『相州戦神館學園 八命陣』歩美ルート第八話 感想
“ずっと、こうしていられればいいのにね”
歩美のヒロイン力が躍進する第8話。
殺人童貞も登場し、カオスさが深まる章。
一向に目覚めない歩美を心配する四四八。
グループ内でいつもバランスをとってくれていた彼女。そのことに今さらながら感謝の念が募る。
千信館の日々はもちろん、いつの頃だったか戦真館でも歩美は桜のように輝いていた——。
耽っていると、歩美起床。
声音が妙に落ち着いていて、ちょっと不安(´-ω-`)。
歩美を病院に残し、他の面々で反省会。
四「今回の一件についてだが、修学旅行が半端に終わってしまったことが最大の問題だと俺は考えている」
「俺たちは夢と現実を区切ると決めたはずなんだ。戦真館(トゥルース)でどうなるか分からないぶん、千信館(こっち)では普段の暮らしを大切にしようと」
しかし敗戦からもたらされた結果は、修学旅行の頓挫、クラスメイト並びに保護者たちへの迷惑と、日常に著しい影を落としてしまった。
ゆえに、これを機に再度誓いを立てる。
次いで、改めて夢界の勢力図について整理。
吸血される直前にみた光景を、メンバーに伝える四四八。黒幕とおぼしき存在と、謎の了解を得ていた各勢力。
味方と思っていた百合香も、今となっては油断ならない相手。彼女を相手に危機感を覚えていたのは鳴滝のみで、他の面々は反省。
四四八に対する吸血行為も結局謎のまま。しかし当然意味のある行為だったことに違いはないので、現状最も注視しなければならないのは壇狩摩。
vs神祇省がハッキリしてきたところで、このまま作戦会議。
狩摩の配下である鬼面衆......それぞれマッチ相手を割り振り。
ステゴロ特化の怪士には、同じくステゴロ上等の鳴滝&四四八。
ナイフによる雨あられがヤバい夜叉の相手には、長物持ちかつバランスに秀でた水希&鈴子。
キャンセルお化けの泥眼には、栄光が立候補。四層で煽られた分気合いが違う。
晶は後方で回復に専念......と、ここまで決めたところで一旦会議は終了。心配してるであろう家族の下へ、解散。
その夜、自室で反省を続けている四四八。
実力不足はもちろん、何より情報が圧倒的に足りていなかったことを歯噛み。
そのことから、自分たちの知識担当である歩美のことが、自然と思い浮かぶ。
華奢な体躯に似合わず、肝が据わり冷静に全体を見通せる彼女のメンタリティは、四四八も唸るほど。四~五層の経戦も四四八を除き唯一、いつも通りの働きができていた。知らず頼りにしていたことをこぼす。
と、ここで窓から物音。
なんと歩美が来訪。窓に石ぶつけてたのかと思いきや、投げてたのはカナブン。
虫が苦手なブログ主からは想像もできないピンポン方法。女捨ててんのかコイツ。
病院に戻れと至極まっとうな説教をする四四八だが、正論クソくらえな歩美。ヒロイン勢の中でここまで主人公を振り回せるのは彼女くらいでは(笑)。正直とても良いと思います!!
結局四四八が根負けし、2人は海辺へデートに。
雑談を交わしつつ、話題は将来の夢。
四「俺は、検事を目指そうと思ってる」
「法や規則、そういうものを扱って世の万象に向き合いたいんだ」
歩「わたしは、自衛官になりたいの。物心ついたときから、ずっとそう思ってた」
「わたしはね、自分を試したいんだ」
「普通に生きてるよりは、修羅場みたいなのに立ち会える確率はきっと高いよね」
「そのときになって初めて、自分ってどういう人間なのか知れると思うんだ」
なんとも独特な理由。しかし言葉は真摯に、かつなぜか瀬戸際を思わせるような声で語る歩美。
焦燥感を覚える四四八だが、構わず歩美は続ける。壇狩摩を倒すのは自分だと宣言——その目には涙。
彼女が初めてみせた生の感情に、四四八も友情や家族とは違った感情が生まれ——その答えは宿題として持ち越し。
視点は聖十郎と神野。
すでに舞台から梯子を降ろされた2人だが、神野は何やら作業中。やることがなくイラついている聖十郎とは対照的に、とても楽しそう。
両者とも天粕の配下。聖十郎は翻意する気マンマンなのが晶ルートで判明してるわけだが、どうやら神野も腹に一物かかえている模様。
さらにキーラちゃんが天粕に取り込まれたこともサラッと言及。正田のロリに対する扱いのひどさよ......。
歩美も無事退院できたことで、四四八らは揃って夢界へ突入。
大きな敗北を喫したものの、全員目は死んでない。四四八の号令に応える姿が非常に頼もしい( `ー´)ノ。
そんな彼らが訪れたのは、戦真館。キーラちゃんに圧壊され、みるも無残な母校。
今後の足掛かりになるものはないかと、各自校舎内へ。警戒するも、敵影はなし。
あの修羅場からわずか1週間にも関わらず、校舎内に積もった埃、そして血の変色具合が気になる四四八。
すると、不意に響くモールス信号。解読し、向かった場所には......
世話になった教官の姿。しかし辰宮側なのは明らかで、四四八たちの警戒心はMAX。
そんな花恵が明かす己の現状。衣服を脱いだその下は、
“教官の服の下に隠されていたのは、その健康的だったであろう素肌をただ無造作に、そして糞味噌に掻き回された哀れな肉の残骸だった”
五層でキーラに両断された傷......既に長くないことを悟った彼女は、四四八たちへ最期の指導をしに。
・現在夢界は第六層。五層の10年後の時代
・辰宮はこの舞台からすでに撤退
・現状、二代目戦真館建設の目処が立っており設計者は狩摩
設計図面が八幡宮へ奉納される絶妙のタイミング。四四八たちは図面を奪取し、狩摩の狙いを探る方針をとる。
そしてさっそく八幡宮。
実行部隊に選ばれたのは鳴滝・水希・晶の3人。非常にバランスの取れた人選ではなかろうか。
奉納場所の検討がつかずしばらくうろついていると、いつぞやの宮司さんとエンカウント。お名前は「曾禰玄心」。
流れるBGMは和やか。それに沿うよう優しい好々爺は、図面の場所を教えてくれる。
そしてこれはまぁおじいちゃんあるあるか、聞いてもないのに昔はああだったこうだったと語り出す。
若かりしころ、武道の道に精進していた玄心。幕末から明治にかけ、さまざまな戦場があったものの、しかし結局その技を見せる機会に立ち会えず。己の強さというものがわからないまま時は過ぎてしまった。それが玄心の心残り。
同情した水希と晶は「夢はまだ終わっちゃいないぜ!(*^▽^*)」と熱いエールを送る。
玄「おまえさんたち......」
「いいのですかな。私などが、再びその機会を貰っても」
それは例えば後進に伝えていくだとか、技術をお披露目していくだとか、いろいろな可能性を示唆したものなのだが.......
水希の身体を抉る、玄心の貫手。
泡食って介抱する晶に、急いで攻勢に出る鳴滝。
しかし
玄「肉が抉れ、骨が砕ける。若い娘の命が消えてゆく、苦悶の表情が堪らんよ」
その正体は神祇省鬼面衆が一人、怪士。
修めたのは殺人術。しかし一度も殺しを経験したことがなく、その飢餓は強烈。
肉弾戦に秀でる鳴滝を正面から蹂躙。晶も水希を庇うことで甚大な負傷。
若人を痛めつけることで勃起してるのだから、こいつはとんでもない。
一同壊滅状態。
そこに長である狩摩が現着。この3人を戦闘不能にするのは、彼の采配だったことが判明。
これで戦真館と神祇省ちょうど4vs4。すべてが狩摩の掌の上。
瀕死の身体で、鳴滝ら帰還。
死の淵にも関わらず水希たちを背負ってきた鳴滝は漢だぜ......!
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