ゆらりゆらりとゆらゆらと

あたまの悪い男が、起こったことを忘れないためのボケ防止日記

「神咒神威神楽 曙之光」霜月・無間蝦夷 感想・弐

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“それが僕の、櫻井戒の魂だ。おまえにはない。核ある自分の総てだよ”

“私は確かに敗者だけど、信じて戦った日々がある。そのときの自分たちに嘘はないと、今でも変わらず信じている”

 

 

 

蝦夷決戦・第一幕。

劣勢を強いられてきた2人の益荒男が、ついに覚醒する。

この章はどの戦闘も神回で困る。 

 

 

 

永い一夜が明け、ついに決戦の時。

生き残った兵たちを前に、総大将が万感の想いで檄を飛ばす。

失った命を顧みて、それらがここに結実しているのだと説く。

竜「仁は死なぬ、忠は滅びぬ。受け継がれていくのだ。魂と共に私たちの身体さえ飛び越えて。だからこそ此処まで辿り着けたのだと信じている」

居並ぶ臣たちを鼓舞し勝利を謳うその姿はまさに覇者の器。

あらためて竜胆が総大将で本当に良かったと思わずにはいられないぜ......!

 

 

その宣誓に異を唱える天魔たち。

波旬の走狗どもが一端の口きくなと、怒髪天

不和之関を再現してやろうと、悪路と母禮が蜘蛛を引き連れて出陣。

 

あの時は成すすべもなく呑まれてしまったが、長き東征の中で培った経験値から竜胆の判断は迅速。

押し寄せてくる蜘蛛の群れは名将・冷泉公にお任せ。

そして肝心の天魔狩りの方は、当然益荒男たちが引き受ける。

一歩前に出た竜胆と覇吐が矢を番える。

絶対防御である“時の鎧”を崩し、続く2人へ繋げるために。

総ては勝利のために、道を照らす。

 

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“私が犯した罪は 心からの信頼において あなたの命に反したこと”

“私は愚かで あなたのお役に立てなかった”

“だからあなたの炎で包んでほしい”

“我が槍を怖れるならば この炎を越すこと許さぬ”

 

母禮相手に“戦姫変生”の詠唱とは何の因果か。

 

見事竜胆はベアトリス、戒、そして螢の名前を拾い上げる。

真名を呼ばれた二天魔は、しかし驚異の意思力で存在を維持。

シンプルにすごいとしか言いようがない......!

 

畳み掛けるように宗次郎と紫織が吶喊。

“威烈繚乱、求道の振起。——剣と拳の絢爛舞踏、ここに開幕”

正田卿の筆が乗りに乗りまくってる(∩´∀`)∩。

 

 

いざ宗次郎vs悪路。

悪路の太極内は臓物チックで毒々しい。いかにもな感じだ。

そんな虎穴に入った宗次郎が浮かべるのは、笑み。

自分より高みにいる強者、それが嬉しくてたまらないといった様子。

剣バカもここまでくると、いよいよ。

 

喜ぶ宗次郎と対照的に、悪路はどこまでも冷ややか。

おしゃべりを交わす気もなく、淡々と速やかに殺戮しようと遊びゼロ。

持ち前の毒と剣術を以て、ひたすらに宗次郎を蹂躙。

宗次郎をして美麗と思わせる太刀筋.......すごいぞ兄さん。嫁に教わったのかしら。

 

東征軍の中でも、回避能力はAAAクラスの宗次郎。

攻撃を躱すも、なぜか毒のデバフは強まるばかり。

悪路曰く太極圏内は術の必中効果があるっぽい。どこの呪術?と思わなくもないが、先出はこっちなので......。

 

なんとか奮戦する宗次郎。しかし悪路からすれば変わらず彼のそれは“木偶の剣”。

その侮蔑、宗次郎にしては珍しく声を荒げるほど激怒。

それでも悪路の態度は一貫して冷徹。「おまえらには期待してないから早よ死ね」などと。

今作の兄さんは徹底して悪役で、かつ様になってんのよ。

 

そんな兄さんの渇望は“総ての穢れを引き受ける”というもの。

相対する宗次郎を“穢れ”と断定し、その祈りを展開。

 

“一、二、三、四、五、六、七、八、九、十”

“布留部 由良由良止 布留部”

血の道血の道と其の血の道 返し畏み給おう”

“禍災に悩むこの病毒を この加持にて今吹き払う呪いの神風”

“橘の 小戸の禊を始めにて 今も清むる吾が身なりけり 千早振る神の御末吾なれば 祈りしことの叶わぬは無し”

 

——太・極——

“随神相——神咒神威・無間叫喚”

 許許太久禍穢速佐須良比給千座置座 

 

 宗次郎終了のお知らせ。

 

 

平行して、紫織vs母禮。

こちらは分かりやすく、全面火の海というとんでもないステージ。

独特な歪みを持つ紫織じゃなきゃ即行で詰んでましたわ。 

そんなわけで、生き残る可能性をガシガシ飛ばす紫織だが、端から削られていき圧倒的劣勢。

さらに攻撃しようにも、触れたところから消し炭にされて八方ふさがり。

とんでもねえチートだ。これで龍明姐御より火力低いってんだから、いろいろ狂ってやがる(震え)。

 

優勢な母禮は、かつてないほど静かな声音。

諸々吹っ切れており、印象的にはマリィルートでのvsエレオノーレのときみたい。あのときの螢はたしかに強かった。

紫織を圧倒しつつ「おまえじゃ話になんねえよ」と夜行を指名。

言われた紫織は「フラれた女が粋がんな」と強気で返す。

......夜行にフラれてもだいたいの女性はノーダメな気が、おいやめろ龍すqw せdrftgyふじこl p

 

“女として上”という自負もあるせいか、紫織は攻撃の手を緩めない。

何百、何千殺されようと、可能性の像を紡ぐ。

御前試合では一回殺されただけでかなり消耗していたが、ここまでの道のりでレベルアップしたということか、その限界値は引きあがっている。

そしてそんな自分を「無敵の主人公」と謳いあげる。

そのセリフ、思い返されるのは蓮とのやりとり。

それは螢にとって、ある種タブーであり......

 

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母「ああ、凄い。本当にまだ生きている」

 「神様に愛されている自覚があるのね。そして何も分かっていない

 「アレから見れば、あなた達は塵にもなっていないということを

 

案の定というべきか、調子に乗っていた紫織を大火力で黙らせる。

紫織本体も、残ったのは上半身のみ......。格が違いすぎる。((((;゚Д゚))))

 

なんの手立てもなくなってしまった紫織。

しかし心は折れず。"何でも分かってます”風な母禮の言動にブチ切れ!

残りの力で母禮めがけて頭からタックル!!

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当然結果は悲惨。母禮にダメージなどなく、反対に紫織の顔面はぐちゃぐちゃに。

それでも、紫織は満足。

続けて彼女なりの“イイ女”の定義をぶつける。

『男の後ろを付いていくのではなく、男に新しい何かを与えられる女』

曰く、いっしょにタバコを吸うんじゃなくて、料理を教えてあげられるような、とのこと。

確かにこれはいい女だ。(*-ω-)

 

言いたいことを言い尽くした紫織。

本来そのような時間などなかったはずなのに、なぜか起こりえた。

明らかに時間停止の理が発動しており、夜刀が戦闘に介入している。

そのことを訝しみながらも、母禮はトドメの刃を振り下ろす———。

 

 

天魔二柱の前に敗れ去る両雄。

まぁそりゃそうだ、やる前からわかってた。

じゃあ次の戦いに......

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外界で見守る竜胆たちの声が響く。

どいつこいつも言い方は違えど、伝えたいことは一緒「勝て」。

BGMが「覇ヲ吐ク益荒男」に切り替わると同時に、邪神の三つ目も胎動し——。

 

 

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“掛けまくも畏き 神殿に坐す神魂に願い給う”

 

——太・極——

“神咒神威——経津主・布津御魂剣”

“神咒神威——紅楼蜃夢・摩利支天”

 

 

神座から力を与えられ、宗次郎と紫織は太極に到達。

夜都賀波岐と同じ位階、同じ土俵。勝負はようやくスタート地点に。

2人とも、発現した能力は実にわかりやすい。

 

まずは宗次郎。その能力はシンプル“何でも斬る”。

文字通り“何でも”であり、物に限った話ではなく、運気や寿命、果ては概念にまで及ぶ。厨二病患者もびっくりなロマンあふれる性能に。

さらには“外れる”ということがなく、振り抜けば必ず命中するという覇道神顔負けの凄まじい追加効果。

ここまで攻撃に全振りした太極は他にないのでは?

 

宗「そうだ——僕はそういうものだった」

 「ひとたび抜けば総てを切る。老若男女の別もなく、抜いた刃で首を飛ばして道を作る」

 「僕は——刃だ」

 「この一振りで総てを切り裂く、天下無双の刀剣だった」

 

目覚めてさっそく悪路の世界を寸断。己を蝕んでいた毒も切除。

悪路を見据え、今度こそ真っ向斬り結ぶ。

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一方紫織サイド。

発現した力は、これまでの完全上位互換。

“可能性の並行起動”から“可能性”そのものへと変貌。

そのレベルは“奇跡”をも容易に起こせるほどに。

さらに、以前のように分身が殺されても、その負荷は本体にフィードバックされず。それどころか、そこからさらに可能性を拡張させていく。実質不死身。可能性の獣。

 

紫「そうだ——私はそういうものだ」

 「出来ないから、やれないからって、そんな理由で誰かの装飾品になんてなりたくない。私は私——玖錠紫織」

 「だから、そう——私は最高の私でいたい」

 「この瞬間に、私は最善の私を求め続ける!」

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燃やされるそばから五体満足の紫織がウジャウジャと。

勝負は自ずと持久戦にもつれ込む。

戦意漲る紫織とは対照的に、母禮は静かに紫織の深奥——その先をのぞく。

 

母「結局......」

 「あなたが正しかったのかしら、遊佐君」

 

母禮の中で一つの答えが。

 

 

戦局は宗次郎の方も佳境。

っていうか剣神とも呼べる存在になった宗次郎と対等に斬りあってる兄さんやばない?(やばい)

毒はもはや効かず、前述したとおり宗次郎の斬撃は何かしらを斬っているため、削られていくのは悪路の方。

それでもなお互角。

その事実に、宗次郎も感嘆。

宗「いいですよ、きっとあなたはそれでいいんだ!是非ともそのままでいてください。ほら、さっきよりずっと剣のキレが冴えている!」

 「魅入られそうだ、たまらない。ああ僕は、こういう瞬間が欲しかったんですよ......!」

相対する敵手を誰よりも褒め称える。それは自愛からくるものではなく、まぎれもない称賛の証。

天狗の世界ではあり得ない感想。

 

確実に削られていく悪路。

しかしその思考は敗北に向かっておらず。

在りし日のやさしさは今なお健在。力に溺れ、愉悦に満ちている目の前の剣士を救うことを考える。

総ては最後に勝つために。兄さんもまた、来たる新世界を意識し始める。

宗次郎に問う、求める先は何か?

剣士の答えは———

 

宗「人は一人じゃ生きられない。一人ぼっちじゃつまらない」

 

『地球上にただ一人壬生宗次郎だけ残ればいい』かつて抱いていた想いとは完全に決別。

それを教えてくれた強敵に感謝し、宗次郎は目指していた至高の剣を振るう。

 

“石上神道流、奥伝の一”

“早馳風——御言の息吹”

 

 

悪路と同じタイミングで母禮も訊ねる。

その目は先ほどまでの敵意むき出しのものではなくなっており、兄と同じように次へ繋げる想いが芽生えたからこそ。

そして問われた紫織は、迷うことなくまっすぐ返す。

 

紫「たった一人じゃ、自分が何処にいるのかも分からないから」

 「私は誰かの胸に残り続ける陽炎(ふめつ)になりたい!」

 

自分という存在を誰かに残したい。一見して自己愛に見えるも、それは一緒に並び立ってくれる人を受け入れているからこそ。

紫織も“唯我”とは違う自分だけの“魂”にたどり着いた。

焦熱地獄を埋めつくし、母禮へ全霊の奥義を叩き込む。

 

“玖錠降神流、奥伝——

“大善住陀羅尼!”

 

宗次郎&紫織の奥義は、両天魔を貫く。

不和之関のリベンジ、ここに成る!!

 

......しかし悪路と母禮の本当の狙いはこの後。

奥義終了後の硬直をつき、宗次郎らを太極へと至らしめた何某か......それとの繋がりを断ち切る。

途中から目の前の勝負とは別のところを見ていた兄妹。結果として、宗次郎たちを求道神から人の身へ戻すことに成功する。

 

この決着。勝ちを譲られたと思い、宗次郎と紫織は憤懣。2人とも根っからの武人なため、この終わり方に納得できない。

 

しかし——勝ったのは自分たちの方だと、誇り高く悪路は告げる。

悪「これ以上、波旬の跳梁は許さない」

母「だからあなた達、ただの木偶(やくしゃ)じゃないというのなら」

悪「今度は自力で、己の意志で、自ら太極に届いてみせろ」

母「そして、その先を自分の目で確かめたなら」

 

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戒「どうか波旬を、君らの手で討ってほしい」

螢「それが主役というものでしょう」

 

かつて主役だった彼ら。

次代に確かな希望を見出し、未来を託す選択を。

第四天の頃からずっと奪われ続けてきた櫻井兄妹、ベアトリス。

そんな彼らも、ようやく眠りにつく。

 

なにはともあれ強大な敵を撃破せしめた宗次郎&紫織。

勝利の余韻と託された名状しがたい何かが胸に、次の益荒男とバトンタッチ。

 

 

 

人物雑感

悪路

元屑兄さん。

Dies本編で出番がなかった分、こっちで大暴れ。

冷酷な敵役を演じるも、元々の人の良さが滲みでちゃって。特に宗次郎戦の後半は完全に善の人。

旅立つ際の優しい声音は、おそらく多くの女性ユーザーを悶死せしめたことだろう。

 

母禮

アホタルと忠犬ベア公がフュージョンした姿。

中身は正田卿が言う通り、色々クセの強い螢がメインに。

さらに残念なのが、ベアトリスの洗練された諸々の腕が、螢のせいで下方修正されているということ。

最初に相対したのがよりにもよって夜行だったり......。なんか踏んだり蹴ったりだったな。

 

 

 

蝦夷決戦・中堅→「神咒神威神楽 曙之光」霜月・無間蝦夷 感想・参 - ゆらりゆらりとゆらゆらと

 

出典元:www.light.gr.jp