ゆらりゆらりとゆらゆらと

あたまの悪い男が、起こったことを忘れないためのボケ防止日記

「Dies irae ~Amantes amentes~」ChapterⅡ 感想

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“この日、この時、この瞬間から、俺の日常に亀裂が走った”

 

タイトルは「Xenophobia」。

ググってみるとでてきたワードは「外国人嫌悪」。

ベイの日本人蔑視や、日常を侵す黒円卓に対する蓮の気持ちの表れか。

第2章にしてはやくも団員との直接対決。

ヴィルヘルムのイキりっぷりにご期待!

 

 

メルクリウスによる「既知感」の説明。

ウィキペディアばりに詳しく解説してくれる。

※既知感とは・・・初体験のはずなのに、以前同じことをしたと感じることである。今作品にとっては最重要ワード。

 

メ「すなわち人の一生とは、未知のものを学び、既知のものへ変える作業に他ならない」

そう人生論を語る水銀。

しかし当の本人は、この世に生を与えられた瞬間から世界が既知で満ちているため、そもそも生きていない、ゆえに死ねないと嘆く。

“死を想え”がモットーの黄金閣からしてみればすごく残念な子のような……。

メ「あなたは私が知り得る中で、もっとも悪魔に近い人間だ」

我々ユーザーからすればもっとも悪魔に近いのはおまえだニート

 

 

諏訪原市では殺人事件の被害者が7人に。

毎夜ギロチンちょんぱの夢にうなされている蓮。

もしかしたら自分が殺人犯なのでは?と想像力たくましい。

 

放課後、香純の稽古終わりまで付き合う。

市内で連続殺人が起きてたら、ブログ主はたぶんビビッて布団から出れない。

香「ただ、身体動かしてたほうが楽なのよ。嫌なこと考えなくてすむっていうか」

この“嫌なこと”っていうのは、もしかしたら自分が行っていることに潜在的に気付いていたのかもしれないですね。

 

 

そんな帰路の途中、迷子のトリファと遭遇する2人。

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その笑顔や柔和な口調に、こっちまで騙されそうになるぜ。

ト「いや、もう冗談抜きで泣きそうだったとこなんですよ。私の同僚にも女性はいますが、みんなとても怖い人たちばかりでしてね。やっぱり女性は、優しいのが一番です」

トリファの同僚一覧

リザ・・・優しそうだけど怖い

螢・・・嫌われてて怖い

ルサルカ・・・出会ったときから怖い

ベアトリス(現カイン)・・・めっちゃ恨んでるだろうから怖い

エレオノーレ・・・シンプルに怖い

ほんとだ怖いひとばっかりだ(;゚Д゚)。

しかし……ここでツァラトゥストラ候補とヨハンの子孫候補同時に接触をはかってきた神父はやはりアタマいい組。

 

教会につくと玲愛先輩の洗礼名“テレジア”を明かす神父。

ト「神の贈り物(テレジア)——彼女の誕生は、私を含めた大勢にとって希望そのものでしたから。その感謝をこめて、お贈りした名前なんです」

ここでいう“大勢の希望”とは、ラインハルト流出のための器としての“希望”だから鬼畜すぎる。

ただ、トリファは玲愛を本当に愛していたから、純粋な気持ちを込めてつけたのかも...だったらいいな。

 

話し込んでいると、教会からBカップとFカップが。

いっしょに夕飯をと誘われ、リザから玲愛の誕生日が12月25日だと教えられる蓮。

——そして帰る間際トリファに呼び止められる。

このときの「藤井さん」という一言がとても怖い。

ここまでのコミカルなトリファ神父とは違うんだということが、否が応にも伝わってくる。声が1トーン下がっただけなのに、中の人すげーや。

蓮を心配する口ぶりで、探るような質問をする神父。

両親のことを訊かれた際、「何だ、それは?」と心で漏らす蓮。

神父も異常だが主人公もやばい。......まあ一番やばいのはそんな主人公の親なんだが。

続けて、死んだ人に逢いたいかと訊かれ、

蓮「墓から這い出てくるのは、何であれ怪物(ゾンビ)だよ。親でも友達でも恋人でも......そんな気持ち悪いものには変えられないし、変えちゃいけない。おれはそう思うけど」

だからこそ失わないために頑張ろうという蓮の渇望の一端。

かっこいいけど、あまりのキレイゴトに少し嫌悪感。

理不尽な理由で子や親を亡くした人に同じこと言えんのかね?

ライターである正田卿自身も蓮のこの価値観には賛同できないとツイッターで書かれてたような。まあそういうふうに創ったのはメルクリウスだから全部あいつが悪い。

 

 

帰宅後香純とイチャイチャトークをし、就寝。

だが、いつまでも間女とラブコメさせるかという座の意志が動き出す。

 

“さあ——それでは今宵の恐怖劇を始めよう”

 

気付けば月明りの下。

いつもの夢とは違うことに気付く蓮。

首に走るのは激しい痛み。“捻じり切られる”ほどの痛みとか想像したくない...。

痛みの中で意識が切り替わる。

 

——そうして行われる8人目の殺人。

快楽のままに暴れようとするところで割って入る水銀の声。

“さて獣が来るぞ。退くか進むか選びたまえ”

蓮のゲロまみれの一夜が幕をあげる。

 

最悪のタイミングで意識を戻される蓮。

すぐそばにはバラバラ死体。

はい1ゲロいただきました\(^o^)/。

吐き散らしてるところでついに悪役のご登場。

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一目で人外であることを確信。

“人間じゃなくなるほど人間を殺している”

“人間を喰うことで、人間より上の位置に達している”

地の文章だけで、嫌でも危険な存在だということが察せられる。正田作品の特徴ですな。

 

殺したのはおまえか?と詰め寄ってくる化け物たち。

蹴りを数発かました後、

ヴ「実際、拷問は得意じゃねえんだ。俺が相手してるうちに吐かねえと、おまえあっちの馬鹿女に本格的なの食らわされっぞ」

などとイキりちらすヴィルヘルム。

このセリフかなりクセのある言い方してるので、未プレイの人はぜひプレイして聴いてほしい。

ヴィルヘルムファンにはおそらく悶絶モノ。

 

最悪“頭”さえ残っていれば他はどうなっても構わないと告げるルサルカ。

追い詰められる蓮。

逃れられないが頭を過ぎる。

 

“嫌だ。そんな展開俺は知らない”

“そもそも俺は、こんなところで、まだ死ぬはずじゃないんだから——

 

謎の既知の感覚が巡りめぐる。

——ベイの一撃を躱し、反撃を決意!

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ここでやっと息子のゲロに見かねて口を出してくる父親。

“ここで彼を実験台に、私の秘法(エイヴィヒカイト)を習得するかね”

“退くか進むか——

“私に未知を見せてくれ”

 

立ち上がった蓮に対し、喜色満面で焚き付けてくる侵略者たち。

ル「今夜、ついさっきまで教会にいたんだよね」

 「もし逃げたら——」 

  「あなたの友達、皆殺しにしちゃうからね」

ヴ「俺にここまで譲歩させて、萎えるオチつけやがったらおまえ......」

  「この街、地図から消しちまうぞ」

 

“俺の人生は、退屈な一本道で構わない”

“だから——邪魔なんだよ、おまえ”

“ジャンル違いが、俺の話にのうのうと出てくるんじゃねえ”

 

大切な繰り返しの日常が消されてしまう恐怖に、蓮は奮起する。

ここらへんの熱さはBGM「Deus Vult」も相まって凄まじいものに。まだ物語ぜんぜん序盤なのに、すごすぎるぜ。

しかし仮にここで水銀がDisce libensしてたらどうなっていたのかも気になるところ。

まぁベイが犠牲になって公園のスワスチカが開くことになったのだろうが。

...あれ、そうなるとシュピーネさんはどこで散ることになるんだ?

 

ヴ「聖槍十三騎士団黒円卓第四位、ヴィルヘルム・エーレンブルグ=カズィクル・ベイだ。名乗れよガキ、戦の作法も知らねえか」

蓮「生憎と......知らないな」

 「名前が知りたきゃ吐かしてみろよ、白髪野郎」

ヴ「——面白ぇ!」

 

意外と礼儀に厳しいベイ。対して煽っていくスタイルの蓮。

この一見無礼な返しにこそ、機嫌がよくなるヴィルヘルムはほんまヤンキー。

ルートヴィヒもこういう返しをすればヴィルヘルムに嫌われることもなかった......いや、あいつの水銀由来の煽りスキルを考えるとやっぱ嫌われるわ!

 

蓮は彼我の戦力差を考慮しつつ、冷静に勝機をさぐる。

関節固め、金的といった急所攻めを試みるも効果なし。

片手のみに関わらず、圧倒的な暴力を見せつけるベイ。

ここで2ゲロ目\(^o^)/。

 

蓮は両腕、片足、アバラ、内臓をやられ満身創痍。

だが司狼との屋上バトルの経験から、まだやれると判断。蓮の心は折れない。

ある種既知感ブーストか。

そして最後の手段に打って出るのだが......これがまたすごい。

ベイに街路樹を砕かせる→空中に舞う破片の中から尖ってるモノを見つける→回転蹴りでベイの首元を狙う

......なんか流出よりすごいことをやってる気がする。

しかし、そんな神業も残念ながら人外には通じず。本当に打つ手ナシに。

 

……だが未だ目が死んでない蓮。

死を待つ者の瞳になっていないことに、ヴィルヘルムはある悪寒を覚える。

それはまるで、

 

“自分がここで——死ぬ運命じゃないという確信を”

 

突然大哄笑するベイ。喜び……次いで激昂。

ヴ「ここでこのガキぶち殺せば、俺ぁてめえより上ってことだよなぁメルクリウス!」

トドメの一撃を伸ばす!

実際ここで蓮を殺れてれば、呪いに打ち克ったということでメルクリウス超え果たしたといっても過言じゃなかったんだが......。

コイツの宿業破りはまだまだ先の話。

 

ベイの右手が伸びる中、時間が止まる。始まる父子の対話。

息子に愛する人を贈ろうとする父親。なんかあらためてとんでもない話だな(笑)。

人類最悪にして最美の魂を持つマリィ。

女神に比べればベイが持つ魂なんかゴミクズ同然。クラウディアちゃんを喰っていれば...!

蓮とマリィが完成すれば黄金に匹敵する存在になる。

その日こそが“怒りの日”だと、自身のシナリオを謳いあげる脚本家。

 

――そうして息子に贈られる魔法の言葉。

Dies irae』、さらには『神咒神威神楽』までつながる言葉がここで。

 

“時よ止まれ——おまえは美しい”

 

停止していた時間が動き出す。

ベイの攻撃に——割ってはいる螢。f:id:yurayura3:20191115193222p:plain

...おまえやっぱりその服(以下略)

結局ここではギロチン出ず。3章に持ち越し。

ヴィルヘルムはここでも奪われる。無念。

ちなみに蓮はこのとき螢に吹っ飛ばされてゲロハットトリック\(^o^)/。

 

蓮は見逃される形になって安堵したものの、ルサルカには“何か”をしようとしていたと見破られる。やるな魔女……!

そのまま意識を飛ばされ、なし崩し的に悪夢は終了。

 

帰宅するとここまでの総決算とばかりにゲロ。

たぶんこの夜だけで一生分吐いたのでは。

 

 

そんなわけで、当然翌日も絶不調。

なんとか昼ごろ登校し、日常の象徴である学校についたところでホッと一安心。

すると校門で、入れ違うように帰宅する玲愛先輩と。

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去り際に、気をつけてと一言。

……あれ、先輩ってどのあたりでいろいろ気付いたんだっけな?ど忘れしちゃったな。

校舎内に入ると、強烈な圧迫感。

うんこがもれそうとかじゃない。

 

階段を見上げると、非日常の存在が2人。

ルサルカと螢。

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蓮の退屈で大切な日常終了のお知らせ。

男子生徒たちにとってバラ色の学園生活始まりのお知らせ。

男子たちの明日はどうなる!がんばれ女生徒たち!!負けるな女生徒たち!!

 

 

 

ひさしぶりに2章やったけど、やっぱ面白いわ。

話にグイグイ引き込まれる。

蓮がすごく主人公しててかっこいいし。

しかしけっこうボリューミーだったな。

共通ルートさくっと終わらせるなんてムリだ、もうあきらめてます(白目)。

しかしメルクリウスの野郎、後半一言もボイス収録ないくせに存在感放ちまくりだったな......。

 

ChapterⅢ End of Nightmare→「Dies irae ~Amantes amentes~」ChapterⅢ 感想 - ゆらりゆらりとゆらゆらと

 

 

 

出典元:www.light.gr.jp