)。

 

 

第8話→『相州戦神館學園 八命陣』鈴子ルート第八話 感想 - ゆらりゆらりとゆらゆらと

 

 

 

出典元:www.light.gr.jp