「Dies irae ~Amantes amentes~」ChapterⅣ 感想
“私の宴はお気に召していただけましたか、ツァラトゥストラ”
タイトルは「ODESSA」
思い浮かんだのがマ・クベ司令と、ハガレンの「メリッサ」なあたりブログ主はもうダメかもしれない。
場所は教会地下、黒円卓の間。
現世組が大集合。
こういう「悪の幹部たちの会合」っていうものは男子であれば心おどるよね。
しかし円卓の空席の中でも”自らの居場所に何の感慨も抱いていなかったのか”なんて示唆される十三のひとはあらためて異質。
そんな中新参者である螢に、三騎士がどんなヤツらだったのか説明してくれる優しい先輩たち。
黒円卓はアットホームな職場です(^^)。
ルサルカ、ベイ、トリファがそれぞれ名前を挙げるのだが、その言い方が特徴出ていておもしろい。
ルサルカはシュライバーの名を恍惚に。
ベイはエレオノーレの名をものすっごくダルそうに。
トリファは天敵マキナの名を誇らしげに(特にベルリッヒンゲン!の言い方よ)。
しかしなんでルサルカはシュライバーの名前をあんな艶っぽく言ったのか。この魔女シュライバーのこと転生後にも影響でるくらい苦手だろうに。
そんな三騎士に共通していえることは、ラインハルトに絶対の忠誠を誓っているということ。
マキナはその出生上、嫌々なんだが。
スワスチカが活動を始め、現世組の聖痕が反応。
ベイは即効でスワスチカを開けようと意気込む。
が、首領代行はシステムに異常をきたさないためにも、順序を見極めようと窘める。
傍からみても、トリファが黄金錬成に慎重になっているのは明らか。
ヴ「おとぼけはいらねえ。たるいこと言ってんじゃねえよ。てめえはなんだ?俺らを抑えて何企んでる?」
「手順?法則?ああ、それは確かにあるだろうぜ。だが、俺らの行動がそいつを壊すって確証は?いや、てめえ壊せるとでも思ってるのか?」
メルクリウスを怖れているからこそ、その術に穴はないと言い切るベイ。
マジですごいぞベイ。なんでこんな冷静なのに「アタマおかしい」っていうイメージが離れないんだろうなおまえは...。
そんな落ち着いているベイをトリファも称賛しつつ、頼んでいた調べものが終わればすぐにでも黄金錬成始めるよと、ちらと見た先には.......。
シュ...シュ、シュ、シュ、シュピーネさ~ん!!
ついに本編にも姿をみせた黒円卓の最終兵器!
団員屈指の形成の使い手!
正田卿お墨付き「アタマいい組」の1人!
黄金vs水銀ではそのあまりの実力から描写はなく!
第六天の世界ではその精神力の高さから天狗側に転生し!
波旬による座の残滓技がでた際には、黄金の軍勢にいただろうに竜胆たちからは何のリアクションももらえなかった、あの!
シュピーネさんが降臨なされた!!!
総員、整列!
皆すべからく玉座の下に集うべし!!
“おかしい、奇妙だ”
“この場にいる他の者らは、皆容姿に優れた美男美女ばかりなのに”
...螢てめえ
しかしそんな愚かな螢に協力要請を申し出るできた人間シュピーネさん。
ホンマにシュピーネさんの優しさは五臓六腑に染み渡るで。
香純からギロチンを受け継いで3日が経過。
ときおり訪れる殺人衝動と戦う練炭。
屋上に現れた螢にそのことを指摘されイライラ。
このときなにげにルサルカの実年齢を暴露。ルサルカがロリババアの称号を獲得した瞬間だった。
螢は蓮にエイヴィヒカイトを教授することに。
夜あらためて学校に集合する2人。
蓮「それで、今日はマトモな恰好してるんだな」
螢「ああ、これ。プライベートだしね」
このトーク、ギャグなのかマジなのか。
ここに至りようやく核心の一端に触れる蓮。
螢「あなたはこの街に起きる災害を——聖槍十三騎士団副首領、メルクリウスの再来という大災害を、その身に受けるべく用意された誘雷針。それを指して、私たちはツァラトゥストラと呼んでいる」
「これはゲームよ、藤井君。半世紀以上前に、頭のおかしな魔術師が企画した鬼ごっこ」
この辺の説明けっこうおもしろい、というかわかりやすい。正田卿も我々ユーザーに分かりやすく伝えようと考えてくれたのだろう。
教室に入り、続けて“聖遺物”と“位階”の説明。
このとき、螢はギロチンが博物館に運ばれたのは偶然だったと語っている。このあたりでも、神父が11年前の真実を螢に隠していることが窺えますな。
その後乱暴ながらも”活動”の説明を受け、習得。
人を殺すほど強くなるのがエイヴィヒカイトのルール。
螢「参考までに言っておくとね、ベイやマレウスは大空襲の中でも無傷だったらしいわよ。真っ当な手段で斃そうとするなら、核兵器くらい持ってこないと駄目かもしれない」
蓮「......それが真っ当な手段かよ」
ホントだよ。
当面の目標は”活動”をコントロールし、”形成”を身につけることに。
ある程度の知識を得て、調子にのってイキり出す練炭。
蓮「俺の目の届く範囲で人が死んだら、おまえを殺すぞ」
セリフ自体はかっこいいんだけどなぁ......。
敵からいろいろ教えてもらった挙句、まだ“活動”も覚えたてでそんなこと言ったって......。
愛染隊長のこのセリフってけっこう真理だと思うんですよね。
なんかこのあとも「満足させる」だの「早くテクニシャンになって」だの「あなただけの恋人」だのサムいやりとりを交わしていて、ブログ主の耳が限界をむかえそうになったとき、
聞こえてきたのはあのお方の声でした。
シ「私はシュピーネ。聖槍十三騎士団黒円卓第十位、ロート・シュピーネ。残念ながら本名はすでに捨ててしまった身ですので、その称号しか持ち合わせていませんがね」
はい、かっこいい。いや割とネタ抜きに。
「アウフ・ヴィーダーゼーエン」なんてクセがありすぎて堪んねえぜ。
黄昏の浜辺にて、蓮はマリィとようやく初トーク。
マリィは水銀から「蓮とならおしゃべりしていいよ」と言われているっぽい。
あいつ過保護すぎるだろ。ってかそもそもそんなこと決める権限ないだろ。
マリィからでたカリオストロという名前に反応する蓮。フランス革命期の人物で、首飾り事件の首謀者、稀代の錬金術師。
これも世界史で習ったという。
......ブログ主は日本史専攻だったから知らなくてもセーフだよね?
セーフだよね!?
この浜辺もブルターニュ地方のサン・マロと判明。
朝、香純が部屋へやってくるも、これ以上巻き込みたくないため冷たく突き放す。
いやぁ~こういうのブログ主弱いんですよ。
香純がいいヤツだけになおさら。
胸がぎゅうううううっと締め付けられる。
そんな冷たくしないでやってあげて...お願い。
そして登校中、今度は気軽に声をかけてくる螢の姿が。
「学校が楽しい」と語る彼女に、蓮の怒りゲージがたまるたまる。
蓮はおちょくられてると判断したが、おそらく螢は本音だったよね。中身はふつうに女の子だもんな。
狙いを探るべく、螢へ詰め寄る蓮。
唐突に「大切な人が死んだらどうする」と螢は訊ねる。
蓮は「死人のために何かをすることはない」とバッサリ。
蓮「そういうことを言ってると、死んだ奴のためじゃなくて、死んだ奴のせいにするかもしれないだろ。俺はそんな考え方をしたくない」
「だから自分を含めて、生きてる奴のことしか考えないな」
思い返すと『神咒神威神楽』の蓮はまさにそうだった。
最も大切だったマリィを失っても、復讐のためじゃなく次に生まれてくる者たちのために戦った。それを生き恥だなんて、彼以外誰が思おうか。
この考え方に心の底から共感というのはやはりできないが、これが蓮というキャラの大きな魅力なのだとも思う。
会話にゴールがみえなくなってきたところに、香純が来てうやむやに。
その後、屋上で“活動”の練習をするも上手くいかず。黒円卓全員打倒することを考えると、最初にあたるのは弱い奴がいいと決める。
おいシュピーネさんを想像したやつ、全員蜘蛛の巣で磔の刑な。
放課後、食料を買いに校門をでると待っていたのはやはり香純氏。
健気すぎる。胸が痛いんだってこっちは。
よくわからないまま避けられるの嫌だと、
香「あたしに出来ることはない?空気読んでないのは分かるけど、やっぱりこんなんじゃ寂しいよ」
どうにかしたってくれよ練炭とブログ主が願っていると、苦肉の策として
蓮「俺、櫻井と付き合ってるんだ」
香純失恋してしまう。
ただいつもの調子にもどってくれたので、蓮もブログ主も一安心。
した瞬間。
シュピーネさんついに蓮の前に姿をみせる。蓮は一発で危険人物と判断。
行方を追うも見つからず。
2人は家出した神父の捜索をしてたところ。......「神父が家出」ってなかなかのパワーワードな気がする。
しかし会話はなごやかとはいかず、
玲「あの人と接する時はね、油断しちゃ駄目。私が知ってる中で、たぶん一番タチが悪い」
玲愛はキャラ的に本気で言ってるのかギャグで言ってるのか判別つきづらいんだよなぁ。ここはおそらく本気で言ってると思うんだけど...。
リザからも釘を刺される。
リ「神父様を捜すなら、気をつけてね」
「あの人、夜になると周りに危ないのが寄ってくるから」
「あと、あなた自身もね」
意味深な発言を残して、肝心なことは何もいわないリザの偽善的な性格がうかがえる。タチが悪いのが、リザ自身がそうした部分を自覚しているところ。
少佐、張り手の一発、二発おねがいしゃす。
2人が去ると、なんと探し人・神父がすぐそばに。
神父の声音と、急に流れ出す「Cathedrale」が相まって不穏な空気がすごい。
ト「もしあなたが、テレジアを大事に思っていてくださるのでしたら、私はとても嬉しいですよ。これこそ運命めいてる」
義理のお父さんは早くも蓮との関係を認めてくださっている。
あとはお爺ちゃんとひいお爺ちゃんが問題だ!玲愛ルートで頑張れよ蓮!
この世に偶然なんてないんだぞと、リザに続き神父も意味深な言葉を浴びせてくる。
すると蓮の携帯に着信。
聞こえてきたのは苦しむ香純の声と、反対に元気なシュピーネさんの声。
ぶっ殺宣言、現場に急行する。
場所は公園。
“生きているよな?死んでないよな?まさかこんな序盤の序盤で、ヒロイン死亡とか冗談事じゃないだろう”
やったな香純。おまえここまでの章じゃぶっちぎりでヒロインだぞ!
焦っていた蓮は、あっさりシュピーネさんに捕まる。
“目の前に、人の顔をした蜘蛛がいた”
シ「私はシュピーネ、聖槍十三騎士団黒円卓第十位、ロート・シュピーネ。以後お見知りおきを、親愛なるツァラトゥストラ」
学校でも挨拶し、直接対面したときもきちんと挨拶。さすがはシュピーネさん。ベイと仲がいいわけだ。
未だ活動位階にある蓮では、シュピーネのワイヤーを解けず。
シュピーネさん得意げに
シ「同胞ゆえに試したことはありませんが、これに捕らえられたが最後、聖餐杯猊下といえども脱出できぬ逸品であると自負していますよ」
すごい自信だ。”白鳥の騎士”で貫かれてほしい。
そして無謀にも蓮のそばへ寄り、交渉。
明かされる黒円卓の最終目的。
諏訪原で魂を捧げ、三騎士と双首領を現世に呼び戻す。そうすることで現世組は各々願いをかなえてもらう。
だが弱者代表シュピーネさんからしてみれば、城の連中が復活するのは絶対御免。60年あまり我が世の春を謳歌してきたのに、それを崩されては困る。
ゆえ、手を組み現世組を支配しようと蓮に提案する。
このときのシュピーネさんの恐怖におびえた演技がまた良い。たまらん。
さあ、主人公の返答は
蓮「雑魚野郎、不細工なツラで気持ちの悪いこと言ってんじゃねえ」
「交渉決裂だシュピーネ。香純にちょっかい掛けた時点で、おまえはぶっ殺すって決めてんだよ」
そりゃそうだ。
同盟組むのに人質とるって...。もっといい手浮かぶはずでしょあなたなら。
“魂の自滅衝動”っていう体のいい言い訳もらってよかったなおい。
本格的に形成を発動し蓮を追い詰めるシュピーネさん。
蜘蛛の巣に捕まり蓮、絶体絶命。
しかしふと香純とおぼしき死体をみると、あるはずのホクロがない!!
おっぱいを確認してテンションが上がる蓮。これだけ聞くとただの変態。
その勢いでシュピーネさんにおっぱい論を説きはじめる。
なにこの主人公...。
激昂した(おそらく尻派の)シュピーネさんは蓮を輪切りにしようと。
するとその時不思議なことが起こった!
“時間を止めたいと思っていた。いつもそんなことを考えていた”
“ゆえに俺は、こうやって、時の体感速度を操作することに慣れている”
...慣れている?
誰でもできるみたいに言うな!!
形成位階にいけなかった原因はマリィを巻き込む覚悟ができていなかったから。
マリィと刹那の対話。
“キミを使ってもいいか?”
“戻るために。守るために。俺たちにこんな選択を強制した法則を、断割するための刃をくれ”
マ「愛しい人」
主演を交え、恐怖劇が幕を上げる。
“形成——”
“時よ止まれ——おまえは美しい”
ついに形成位階に到達する主人公。
さあここから同じ土俵、形成同士の熱い戦いの始まりだあぁぁーーー!!
シ「——ひっ、ぎゃ、ぐがぁァッ」
......!!??
シュピーネさんすでに瀕死!繰り返す!シュピーネさん瀕死!!
どうしたシュピーネさん、神父相手でも余裕じゃなかったのか!?
蓮、顔の差によりシュピーネ撃破。
なぜ香純本人ではなく代わりの人物が用意されたのか不明のまま帰路へ。
場所は再び公園。
シ「ぅ——げ、ぐぁ——」
シュピーネさん生存確認!繰り返す!シュピーネさん生存!!
しかしブログ主がほっとしたのもつかの間、現れる聖餐杯猊下。
香純の代役を用意するよう目論んだのは彼。香純が死んじゃうと黄金かすめ取り作戦できないからね。
腰抜けはいらねえと、シュピーネ(もうさん付けするのめんどくさい)にトドメをさし、公園のスワスチカ解放。
同時に黄金閣下から、もっとシャキッとせい!と現世組に聖痕おしおき。
ベイですら痛みに苦しんでいるのに、どこか嬉しそうな神父は最高に変態。
“忘れていた。甘くみていた。己が強くなったと過信していた”
“なんて愚かな思い上がり”
”まだ自分たちごときでは、彼らの足下にも及ばない”
ラ「——卿ら、私を失望させるな」
部屋に帰ると、そこには無事な香純。
抱きしめ心の中で詫びつつ、就寝。第4章終了。
キャラ雑感
シュピーネさん
わずか1章しか出番がないにも関わらず、われわれ爪牙を虜にしたお茶の間のヒーロー。
「役者が良ければ芝居は至高」という言葉に偽りナシ。この章を十分に盛り上げてくださった。
この人の最大の出番は、本編でも前日譚でもなく、マリィアフターだとブログ主は思ってます。
ChapterⅤ Holiday→「Dies irae ~Amantes amentes~」ChapterⅤ 感想 - ゆらりゆらりとゆらゆらと