ゆらりゆらりとゆらゆらと

あたまの悪い男が、起こったことを忘れないためのボケ防止日記

「Dies irae Die Morgendammerung」感想

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“魔人の軍団の誕生”

 

story:1939年11月20日ヒトラー暗殺未遂の容疑である人物が捕まった。ドイツ秘密警察長官ラインハルト・ハイドリヒは取り調べのため彼の待つ牢へ向かう——。

 

 

感想を書くって言っていきなり外伝からはいることを許してください......。

時系列で考えればコレからいくのが筋かなと。

聖槍十三騎士団の始まりの物語。

ラインハルトが厨二病患者から末期厨二病患者へ至る物語。

みなまで言うな。ぜんぶニートが悪い。

後のストーリーを踏まえバリバリネタバレありでいくので、どうぞよろしく。

 

1939年。

ドイツのポーランド侵攻により始まった第二次世界大戦の下、ラインハルトメルクリウス(カール・クラフト)は運命の出会いを果たす。

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ラインハルトが抱いた最初の印象は枯れ木この男は枯れ果てている、というもの

初見ながら見事に的を射ているあたり慧眼である。

さらに言えば、このメルクリウスは本体ではなく触覚(分身体)であり、その存在は影のようで後の黒円卓連中ですら姿をまともに認識できない。

にもかかわらず、この段階で確と捉えているあたりさすがは対等の黄金閣下である。

一方、メルクリウスもまたラインハルトの深層を見抜いている。

メ「あなたはなぜそのような、満たされぬ目をしておられるのか」

この時点ではまさに職業軍人で、遊びが一切ないラインハルト。

そんな彼に「おまえ何も満足してないやろ」とさっそく煽るニートまじニート

 

処刑か服従か、提示された2択で後者を選ぶメルクリウス。

曰く「ドイツはおもしろい。一石を投じた甲斐がある」。

既プレイだから言えるが、こいつの一石はシャレにならない。戦争の原因も彼なのでは?

 

牢を出ても詐欺師の放言は止まらない。

「それだけイケメンならさぞモテるでしょう?」と飛ばすメルに

ラ「女はしょせん駄菓子にすぎん。欲しいときに幾らでも転がっている物の一つ一つになど、私はいちいち拘らん」

という作中屈指の名セリフで返してくれる。

これルサルカアフターかなんかでベアトリスあたりに弄られてたな。

 

翻って自分は好きな女を追っかけていると語るメル。それ聞いたラインハルト(常識人)の反応は......

ラ「卿のような男に見初められ、付き纏われては人生の破滅だろう」

 

ごもっとも。

あらためてよくこいつら親友になれたな。

 

 

そして運命の12月25日。

秘密警察に追われる白髪の男ヴィルヘルム・エーレンブルグ

追われる理由は軍の士官が少女に暴行するも逆に殺されかけ、その犯人ではないかと疑われたため。

......いやヴィルヘルムはムリがあるだろ!

こいつ身長180オーバーやぞ。どこにそんな少女がいるんだよ。

やけっぱちかよ秘密警察。

 

そんなドジッ子警察を返り討ちにし、こんな原因をつくった奴にツケを払わせると息巻くベイ。

口調やセリフ回しがヤンキーすぎてホントかっこいい。そりゃあ外伝や次回作で主役にもなるわ。

 

そして原因と目される少女もわりと近場で警察を虐殺していた。ベルリン怖すぎ。

現場に向かうヴィルヘルム。

そこに居たのは同じく白髪のウォルフガング・シュライバー

さらに少女と思われていた彼女は空洞となった自らの下腹部をさらし、自分は男でも女でもない1つの完璧な生命だと語る。

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そんな狂人に対し、いささかも退かず「俺と被るな生意気だ」という理由で、ヴィルヘルムは拳銃を放つ。同じ穴のムジナとはこういうことをいうんだろうなぁ。

 

しかしシュライバーの本領はここから。

撃たれて死ぬどころかナイフで反撃!これにはさすがのヴィルヘルムも

ヴ「撃ったんだぞ、あたったんだぞ、なんで倒れねえんだ、ありえねえだろ」

と、らしくないまともなことを言う始末。

拳銃なんかに頼った自分が甘かったと、彼も本気モードに。

 

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ヴ「てめえ、教会の十字架にでも串刺してやらァ」

その啖呵はのちのち笑えないぜ(笑)。

 

 

場面は変わり、こちらも犯人(シュライバー)を捕らえようと目論むエレオノーレ・フォン・ヴィッテンブルグと彼女に倣わんとするベアトリス・キルヒアイゼン

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若かりし2人の立ち絵がまぁすばらしいいいい。

ベ「中尉と友達になれる人なんて、私くらいしか」

エ「抜かせ馬鹿者、貴様など庭で放し飼いにしている犬にすぎん。図に乗るな」

ベ「わんっ」

エ「......」

なんだこいつら最高かよ。

特にエレ姉さんは「神咒」での活躍も相まって個人的にベスト3にはいるくらい好きなんだよなぁ。

 

2人はやりとりを進めていくうちに、優生学研究機関レーベンスボルンの協力をあおることに。

そこにはエレオノーレのかつての同輩リザ・ブレンナーが所属していた。

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面会するなりトゲトゲしい言葉を浴びせるエレ姉さんに、柳に風のリザさん。

おっぱいまじデケえなおい

ここで飛び出すエレ姉の至言。

エ「ちょうどいい機会だキルヒアイゼン、貴様に人生の真理を伝授してやる」

  「女は信用するな——だ」

一生ついていきます姐さん。

 

さらに場面は変わりとある教会。

取引を交わす東方正教会司祭ヴァレリア・トリファとドイツ古代遺産継承局ルサルカ・シュヴェーゲリン

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取引内容はヴラド・ドラクルの血液の譲渡。

宗教絡みの話してるけど、

ルサルカのアレがリザに負けず劣らずのデカさでそれどころじゃねえぜハァハァ。

 

いつの間にか話題は、とあるサイコメトラーについて。

物や人の記憶・思考が読み取れる人物にとって世界はどう見えるのか。

トリファは良いものではないだろう、と語る。

ルサルカも同意するが、魔女狩りが横行していた時代よりマシだと答える。

被害者が言うんだから間違いないね。

続けてある可能性を示唆する。

ル「他人に同調しやすいということは、他人になれるかもしれないっていうことよ」

哀しいかな、これがトリファを聖餐杯へとつなげる最初の1歩だったのかもしれない。

気分が高揚しているルサルカはそのままトリファをデートに誘う。

やっぱ哀しくなんかねえわ。神父そこどけ。

外に出て会話を続ける2人。

この戦争が人類最後のものになればいいと願うトリファ。

それが実現するとすれば、この戦争が永遠に終わらないことだと明言するルサルカ。

BGMが急になくなってこんなこと言い出す魔女ほんと怖い。

 

 

そしていよいよ舞台が整う。

役者がそろう。

メ「今宵の恐怖劇(グランギニョル)を始めよう」

 

 

ヴィルヘルムVSシュライバーの人外同士の戦い。

そこに割ってはいる2人の戦乙女。

ベアトリスにとって、生涯初の実戦。

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相手は最悪。

しかし敬愛する騎士の隣にあって、恐怖や迷いは失せる。

彼女が対峙するは吸血鬼。

一目で人に非ずと判断。外道に屈する騎士道などあってはならぬと、

ベ「...ッ、なんて下種......おまえには救いがない」

ヴ「おお、そんなもんは生まれてこの方、ただの一遍だって感じたこたァありゃしねえよ」

ヒャッハーしてればそれでいいヴィルヘルムの世紀末ぶり。でてくる作品をまちがえたか。

それにしても流れる曲「Thrud Walkure」の、「主人公専用BGM」っぽさがハンパじゃない。

この曲とあいまってここからの戦闘は熱すぎる。

正田卿はもちろん与猶啓至さんも流出位階に達している......!

 

もう一方のエレ姉VSシュラ犬

のちの赤騎士と白騎士。

あいかわらずぶっ飛んでるシュライバーに対し、毅然と刃を構えるエレオノーレ。

前大戦で生まれた“闇”を勝利の光で払うと宣言。

その宣戦布告に咆哮する“闇”の住人。

シ「誰が誰を殺すんだ言ってみろおおォォッ!」

エ「私が、貴様をだ——思い知れッ!」

 

そんな凶悪な大乱闘スマッシュブラザーズを眺める神父と魔女。

生来の優しさからか、どうにかできれば苦悶するトリファに「おまえじゃムリm9(^Д^)」と切って捨てるルサルカ。

さらにルサルカ先生のわかりやすい人間辞めてるランキングが発表され

シュライバー 9点

エレオノーレ、ヴィルヘルム 7点

ベアトリス 5点

リザ 1点

トリファ -10点

とのこと。そりゃムリだ神父。

マイナスをつけられムキになった神父は、じゃああの2人は何点なんだと、遠くで佇む黒衣の占星師と金髪の黒太子を指さす。

すると今までその存在に気付いていなかったルサルカは驚愕する。

ル「信じられない、ふざけてる。認めないわなんであんなモノがこの世にいるのよおおォォッ!」

 

そして視点はラインハルトとメルクリウスへ。

どう?この歌劇、実に見ごたえたっぷりでしょ?あなたのために用意したんですよ、と詐欺師。うぜぇ……

しかし、ラインハルトの反応は淡白なもの。

自分は大した人間じゃない。加減ができず止まれなかった結果辿り着いたのが今の地位・今の自分。ただそれだけだと、どこか自嘲するように。

そこに水銀が決定的な毒を流し込む。

 

なら、本気を出していたのか?いや……

 

メ「あなたは本気など出していない」

 

瞬間、既知感に完全に取り込まれるラインハルト。

深奥で眠っていた渇望が目を覚まし、自らも舞台にあがる——。

 

 

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軽く振り払った腕の一閃でエレオノーレ撃破。

右目に指を突っ込みそのまま投げ捨てシュライバー撃破。

よくわからんままベアトリス撃破。

腹パン1発でヴィルヘルム撃破。

——あっという間に場を制圧。

エレオノーレとベアトリスまでやる必要なかったのに……。

“総てを愛する”という渇望のなんと業深いことか。

なんてことはないという風のラインハルトだが、その魂は歓喜しているのを感じるメル。

 

吸血鬼と狂犬を除き全員ゲシュタポへ。

それぞれがそれぞれの思いを馳せる。

恐怖する者、畏敬する者、救いを求める者。

そして——。

 

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——怒りの日、来たれり——

これを祝福の歌だと寿ぐメルクリウス。

こんな歌に祝福されるモノは怪物で、最初から生まれるべきではなかったと語るラインハルト。

“魔人の軍団の誕生”

“忘れてはならない。彼らが共に在る限り、如何なる者も勝負にならぬ。天地砕けようとも決して斃せぬ”

 

キャラ雑感

ラインハルト

“全力を求める旅”のスタート。たいした奴じゃないアピールしていたこいつが、やがて髪を逆立て「私は総てを愛している!」なんてほざいちゃうなんて誰が想像できようか。

 

ヴィルヘルム

こいつはこいつで“望んだ相手を取り逃がす病”が始まる。この先この病にめちゃくちゃ悩まされるんだから悲しいやつだぜ。まぁメルクリウスが悪い。

 

シュライバー

魔人になる前から銃弾喰らってもピンピンしてるやばい人。こいつの来歴はゾッとするほど悲惨なので笑うに笑えない。でも今作で悲惨な分、次の神座でおいしい活躍を。

 

エレオノーレ

女辞めた人。だけど誰よりも乙女。その愛で三騎士の1人に上りつめた純情ヒロイン。でも本人は愛なんて認めない。

う~ん、好き。

 

ベアトリス

忠犬ベア公。飼い主が好きすぎるも、その飼い主が変な男につかまってしまったのが不幸の始まり。螢ルートでの飼い主との死闘(イチャつき)はマジでかっこいいよベア。

 

リザ

結婚目前にしてやばい奴らに目をつけられたのが運の尽き。一見まともに見せかけて、今後仮死状態のラインハルトとヤッちゃうあたり立派に黒円卓。エレ姉もそりゃキレますよ。

 

トリファ

黄金の輝きに目が眩んだ人代表。こんな冴えない人物がのちのち本編で権謀術数大暴れすることに。創造が死亡フラグだなんて言わないでください!!

 

ルサルカ

おそらくこの段階のベイとシュライバーに勝てたであろう数少ない人物の1人。後付け設定が多くおかげでエピローグが追加された勝ち組ヒロイン。ナイスバディなこの人、本編ではロリ枠に。

なぜ?

 

メルクリウス

超うぜぇーーーーーー!

開幕、こいつのモノローグで始まるのだがそのしゃべり方がもううざい。

生涯唯一の友達に出会えたことで饒舌になってるのもうざい。

もう全部こいつが悪い。こいつのせい。

企てすべてが、自分が理想通りに死ぬためのおぜん立て。

そんでなんだかんだ最終的には願いが叶う。

なんだコイツ最強か?

あーだこーだ言いつつコイツのことを好きな人は多そう。

ああもちろんおれもそうさ!

 

しかしすげー長文になってしまったな。

オマケにキャラごと色つけてみたけど、

絶対後々足りなくなるわ。

しかもベアトリスとか見辛いし。トリファも黄色系にしたかったのに...。

 

 

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