『神咒神威神楽 曙之光』咒皇百鬼夜行編 感想・中
“ある日、気がついたときから不快だった”
処女作であるパラロスから始まり、おなじみの黄金・水銀ペアもきっちり網羅。
水銀に関しては前作で悪いことしかしてなかったため、いかに優れた奴だったかをユーザー側は改めて知ることに。
まぁ結局変態なんだけどなあいつ。
歴代の神座で同じような所業をした人間が果たしていたのかどうか。
とにもかくにも夜行さんによる神座巡りスタート!
潜行を開始し、まず“座”そのものに触れる。その印象は“極限まで透き通った水/無菌の箱”といったもの。
パンピーが入れば一瞬で発狂するレベル、選ばれた者だけに許された場所。
仕様を理解。次いで旧神たちの残滓と接触する。
残滓とはいえ、座を掌握した奴らのもの。取り込まれないためにも、夜行がとるべき手段は一つ——天魔たち同様型に嵌めること。
設定が固まってなかったからか第一天・二天をすっとばし、いきなり三天目のあのお方から。
ヒャッハーな世界に生まれ“原罪”という人が持つ業を許せず、一掃しようと誓った彼。
願った先の世界は、純白の塩。
感情・意志・願いをすべてプログラム化し、人が持つ欲望を除去。結果として個性というものが世界から無くなった。夜行先生曰く「共同体の理想形」。
その管理の徹底さから、一見穴のない法則にみえるが......そんな世界にも弱点あり。
清廉潔白であれ、という強い意思は群衆だけでなく、神たる己にも向いていた。
従って自身の法則下に異物が混入した場合、「自分のシステムには欠陥があったんだ(´・ω・`)」とエラーを受け入れられず。
トラブルシューティングしようとすらせず、速攻で電源を切る選択に至る。
「責任感をもっと持ちなさい!(*`Д´)ノ」と夜行先生のお説教を以て、三天の考察は終了。
明けの明星——天道非想天
型に嵌め、最初の関門突破。
続いて第二関門。
潜った瞬間急速に訪れる、強烈な既知感。
同じ行いを「然り然り」と何千何万と繰り返したわぁと、果てない諦観が夜行を襲う。
なにこのキレイな水銀......。
全てが既知と感じるようになった男は、ただただ安らかな死を望むように。
が、その「安らかな死」というのが厄介。男は求めたソレを迎えるため、さらなる既知の苦しみへ。
『終わらない疾走』と『唯一無二の死』を兼ね備えていた。夜刀と大獄の出生の背景を知れたことで、夜行さんも思わずニッコリ。
前神と異なり、エラーが起きれば即リセット・リセット・リセット。
そんな第四世界の在り方......夜行先生の印象は「悪くない」。
むしろ座の完成度としては抜きん出ており、かつ先代と違って責任感を持ち合わせていたのも好印象。
能力が“回帰”なため、やろうと思えばいつまでも続けられたであろう、ある意味最強の神座。
ただまぁ本人の望みは先述したとおり、死。
「もったいない(´;ω;`)」と夜行先生のため息を受け、型に嵌められるコズミックストーカー。
水銀の蛇——永劫回帰
デジャヴを突破......と思った次の瞬間、今度は身を滅ぼすかのような破壊光。
水銀の蛇からわずか一歩のところに住まう、黄金の偉丈夫。その意味、夜行は瞬時に理解。
夜「宿主を食い殺す増殖細胞——自滅因子」
男は世にある全てを愛していたが......残念なことに彼は「愛」を壊すという行為でしか表現できなかった。
そのことに吹っ切れた後、「死んだあとにも先があるように」と死を超越した世界を望むように。結果、それは終わらない闘争の世界として具現化された。
その覇道、夜行先生曰く「随一」。黄金の背後に隷属する何人かの見知った顔を見つけ、またまたニッコリ。
が、褒めポイントはここまで。
「死を想いすぎぃぃ!(`・ω・´)」とその独特の価値観に苦言。
『Dies irae』だと本人の圧が強すぎて、同じこと思っていても誰も言えなかったからな(笑)。
夜「それに、これはあくまで太極ではなく対極だ。座から水銀を放逐する、それが役目で、それこそ己が存在理由。悲しいかな、座を奪うことは決して出来ぬ」
黄金の残滓に触れたことで、自滅因子に関する理解が深まる夜行。
黄金の獣——修羅道至高天
ここまで合計3つの太極に中てられた夜行。
いまだ終わりが見えず、加えてどいつもこいつも残滓のくせに半端じゃない強制力を持ち合わせていたため、より警戒を強める。
と、身構えたのも数瞬。
夜行を包む暖かな光がそこに。
それは女神の法則。夜行も「美しい」以外の言葉が出ないほど。
黄金とは違った輝きを放ち、そこに敵意や攻撃性といった害する意思はない。ただただ慈しむことに特化した黄昏の光。
夜「く、くくく......まったく、酷なことを言ってくれるものだ。なあ天魔よ、なあ夜都賀波岐よ英雄どもよ。なんというものと比べてくれる?」
「至上の輝きを引っ張り出して、他の理と並べるな。ひどいものだ、敵うなどと口が裂けても吹聴できぬわ」
夜行先生も大絶賛。規格外すぎて乾いた笑いしかでないほど。
そんな女神マリィの真実を的確に読み取る。誰かに触れることも触れてもらうことも出来なかった生涯。だからこそ遍く全てを抱きしめたいという祈りに繋がった。究極の隣人愛。
完璧な管理者であった水銀がストーカーに走った理由がわかり、大いに納得する夜行。
そしてそんなストーカーすら受け入れていた女神。......しかし、それが不幸を呼ぶハメに。
水銀以外にも黄金、刹那を有していた第五天。いくら強固な覇道神共存能力とはいえ、限界はある。
加え、マリィの座は良くも悪くも放任主義なため、頭の悪いバカどもが跋扈する事態に。
いつまでも続くと思われていた安寧の世界は、突如として終わりを迎える。
黄昏の女神——輪廻転生
マリィの抱擁を抜けた先、底知れぬ憤怒と共に襲い掛かる時間停止の縛鎖に、夜行も同情を禁じ得ない。
もはや敗残者などと呼べるわけもない。
愛しい刹那を愛する者と永遠にしたいと願っていた青年。しかし、その日常は邪神に砕かれた。
このままでは終われないという意思の下、仲間たちと共に命がけの抵抗を試みる。
夜「今なら分かるぞ。この渇望は防衛向きだ」
「美麗な刹那をこれ以上失わぬためにある願い。堰き止め、留めることで、守り抜くために在る太極」
「新世界へ捧げた超越の物語か......」
正田卿も口すっぱく言ってますが、波旬の世界にこれだけ抗えたのは夜刀だったからこそ。
永遠の刹那——無間大紅蓮地獄
性質の違いはあれど、誰もかれも凄まじかった覇道神。
夜行も感服。
いずれも夜行を凌駕する実力者たち。ってことは、夜行が波旬に勝てる可能性って......(;´Д`)。
さて、夜刀を抜けたということは......いよいよ底まで辿り着いたということ。
塞がっていた最後の壁も、彼方から飛来した殺し愛カップルの一撃で無事貫通!
してやったりと夜行が微笑んだのもほんの一瞬。
超深奥より浮上してくる極大の圧に戦慄。
BGM「神威曼荼羅」を引っ提げて、ラスボスついに降臨!
天眼を以て、その正体がミイラであることを看破。
遥かな緊張感を携えて、その咒を叫ぶ!
第六天波旬——大欲界天狗道
ということで次回はいよいよ、波旬メイン。
マリィファントラウマ必至のかつての神座闘争。
血染花で泣き、繚乱で小っ恥ずかしい気持ちになり、百鬼夜行でハラワタ煮えくり返ったあと、創生で滾りつつ、神咒神威神楽ですっきりしてほしい。
— 正田崇 (@masada_takashi) 2011年9月28日
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