「Dies irae ~Amantes amentes~」ChapterⅦ 感想
“世界(うみ)の中でずっと一人、溶けない石ころであったわたしは、今この時から変わっていくのか”
走れ~ 黄金の~ 帝国歌劇団♪
唸れ~ 水銀の~ 帝国歌劇団♪
というわけで前半パートは黄金主催のステキな楽団に招待されるマリィ。
そして後半パートは主人公とラスボスの1対1の面談。
試される蓮の胃腸!!
気づけばマリィはラインハルトと城の大ホールに。
二人を囲むは爪牙のオーケストラ隊のみなさま。
もちろん大隊長も参加。
エレオノーレはチェロ。
シュライバーはフルート。
マキナは指揮者。
ドラマCDによると、城にあがった人間は楽団に強制参加かつ、下手なやつは髑髏にランクダウンという鬼のようなシステム。
さらに本番で失敗した場合は髑髏どころか「楽器」そのものに成り果てる、鬼畜を越えた所業。
......考案したのぜったい水銀だろ。
そんな文字通り地獄の楽団の中心で、ラインハルトとマリィはダンス。
メルクリウスを引き合いに話を進める。
ラ「彼は私を何と言っていたね、マルグリット」
マ「地獄......」
ラ「なるほど。変わらんな、あの男も」
世界を自分色に染め上げることができる黄金。
怒りの日を迎えるため、マリィにも同じようになってほしいと願う。
マリィはそんな黄金を忌避。
ラ「ならば共に天を戴かず——祝おう、ここに宣戦は布告された」
一方もう一人の首領は息子に、自分がどれだけマリィを愛しているか熱く語っていた!!
多弁で胡乱で常に回りくどい言い方が主義のメルクリウス。
だがそんな彼も初恋の相手に初めて話しかけるときは、かなり緊張していた模様。
メ「あなたに恋をした」
「あなたに跪かせていただきたい、花よ」
メルクリウスの代名詞とも呼べるこのセリフ。確かに彼にしてはストレートだ。
しかも緊張のあまり、この瞬間が未知か既知かもわからないくらいテンパっていたらしい。
お、おかしい...俺たちが知ってる水銀じゃない。
しかしそんな不安も一瞬。続く会話からは普段どおりのウザさとキモさを発揮。
マ「あなたは、誰?」
メ「あなたの奴隷だよ。マルグリット・ブルイユ」
「あなたの所有物であり、あなたの力であり、あなたの分身としてあなたを救い、あなたのお陰で幸せを得るあなたの傀儡だ。私はそのために生まれた」
さすがだ。最高にキモい。
そんな父親の黒歴史を見せられた後、目を覚ます蓮。
場所は教会地下の牢屋。
ギロチンを壊されたこと、神父の怪しさに気づけなかったことなど、もろもろの悔しさに打ちのめされていると、牢屋に来訪者。
訪れたのは玲愛先輩。
ただ蓮は絶賛疑心暗鬼中なので、玲愛をモロに警戒。
露骨なまでの敵視に胸を痛める玲愛。
蓮はけっこう非情なところあるからな。
なんか玲愛をイジメてるように見えてけっこうキツいんよこのシーン。
玲愛は玲愛で知っていることを全部話すべきなんだが、そういった大事なことをまとめてすっ飛ばして爆弾発言。
玲「藤井君......単刀直入に言うね」
「私を、抱いてほしいの」
玲「難しく考えないで。今は、その為だけの女だと、思ってくれて構わないから」
せ、先輩が都合のいい女になってしまった。
初見じゃ意味不明だが、玲愛の狙いとしては処女喪失することでゾーネンキントとしての資格を失くすこと(だった気がする。違ったらすいません)。
水銀の術がその程度で破られるなんてことは当然ないのだが、玲愛としては精一杯の抵抗だったか。
「Amantes amentes」では行為どころか、蓮のパンツを脱がすことすら無し。蓮の貞操は固い。
責められてる蓮が見たい人は「Acta est Fabula」を買おう!
頭を冷やして二人は会話を再開。
玲愛の一番の懸念は、蓮とめぐり逢ったことが偶然なのか仕組まれたものなのか。
元々厭世的だった性格が、蓮たちと出会えたことで変わっていった。
いつしか彼女の願いは“時間が止まればいい”と蓮と同じものに。
それらの心情を吐露し、去り際、
玲「勝ってね、藤井君。負けないで」
「もう、それしかないよ」
この言葉に秘めた想いはどれほどのものだったろう。
一人牢を出ると近所のババアみたいに盗み聞きしてた団員たちの視線。
中でも偽善的な母(リザ)、自己陶酔大好きな父(トリファ)に、玲愛の怒りがこみ上がる。
「お母さんと仲良くしなさい」「うるさいバカ、話しかけるな!」と会話自体は反抗期の娘とそれを諫めるお父さんといった感じ。
玲愛と入れ替わるように牢に入ってきたのはMr.中間管理職のトリファ神父。
蓮の枷を外し、追従を促す。
ト「ハイドリヒ卿がお待ちです」
世界一恐ろしい面談が始まる。
面接会場は黒円卓の間。
トリファから「あなたの安全をお祈りします」と始まる前からお祈りメールをいただく。
マニュアル通りのやりとりじゃあ、この面接切り抜けられないぞ蓮...!
円卓の中で座る席を決めかねていると、「ハガル」と言いつつ突如現れる面接官ラインハルト。
こんな登場の仕方、どこのマナーブックにも載ってないぞおい。
現れて早々「はよ座れ」と促され、蓮は自然とマキナの席へ。
いよいよ始まる地獄の面談。
呑まれちゃダメだ呑まれちゃダメだと、蓮からの逆質問でスタート。
Q.なんでギロチン砕かれてるのに生きてるんですか?
A.砕いてないから。中身抜き取っただけ。
Q.なんでそんなことしたんですか?
A.あなたと1対1でお話ししたかったからです。
いいぞ蓮。わりと好感触だ。
続いては黄金から質問。
Q.既知感どう?
A.え?いや...どうって言われても。
Q.前にも同じやりとりしたよね?
A.そう...でしたかね。ハハハ...(こいつ頭やべえ)。
Q.覚えてないの?
A.(そもそも会ったのが初めてだっつーの)あっ、もう大丈夫っす。なんかすいませんでした。それじゃ失礼しm
Q.本気を出したい、未知が欲しい、この街も人もみんな生贄。
さあ——どうする?
A.ぶっ殺す、マリィを返せ。
面談は終了。蓮の不退転の覚悟に黄金も満足。
マリィを解放し、爆風とともに去っていく。
あらためて、こんな面接官は嫌だ。
無事蓮の下に帰ってきた我らが女神。
しかし、魂に蓮の心が流入したことで、浮世離れした性格から歳相応の女の子に!
マ「レン、近いよ」
「なにしようとしてたの?」
「じろじろ見ないで。恥ずかしい」
部屋の外で面談の様子を聞いていたトリファ神父。
マリィの変化に気付き、マリィもまたトリファの正体を見抜く。
マ「あなた誰?おかしい」
ト「はい、お嬢さん。トリファといいますが」
マ「トリファ、身体はどこ?」
ト「それはですね、お嬢さん。これは内緒のお話ですが、本当の私はお城に囚われているのですよ。ですから勇敢なお姫様なり王子様なり、哀れな私を助けに来てくださると嬉しいのですが......」
「なんでしたらあなた方が、その役を買って出ていただけるのですか?」
マ「ええ、そうね。今からでもいいけど」
......やだ、超かっこいい///
蓮はマリィを連れ帰路へ。
中間管理職のトリファもようやく肩の荷が下りたんじゃなかろうか。
現世組の団員たちへ、スワスチカを五つ目まで開くよう指示。
ト「虐殺よりも戦争を、汝らに幸いあれ」
「ジークハイル」
「「ジークハイル・ヴィクトーリア」」
マリィの成長物語がいよいよ幕を上げた第7章。
蓮の影響をモロに受けているため、若干ヤンキー気質な面がでているが、それもまたよし!!!
主役の蓮も地獄の面接を乗り越え、鋼のメンタルを手に入れた......と思う!きっと!
ChapterⅧ Nachtzehrer→「Dies irae ~Amantes amentes~」ChapterⅧ 感想 - ゆらりゆらりとゆらゆらと