“我らの楽園は渡さない”
“お前達を黄昏には立たせはしない”
ようやく始まる東征。
主人公たちの快進撃の章なのだが、Diesユーザーは血反吐を吐く思いをしなければならない......。
開幕、モノローグは10人の花たちを見守る者。
手を握られた彼は、再び花たちを失うわけにはいかない。
悲痛な覚悟で、西より来る侵略者共を待つ。
そんな西のメンバー。
荒れ狂う海をどんぶらこどんぶらこと突き進む。
30数隻の船と、1万人の人員。
後からさらに20倍の数も続いてくる模様。
ほんと「国家の一大プロジェクト」って感じ。
そしてこの第一陣は、いわば鉄砲玉。
穢土への航海ルートを確保することが命題だが、全滅の可能性は大いにあり。
そんな賭けにも似た一軍に、総大将の竜胆が自ら立候補して乗船してるんだから笑っちゃうよ。
船団の航路を指示する重大な役目を果たしているのは咲耶。
身体にえらい封印術を施されているのに「ちょい窮屈」ですませちゃう。しゅごい......。
そんでもって進むルートは正確無比。
世間話しながらも、航海に支障をきたさない。
そして、そんな世間話相手の龍明がめちゃくちゃ頼もしい。
かつて蓮たちをこれでもかってくらい苦しめた強敵が、今や主人公たちを導く良き先達として引っ張ってくれるなんて。
その強さ・人となりを知っているからこそ安心感がハンパじゃない。
キャラクターをただのヒールで終わらせない、正田卿の筆の素晴らしさよ。
世間話の内容は「竜胆ってやばくね?」っていうもの。
盛り上がりがピークに達してきたところで、視線の先に一筋の光明。
300年ぶりの淡海の踏破に、咲耶が安堵したところで——。
怨嗟の念を撒き散らし、手長足長が襲来。
奏でる哀絶の歌は「Tannenbaum」。
戦艦を一握りできるほどの巨大な手、数里にも及ぶ大渦が東征軍を襲う。
御前試合とは何もかもスケールが違いすぎる......。
龍「こんなものは序の口だぞ。玄関口の番犬程度、多少気の利いてる雑兵にすぎん」
「少なくとも天魔と号される者どもは、これくらいのこと小指の先でやってのける」
眼前の脅威を前に、航海で暇を持て余していた益荒男たちに、ようやく出番が。
龍「出て来い小童ども——戦の時間だッ!」
「御門家当主、龍明が総司令の名において貴様らに命ずる!この小賢しい蜘蛛ども総て、一匹残らず殲滅せしめろ!」
「勝利を我らが御大将のため——」
「この地を凱歌で染め上げるがいいッ!」
しょ、少佐ぁぁぁーーー!!!(`・ω・´)ゞ
気合いが入りまくる大号令に呼応して、剣バカ・拳バカ・妹バカが出陣。
しかし普段ノリのいい覇吐は動かず。
テンションに身を任せることなく、総大将である竜胆の下知を待つ。
プレイしていくと分かるんだが、覇吐はわりとしっかり者なんだよな。
そしてその竜胆。
敵が持つ憤怒、憎悪——仲間を想うその強い気持ちに敬服。
そりゃあ穢土側からすりゃ「オレすげー、私サイコー」とかのたまってくる奴らが正義を謳いながら殺しにきてるんだから、全力で結束しますわ。
ええ、もう完全に穢土の方に感情移入しちゃってますよ自分。
改めて竜胆が陣頭指揮。
船の防衛を龍明・咲耶・刑士郎に任せ、攻めは宗次郎・紫織が担当。
覇吐はパシリ伝令役。主人公なのに......。
竜胆から宗次郎たち攻撃側への指示は単純明快。
「船団を一か所にまとめるから、後なんとかしろや(^◇^)」
他 力 本 願。
しかしこの世界でそれができるのは竜胆のみ。
覇吐のみならず宗次郎や紫織も、徐々に竜胆の価値観に興味を示していく。
戦況を、あいかわらず“上”から覗き見している夜行。
竜胆たちの様子を見てちょっとだけヤル気になったか、爾子と丁禮を向かわせる。
夜「花か......ならば散るのが定めであろうよ。しょせん、現世に咲くべきではない徒花だ」
「葬送曲は必要かな、いと儚き者どもよ」
......なにその悪役のセリフ。
ということで、二童子参戦!
この構図......明らかに“Zundapp”に乗ったシュライバーを意識していてニヤっとしてしまう。ファンサービスが熱いぜG氏。
手長足長の動きを封じるべく、丁禮たちは超加速。
基があの“白騎士”なのだから、「桁はずれ」とこぼしてしまう覇吐の感想も当然。
なおも悲痛に「Tannenbaum」を奏でる花たち、それに対し
丁「黙れッ!」
爾「うるさいですの!」
丁「不快な歌だ、聞くに堪えん」
爾「おまえらなんか知らないし——」
丁「私たちは私たちでしかないッ!」
「我らの主は摩多羅夜行だ——他のことは諸々総て、那由多の果てに忘却した轍でしかないッ!」
爾「それだけ分かっていれば問題ないし——」
丁「我らは抱きしめてもらえればそれでいいんだッ!」
爾「我らは抱きしめてもらえればそれでいいんだッ!」
二童子の疾走により、それこそ一輪の花のように束ねられた愛し児たち。
龍「さらばだ。夢はもうよかろう」
「いずれ総ての霧は晴れる。新世界で逢おう」
寂しげな龍明のセリフが切ない......。
紫織の“陀羅尼孔雀王”、宗次郎の“首飛ばしの颶風・蠅声”でゲームセット。
東征軍初の化外討伐。
益荒男たちを筆頭に、湧き立つ船団。
——しかし、二童子だけは続く脅威を察知して......。
現れた、山をも越える巨大な天魔。
“親愛なる白鳥よ”
“この角笛とこの剣と この指輪を彼に与えたまえ”
“この角笛は危険に際して救いをもたらし”
“この剣は恐怖の修羅場で勝利を与える物なれど”
“この指輪はかつておまえを恥辱と苦しみから救い出した”
“この私のことをゴットフリートが偲ぶよすがとなればいい”
“抜かせえッ!”
“私は二度と、私の愛を失わない”
“私は負けぬ。私は死ねぬ。私は永遠に歩き続けるのだ——止まりなどしない”
“永劫償い続けるのだ。あなたのような都合のよい安息(おわり)など要らない”
“Briah——”
“神世界へ——翔けよ黄金化する白鳥の騎士”
Vanaheimr——Goldene Schwan Lohengrin
神父様......泣かないで(´;ω;`)。
存在理由たる愛し児たちを喪い、怒れる神父が迫る。
龍「馬鹿が、毎度よろしく逃げていればよいものを......」
「本当に救えぬ愚か者だよ。こんなときだけ格好つけて、いったいどうするというんだ、貴様は」
下種だ屑だと罵っていたのも昔の話。
共に生き残った修羅の同胞。龍明の心中を察するばかりである
龍明に呼ばれる形で、ついに夜行本人が参戦。
丁禮たちを遣わせた段階で、すでに術の準備を進めていたという周到ぶり。
見下ろす顔が完全に悪役で笑えない。
“ここに天地位を定む”
“八卦相錯って往を推し、来を知る者は神と成る”
“天地陰陽、神に非ずんば知ること無し”
“計都・天墜”
隕石落とし。
たった一撃で勝敗を決してしまう。
見る影もないほど弱体化していたとはいえ、仮にも夜刀の法に包まれた天魔。
それを討伐してしまうあたり、御前試合にコイツが出てこなかったのは正解といわざるをえない。
実際問題、ここに夜行がいなければ龍明の“激痛の剣”解放案件になり、そうなると不和之関で詰むことになるので、マジで夜行様々である。
断末魔すらなく散っていったトリファ。
新世界を待っていてくれと願うばかりである。
文字通り波乱だった淡海を乗り越えて、ついに一同穢土に到着。
待ち受けていた光景は、豊穣の季節・秋、神無月。
竜「世界の総てが、黄昏のようだ」
覇「終わらない逢魔ヶ刻......か」
二人が抱いた印象は、かつて蓮があの浜辺で抱いたものと同じもので......。
穢土の深奥。
トリファ達を喪い、泣き叫ぶ世界の主。
波旬に最愛の人を奪われ、今度はその細胞に仲間を奪われた。
殺す、絶対殺すと殺意一色。
夜「滅尽滅相——誓うぞ、誰も生かして帰さない」
人物雑感
手長足長
東征軍が最初に接敵した化外。
覇吐らがいなければコイツで詰んでた。東マジ魔境。
正体は、トリファが営んでいた孤児院の子供たち。
自分たちの楽園を守るために戦ったというに、よりにもよって丁禮たちに引導を渡されることになるとは......。そら神父キレるわ。
海坊主
夜都賀波岐レギュラーに入れなかった天魔。
おなじみトリファ神父の成れの果て。
セリフはないわ、瞬殺されるわで非常に扱いが悪い。まぁ前作で暴れすぎたからね。
ようやく話が本筋である東征に入った第4章目。
神咒だけやってる人は夜行の規格外ぶりにビビり、Diesからやってる爪牙は旧キャラの退場に絶望するという容赦ない2段構えの構成。
......っていうかこの先もDiesユーザーは徹底的に血涙を流すことになるので、覚悟しなければならない。
なんでただゲームするだけなのに覚悟しなきゃいけねえんだ正田ぁ!!!
卯月・不和之関→ 「神咒神威神楽 曙之光」卯月・不和之関 感想・上 - ゆらりゆらりとゆらゆらと