ゆらりゆらりとゆらゆらと

あたまの悪い男が、起こったことを忘れないためのボケ防止日記

「Dies irae ~Amantes amentes~」ChapterⅪ 感想

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“俺の——勝ちだァァァァァアアアアアァァァッッ!!”

 

 

ヴィルヘルムの章。

まさか1章まるまる主役を与えられるなんて……愛されてるなおい。

裏で暗躍する水銀にも注目。

 

 

スワスチカを開放し、トリファ達とは違い正規の手続きで城に上がったヴィルヘルム。

ラインハルトに謁見するも、ワルシャワの時より黄金錬成の真実を察していたため、リザやルサルカのような動揺はナシ。

戦奴の資格を得たものの、彼にはやり残したことが一つ。

“因縁の清算

それを以て宿業を超えんと、黄金に言上。

ヴ「アレに打ち勝ったなら、白騎士(アルベド)の席を俺に与える......ってのはどうですか?」

 「——シュライバーを斃せば、俺は満足できるかもしれないんですよ」

そもそも黎明の日に邪魔したのはオマエだろ文句言わせねえぞ、と言外に匂わすヴィル。いいねぇ~。

 

主の許可を得て、残る2人の騎士からも激励の言葉をもらう。

エ「勇戦を期待するよ、ベイ」

マ「ベイ——本懐を果たせ。おまえが始まりを開くがいい」

おいおいどいつもこいつもベイへの期待値が高すぎやしないか...。コイツにおまえらほどの強さはないぞ。

 

 

蓮は自分の部屋で玲愛とイチャイチャ。

城が上空に浮かんでる中で、「そんなことしてる場合か」と思わなくもないが、しゃーない。ここで濡れ場消化しとかないと。

「藤井君は結婚詐欺師」とシリアスな雰囲気の中でもしっかりユーザーを笑わせてくれる先輩はさすが(笑)。

リザに言われたことを振り返る玲愛。

“蓮と玲愛の関係は、黄金と水銀に引きずられているものでは”

不安に思う彼女を、しかしはっきりとした口調で一蹴する蓮。これぞ主人公。

 

 

場面は変わり、なんと死んだと思われていた司狼の視点に。╭( ・ㅂ・)و ̑̑

ベイの胃袋の中、天の声(水銀)により吸血鬼の過去&聖遺物の特性を理解する。

......というかベイの腹の中にいる司狼に直接干渉できる水銀の異常っぷりよ。

司狼&エリーとしては内側から聖遺物を乗っ取る算段だったが、“闇の賜物”ことヘルガ姉さんがベイにベッタリなため、作戦は喰われた時点で破綻。 

 

しかしもはやそんなことはどうでもよく、それよりこのねちっこくウザったい天の声にこそ敵愾心がMAXな司狼。よくわかるぞ。

……が、その感情こそ“司狼が何者なのか”を表していると水銀。

その正体、既知を愛する宿主の対極に位置する存在。癌細胞。

蓮の“自滅因子”。

鬱陶しい講釈を垂れつつ、司狼に訴えかける腐れ神。

メ「役目を果たせよ自滅因子(アポトーシス)。再び主演を引きずりだすがいい」

この先のアドバイスを残し、超絶おせっかい焼きの影法師は退散。

ここで面白かったのは、司狼はメルが死ぬほど嫌いだけど(まぁDiesキャラ大体みんなそうなんだが)、メルは司狼に好意的な印象を持っていたということ。

確かにデジャヴを踏破するために常にいろんなチャレンジをする司狼の姿勢は、もろもろ諦め部屋に引きこもっているニートからすれば、眩しかっただろうなと容易に想像できる。

 

と、そんなこんなな内にいっしょに取り込まれた香純とエリーと合流。

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この状況でもいつもの雰囲気をだせるこのトリオはやっぱり最強だ。

というわけで、脱出すべく薔薇の迷宮を突き進むことになった遊佐探検隊。

Googleマップもない中で、道しるべになるのは水銀からも太鼓判を押されている司狼の“勘”。

というか司狼がいなきゃ詰んでる。

道中ショタヘルムの素敵な過去イベントも堪能しつつ、一行は最深部へ。

 

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ついに本編でも出ました最凶のヤンデレ・ヘルガ母(姉)さん。

その頭のぶっ飛び方は、息子さんが常識人に思えるほど。

流れる「Cathedrale」が不気味な風景と驚くほどマッチしている。

もうぶっちゃけめちゃくちゃ怖い。

 

そんな異常な雰囲気をだしてる彼女へ「僕、ベイ君のお友達です(ニッコリ」と、自己紹介から飛ばしていく司狼。

「え~あの子のお友達ぃ~あらやだどうしましょ、冷蔵庫にケーキあったかしら?」といった具合で快く歓迎するヘルガママ。

以上、やりとり意訳。

う~ん素敵だね。これがベイの腹の中でなかったらな!!!

その、他の追随を許さない病みっぷりは、司狼ですらベイに哀れみを覚えるほど。

 

 

そんな自分の腹の中で“シリアスな笑い”が行われていることなどつゆ知らず、ベイは決戦の地へ。

場所はタワー。

「幼いハンス」を歌っているアンナちゃんがそこに。

思い起こされる黎明の出会い。

ベイは焼き直し、シュライバーも応える。

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ヴ「目障りなんだよ、てめえ。俺と似たような髪の色しやがってパチモン野郎」

シ「......いいな。いいよお兄さん。ノれる感じだ、名前が知りたい」

そのままお互い譲れぬもののために、あの日には持っていなかった栄光を高らかと名乗り上げる。

黒円卓の四位と十二位。

シ「総てにおいて、誰より早く、何よりもハイドリヒ卿に忠誠を誓った、あの人の白騎士(アルベド)」

 「一番最初の、獣の牙だァ!」

ヴ「ハッ、夢見てんじゃねえぞ、そりゃ俺のことなんだよォォオオーーー!」

幕を上げる“白騎士”を懸けた戦い。

しかし一丁前に啖呵を吐いたものの、シュライバーの速さに成す術もないベイ。

音速を4桁超えるというワケのわからんスピードに加え、空間を揺るがすほどの咆哮が薔薇の杭を捻じ伏せる。

“活動する聖遺物”と評されるアンナverの創造。

描写をみてると、“激痛の剣”を抜いたエレオノーレにも本当に勝てそうだ。

宴会芸にしかみえないベイの技じゃ、やはり勝てないのか...(絶望)。

 

外で繰り広げられる衝撃は、当然中にも。

乱入の好機とみた司狼は、事態に無頓着なヘルガママにそっと近づき、その世界を揺るがしかねないトンデモない一言をぶっぱする!

 

 

司「お宅のお子さん、イジメられてるよ——

 

 

その効果は、シュライバー劇場と化していた戦闘に大きな変化を。

ヴィルヘルムが発動した“死森の薔薇騎士”が過去最高潮の力を発揮。

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14歳神に愛され、ヘルガママにも愛され、さまざまな補正がかかったベイ。ここからが本番。

 

ヘルガママ、絶賛狂乱。

ヘ「なんで......ねえなんで、どうしてなの?あんないい子をどうしてイジメる奴がいるの?」

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ヘ「優しい子なのよ。愛しい子なのよ。悪いことなんてできない、大切な家族なににどうしてどうしてどうしてっ!」

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ここに至り、ベイも腹の中に司狼らがいることを知覚。

その生存に歓喜しながらも、まずは目の前で夜に吸われている凶獣をロックオン。

音速だろうが光速だろうが捉えられる、空間に展開する覇道型創造のメリットがモロに刺さってるな。

オマケにシュライバーと同等のスピードも獲得する。

あとは地力の差。しかしこれがまぁでかい。

人類史上最も大勢を殺したシュライバーの持つ魂量は、文字通りケタ違い。

加えシュライバーの創造は相手の速度が上がるほど真価を発揮するものなので、ベイの優位にはならず。

絶体絶命の状況に、司狼が動く。

 

ついにベイの吸生がおいつかなくなる。

四肢をもがれ、空中に晒される。

アンナ、狙い過たずベイの首元へ——。

 

 

司「捕まえたぜ、このケダモノ野郎」

ヴ「捕まえたぜ、このケダモノ野郎」

 

 

司狼より感染した“既知感”。

それにより、ベイはシュライバーの動線を察知。

狙い通りに来たシュライバーに、司狼の銃口がガッチリハマる。

ヴ「あばよ、くたばっちまえ(アウフ・ヴィーターゼン)......ああ、最高だ、てめえにずっと言ってやりたかった」

必殺の一射が放たれ、シュライバーは彼方へ吹き飛ぶ。

ここに自らの宿業を乗り越えたヴィルヘルム。

絶頂の歓びに浸りながら、その生涯は幕を閉じる。

 

ベイの亡骸から、“闇の賜物”を奪い取った司狼が無事復っ活。

そこに頭ごと吹っ飛んだはずのシュライバーが何事もなかったかのように舞い降りる。やべえなこいつ。

両者臨戦態勢に入るも、飼い主たる黄金の命により、白ワンコは家へGo,home。

 

黄金との対峙。

お互い自滅因子同士とはいったい何の因果か。

「ベイの力を得た=黄金の戦奴入り」という図式が確定している司狼。

スワスチカはまだ一つ開いていない。

自然とやるべきことが限定されていくのが腹立たしい。

ラ「さあ、己が役目を果たすがいい」

司狼の出した答えに、全俺が涙した——。

 

 

キャラ雑感

ヴィルヘルム

よくよく考えたら司狼頼みの幕引きだわ、シュライバーを殺りきれてないわ、本当に勝利したと言ってよいのか甚だ疑問符な決着。

けどまぁ黄金閣下が「敗者はいません(威圧)!」というのだから納得しなければ...。

少なくとも勝負は最後までできたのだから、メルの呪いを破ったことには間違いない。

蓮とのガチ対決がなされなかったことだけが名残惜しい。

 

ヘルガ

全編通してわずか1章だけの登場。

にもかかわらずその強烈な印象は作中でもトップクラス。

というかコイツは1章だけで十分だ。いろんな意味でうるさすぎる

続編では幾分かマイルドになって登場するも、その内包している不穏さはやはり胃がいたくなる......。

 

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出典元:www.light.gr.jp