「Dies irae ~Amantes amentes~」ChapterⅧ 感想
“ゆえに単純な話だ。藤井蓮は氷室玲愛を救わねばならない”
“俺が俺であるために、このふざけた呪縛を断たねばならない”
玲愛の黒円卓狩りが始まる第8章。
しかしながら、自分のルート以上に流暢にしゃべるマリィの演技に違和感が……。
収録に間があったからか、中の人である榊原ゆいさんはマリィの演技を忘れてしまったのだろうか。
空白期間の要因"怒りの日事件"の罪が、こんな形で出てくるとは。
教会から駆け出した玲愛は偶然か、螢と接触。
玲愛さん、最初のターゲットが決定。
ルサルカは玲愛の遣いとして、蓮のところへ。
クラブへ戻るか、玲愛の下へ行くかの2択を迫られる蓮。
悩んだ末後者を選ぶも、黄金との邂逅により変化著しいマリィは、蓮へその真意を訪ねる。
マ「ねえ、レンはカスミたちを放っておくんだよね。それってつまり、大事だから?」
「わたしはそんな風に気を遣われたら、なんか嫌だなって思うよ」
「カスミたちは駄目だけど、わたしはいいっていう、違いは何?」
以前までのマリィからは考えられないような質問の内容。
マリィの心の成長の速さが喜ばしい一方、流れる「Mors Certa」が不穏すぎて嫌でも蓮の選択ミスが強調される。
マ「ちょっと、不思議だっただけ。レンに置いてかれたら悲しいけど、そうされるのが優しさ?なのかなって思ったら、なんだかこんがらがっちゃって」
「おかしいね。わたしよく分からないことがいっぱいあるよ」
蓮の香純への対応から、無自覚ながらも嫉妬を覚えるマリィが愛おしい(;゚д゚)ゴクリ…。
しかし、突然のマリィの変化に面食らって何も言い返せない蓮が仕方ないにせよ少し情けなく感じるな。
タワー・展望台にて蓮を待つ間、螢からスワスチカの説明を受ける玲愛。
他ルートで玲愛がやたら黒円卓事情に精通していた理由もようやく判明。どうやら儀式が進むにつれ、イザークの記憶が流れ込んでくる模様。
刻々と死が迫っているのに関わらず、淡々と説明を聞く玲愛の態度を不気味に感じる螢。
玲愛は覚悟がガン決まりすぎてて、怖カッコイイ。
こうなってくるとクールを気取ってる螢が激しくダサいな...。こいつ黄金錬成をはき違えてるくせに、なんでこんな偉そうなんだ。
会話のペースが玲愛寄りになってきたところで、本題に。
螢を動かすために、玲愛はとっておきの爆弾を投下。
玲「あなたの大事なあの人たち......どうして死んだのか知ってるよ」
タワーに到着した蓮一行。
しかしマリィはここに置いていけというルサルカの急な条件に、蓮は激しく拒否。
いつも以上にルサルカに噛みつく。蓮の余裕の無さが窺える。
そんな場をとりもつのは、絶賛成長期のマリィ。
ルサルカの条件を受け入れ、蓮に展望台へ行くよう促す。
カッカしてる蓮に意見を言えるなんて......マリィつえー。
ここの選択肢。心情的には迷わず上を選びたいのだが、ルートがルートなだけに下を選ばなければならないのがちょっと嫌だ。
直後のマリィの笑顔に胸が痛くなる...。
展望台に上る、まさに直前。
ルサルカから明かされる、玲愛の能力・役割。
“黄金錬成の生贄”という耐えがたい事実を前に、蓮の意志が固まる。
“そんな奇跡(おうごん)は認めない”
“彼女に味方がいないなら、俺だけは何があろうと裏切らないって——”
“強く強く、強く心からそう誓った”
そして展望台。
蓮の膝枕で寝転ぶ先輩がかわいい。
しかし2人をとりまく状況は過酷そのもの。
玲「お願いだから、格好悪くなってよ」
「逃げてよ。いいじゃない。誰も文句なんか言わないし、言う人頭おかしいんだよ」
涙ながらに告げる先輩。好きな人を想う心情が儚くも美しい。
ここで一気に先輩ファンは増えたのでは、と思うほど先輩がヒロインしてる。
続けて、これまでの自分の生き方を振り返る玲愛。
心にずっと蓋をしてきた人生だったが、蓮との出会いによりそれも変わっていった。
悲壮感漂う空気の中、2人はお互いに別れを告げる。
同時に蓮は、玲愛を悲しませるトリファの打倒を強く胸に込める。
そのころクラブでは、蓮の合流を待つ香純たちの姿が!
最終ルートともなってくると、いい加減香純が事情を求めるくだりも飽きてきたな。
ルートが進むにつれ、どんどん蚊帳の外に置いてかれる香純が不憫だ。
マリィルートと異なり、蓮が玲愛との逢瀬を優先したため、続く展開もまったく異なるものに!
香純が司狼へ、蓮との喧嘩の原因を尋ねたところで異変。
ベイが予定通りにクラブを急襲。
反対に蓮が来なかったのが想定外だった司狼ら。
“聖遺物ぶん盗り作戦”が、事前情報ナシのぶっつけ本番に。
それでもどこか余裕を崩さない司狼とエリーはやっぱりすごい。
そして事態の異常さに恐怖と危機感でいっぱいいっぱいな香純。
そんな彼女が下した決断は——
香「あたしも、行く」
「そりゃ怖いけど、わけ分かんないけど、今はどうにか乗り越えなきゃいけないじゃん。あんたらだけ危ない目に遭わせて、あたしだけ蚊帳の外?ふざけんなバカ」
エリーの制止を振り切り、ともに戦うことを選択。
すごい。司狼の言う通り男でも卒倒するような状況下で、危機に立ち向かえるその姿は、まぎれもない強さだ。他ルートでも散々この強さをみてきたはずなのに、どうしても香純を低く見積もってしまうのはブログ主の欠点だ。
しかし司狼としては、ここでベイに喰われることが作戦の前提のため、香純を強引に気絶させる。
結果として、香純含め残らずクラブの魂はベイのモノに。
クラブのスワスチカが開放。
香純が命を落としたことを、教会にいるトリファも察知。
その動揺がリザにも伝わる。
リ「あなた、朝方からおかしいわ。いったいどうしたというのよ」
ト「私の望みが、たった今粉砕された。それだけですよ」
「この私が六十年待って待って待ち望み、焦がれに焦がれた奇跡への道が閉ざされたのだ」
神父の計画にとって最大の要であった“ヨハンの血脈”。その消失。
これまでどのルートでも、その権謀の限りを尽くしてきた彼が、今回何もしなかったことが、プレイしてるこっちからすれば信じられないような異常事態。
この段階で、「玲愛ルートは他とはワケが違うのでは...?」とよぎった爪牙は大勢いたんじゃなかろうか。ええ、ブログ主も「Acta est Fabula」初プレイ時は興奮でとてもソワソワしましたよ。
トリファは傍らにいるリザへ問う、テレジアを愛しているのかと。
リ「私は、あの子が恐ろしい」
「でも、自分にとっての黄金が何なのか、たまに分からなくなるときもある」
いつもとは違うトリファに、リザも自然と本音を口にする。
リザの言葉を受け取り、トリファは自分の姿が黄金から乖離していくのを感じる。
ト「テレジア、あなたに心よりの感謝を」
「私は今、己が真実の愛をついに自覚することができたのだ」
自らの心が、愛が、器である黄金に引きずられているのではと常に苦悩していた聖餐杯。
そんな彼が、真なる白鳥の騎士としてようやく産声を上げる。
橋の袂では一人ワイングラスを掲げるルサルカ。
通りがかったベイへ、スワスチカ開放の祝辞を述べる。
しかし見るからに消化不良なベイ中尉。
司狼らを喰えたのはいいものの、肝心の蓮がいなかったことが不満。
おまえ何かしたのかと、ルサルカに詰め寄る。コイツは本当に神懸かった勘を持ってるな。
しかし魔女は華麗にスルー。このルートのルサルカは余裕が違いますな。
ベイが立ち去ったのち、本命の螢が登場。
玲愛の計略がどう転ぶのかはてさて......。
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