ゆらりゆらりとゆらゆらと

あたまの悪い男が、起こったことを忘れないためのボケ防止日記

『相州戦神館學園 八命陣』歩美ルート第九話 感想

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“先のことなんてな、これからどうするか次第で変わるんだ” 

 

決戦前のタメ回。

四四八が男前すぎてやばい。

 

 

 

視点はなんと、空亡に惨殺されたキーラちゃん! 

謎の空間で回復中。そのすぐそばには天粕。 

怨敵を前にして堪らず牙をむくキーラちゃんだが、天粕はどこ吹く風。冷静に、ただ一つの事実を述べる。 

甘「如何に足掻こうが、おまえは盧生になどなれん」 

キーラの目的は盧生になること。そのために天粕から資格を奪うことを目論んでいたが、それができるのは聖十郎のみ。キーラの野望は最初から破綻していたわけだ(;´Д`)。 

そんな彼女へ、眷属となることを提案する天粕。当然一蹴するキーラだったが、天粕の力の一端を垣間見、渋々承諾。 

2人の話題は戦真館へ。 

現在地は第六層。明かされる六層の突破条件は......“人柱”。 

 

 

 

 

 

 

そして四四八たち。 

重体の鳴滝・水希・晶。正体不明の怪士の能力が、彼らの命を蝕んでいく。 

この事態に、限界を遥か彼方に追いやる勢いで破段を発動する四四八!楯法以外をかなぐり捨て、持てる全てをふり絞る。 

結果、なんとか窮状を脱する鳴滝たち。だが反動で、四四八は夢から強制離脱。 

 

 

そうして、鎌倉の自室で目が覚める。 

その胸中は、 

“あの状況の中、結果として仲間たちを途中で見捨ててきた形になった自分自身に怒りすら覚える” 

“男が任せろと言っておきながら、最後までやれなかった......それが猛烈に苛立つんだよ。己の言葉に責を持たなればならない立場であることなど、とうの昔に分かっているから” 

四四八がどういう人間か、十二分に伝わるシーン。あらためて彼が主人公で良かった(`・∀・´)。 

しかし焦燥感とは裏腹に、すぐに眠りにつくことができない。冷静さを取り戻すためにも、ルーティンであるランニングへ。

 

頭も心も、走ることで洗練されていく——落ち着いてきたところで、後ろからヘロヘロになってついてくる歩美の姿が!! 

なぜここに?という疑問へ 

歩「まだ、そういうこと聞くの......?」 

 「まったく......ほーんと、こういうことには勘が働かないっていうか、もう」 

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心配で現実に戻ってきた彼女。中の人の名演も相まって、ここに可愛さが天元突破。 

なんだかドギマギしてるところで、通りすがりのハナちゃん先生。

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この嫌そうな顔(笑)。

先生との他愛のないやりとり。しかし2人はどこか違和感を覚える。......地味に物語の核心に迫ったのだが、このルートではここで行き止まり。

 

 

家に戻り、本題である狩摩の設計図解読にとりかかる。 

見た感じはお手本通りの風水学、しかし歩美は明らかに疑念を。なぜなら作者はあの壇狩摩。単純なモノには絶対してないだろうという、満場一致の納得感。 

そんな敵手の性格を鑑みる中で、歩美の表情から余裕は消えている。四四八が突っ込むと、歩美もついに胸に秘めていた本音をさらけ出していく——。 

 

歩「わたしには何もないの。なかったの」 

 「いくら強い敵と戦って、どれだけの傷を負っても......わたしはどうとも思わなかったし、恐くも何ともないの」 

 「なんでかっていうとね、わたしには絶対に届かないから」 

 

すべての事象が他人事のように映る——どこか病気めいた、歩美の感性。 

冷静さも、胆力も、望んでいたものではない。周りから受ける期待感だって、彼女が求めたものではなかった。 

感情的に叫ぶこの歩美のシーンは、非常に印象的。

 

そしてそんな彼女が何より許せないことは、自身の本音を知られること。 

見透かした挙句に、嘲弄してきた壇狩摩。歩美にとっては不俱戴天の仇。 

「狩摩を殺す」という言葉に込められた思いがこれほどまでに強烈だったとは( ゚Д゚)。 

 

......だが歩美の生来の優しさは本物。狩摩を相手取る際に、仲間たちを駒のように扱わねばならないであろうことを予期し、躊躇。

自覚していないその在り方を、四四八が言葉に置き換える。 

四「——俺さ、昔から八犬伝好きだったろう?」 

 「考えてみたんだ、その中で歩美はだよなって」 

 「冷静で、いざというときに頼れる......犬坂毛野胤智みたいなさ」 

 「智に表されるものの根幹にある、人を思えるということ——」 

 「己こそが仲間のために矢面に立ちたいと思えることこそが、歩美を歩美たらしめていると思うんだ」 

 

このまぎれもない真実を告げることで、声を荒げていた歩美にもようやく笑みが(*´ω`)。 

そしてついに結ばれる2人。四四八のストレートすぎる告白はシンプルにカッコイイ。 

照れ屋な蓮や気取りな覇吐にはできない、四四八ならではの長所っすな。 

 

 

 

夢界では、そんな彼らを待ち受ける狩摩の姿が。 

鬼面衆を引き連れ、四四八ら同様こちらも対戦相手を割り当て。 

武闘派の怪士は四四八を御指名。鳴滝戦では満足できなかった快感を、四四八を以てして得たいと張り切る。 

残る夜叉は鈴子、泥眼は栄光と、いずれも因縁あるマッチに。 

そして首魁の狩摩の指名は、もちろん歩美。煽った分だけ楽しませてくれよと、期待を膨らませる——。 

 

 

10話→『相州戦神館學園 八命陣』歩美ルート第十話 感想・壱 - ゆらりゆらりとゆらゆらと

 

 

出典元:www.light.gr.jp