小説「ぼぎわんが、来る」感想
映画が「来る」前に読んじまおう、ということで。
Story:田原秀樹は幼少のころ、認知症の祖父と留守番をしているさなか、とある「何か」の訪問を受ける。時は流れ、家庭を築いた秀樹のもとに怪現象が起こりはじめるーー。
ホラー小説でありしっかりしたエンタメ小説だった!
個人的に大満足。
変にいじられてるくらいなら映画は観なくてもいいかな。でも出演者は豪華なんだよなぁ、、、。
物語は3部構成になっており、それぞれ語り手が変わってくる。
そのおかげで前半ではみえてこなかった秘密がじょじょに明かされていきーー。
これがホントよくできてる。
似たような作品は他にもあるだろうけど、ホラーでこの構成は初めての経験だった。
あ、あとシンプルに読みやすい。スラスラよめる
澤村伊智さんはこれがデビュー作だって?
才能ある人ってすげーや。
ホラー苦手な人でもぜひよんでほしい。
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ここからネタバレあり
いるよなこういうパパって感じ。
まあ「イクメン」に限らず、理想ばっかりアピールして実際はどいひー(これ死語?)なやつは男女問わずいるわけで。
まぁ秀樹はダメヤローだったけど、家族を守ろうとした分マシな部類ではなかろうか。
いや、そもそもの元凶はこいつのじいさんだし、友達の唐草も最後にやらかしてくれるし。
やっぱ秀樹オメーはだめだ。
そのぶん妻の香奈はかなりがんばった。
綱渡りだったけども、最後の最後で正気をとりもどしてくれてよかったよかった。
ハッピーエンドだね。
ハッピーエンドだね。いいね?
さて怪異そのものであり、作中どんどん知恵をつけていった萌えキャラぼぎわんちゃん。
サラリーマンどころか腕に覚えのある霊能者すらひと噛みで退け、はいれる隙間さえあればガンガン侵入しちゃう肉食系(ガチ)である。
こいつの迫りくる描写がマジでホラー。
2章の香奈の逃走劇はハラハラさせられたよ。
琴子とかいうチートキャラが出なければ全滅必至でしたね。
んで、このぼぎわんちゃん、作者のオリキャラらしい。わお。
作中で民族学の資料やら文献やらがでてくるから、なんか実際に伝えられたおばけなんだと思っちゃったよ。
比嘉姉妹はともかくとして、こいつにギリギリまで立ち向かった野崎はすごい。そりゃ岡田准一さんがキャスティングされるわ。
みんなも家族は大切にしようね。
そんな小説。