小説「リターン」感想
孝子の扱いもうちょっと何とかならんかったんか...。
story:警視庁コールドケース捜査班に籍を置く尚美と孝子。ある日高尾山で遺体が発見される。殺害された被害者はかつて、尚美の恩師である菅原が関わっていた人物だった――。
キング・オブ・ストーカー、リカちゃんがある意味主役のこのシリーズ第2弾。
前回のエピローグ後の本間が可哀そうすぎて......な。
そんなついつい恋人の手足・顔面をバラして「わたしたちラブラブなのウフフ」というバラ色脳なリカを追うのは、コールドケース班の女性コンビ。
ぶっちゃけ良い点より「んん...これは?」な点のほうが気になってしまったので、前作読んで好きになった人でも意見がわかれそう。
下のほうでネタバレ感想
ここがよかったよリターン
・リカが相変わらずクレイジー
まあこのシリーズの最大のポイントでもありますわね。
本開いて一番最初に死んでるのが前作の主人公。それもかなり狂気的な生活を送っていたとあって、「さすがリカだぜ...」と顔をひきつらせずにはいられなかった。
欲を言えばもっと出番がほしかった。結局登場したの最後のほうだけなんだよね...。あれ?もう悪いポイントいっちゃってるよ。
・主人公尚美のラスト
ストーリー佳境で師である菅原に恋心を抱いていたことが発覚したときは、「なに考えてんだ作者コラァ!なんでもかんでも恋愛脳にしやがって気色わるいんじゃボケがぁ!」なんて思っていたら、オチのための伏線だったんですね...謹んでお詫び申し上げます。
五十嵐先生申し訳ありませんでしたm(_ _)m。
っていうのも読んでいて「これ尚美が実はリカだったら面白いなぁ」なんて頭の中で考えていたので、多少違いはあれどあのオチになったのはとてもよかったです楽しめました。
...でもだったらだったでもうちょっと伏線があってもよかったんじゃないですかね?いくらなんでも、ちょっとラストの変りようは突然すぎる。
あれ?またなんか愚痴言っちゃってる!
ここがイマイチだったよリターン
・孝子
要るコイツ?銃撃つしか能がなくね?
いや「恋人の復讐したい」っていう理由で独自調査するのはぜんぜんいいんですよ。
そのほうが緊迫感増すしね。
ただそのあとの捜査パートの体たらくぶりよ。
ぜんぶ尚美にまかせっきりにするとは。
途中から完全に「どうして?それで?どうする?」星人だったじゃないか。
仮にも捜査班の一員なんだから、自分の頭もつかってくれよ...。
そんなんで「殺してやる」なんて強い言葉を使うなよ、バカにみえるぞ。
・そもそも警察が無能
十年間リカの居場所を特定できなかったり、高尾山で本間を遺棄したあとの動向を掴めなかったり、どうにも警察の捜査力が無能に描かれているのが釈然としない。
そもそも「見いつけた」のシーンだって、電車内で異臭放ってる奴(というかリカみたいな不審者)は目立つだろ。なんで気付いたの尚美だけなんだよ。
警察の捜査網をかいくぐる「リカすげーー」より「警察アホすぎ...」が勝ってしまった。
べつに警察が好きとかではないんだけど、理不尽に警察が無能に描かれるのは納得いかない。
・リカの異常なタフネスぶり
けっきょくコレ説明なかったな。
前作のラストで、本間から殺す勢いのゴルフクラブフルスイングを喰らっても動けたこと、拳銃の銃弾を2発喰らっても凶行に及べたこと。
なんでもいいから理由づけがほしかった...。
いやリカが幽霊とか呪いの類だったら全然いいんですよ、理由なんていらないし。なんだったらそっちに振り切ってくれてもよかったかも。
というかまさかぜんぶ麻酔のおかげとかじゃないだろうな...。
そうなったら全国のストーカーのマストアイテムに「麻酔」がはいってるくるぞ。被害に遭いそうな方は気をつけて!対策として拳銃を購入するんだ!!2発じゃダメだぞ!!!
ということでブログ主には「リターン」はハマリませんでした。
ただ前作でリカの狂気ぶりが気に入ってた人は楽しめるはず。
愛する本間たかおとの結婚生活はマジで狂ってるし。
このシリーズ続きがある、っていうか前日譚か。
シリアルキラーが生まれた理由ってだいたい似たようなものばかりだから、あまり興味がわかないんだよなぁ。どうしよう。
...というか何?ドラマの「リカ」って高岡早紀なの?
あんな美人が臭い息はいて、あいしてるわぁなんて口にすんのか。
なんか興奮してきた。そんな小説。