小説「殺戮にいたる病」感想
Story:連続殺人犯蒲生稔が捕まった。彼はすべての犯行を認める。彼が猟奇殺人にいたった経緯と理由とはーー。
叙述トリックものとして、 いろいろな方が絶賛されている本作。
「フっ、果たしてこのおれも騙せるかな?」ということでいざ挑戦。
いや~参ったね(全裸土下座)
すっごいきれいに騙されたよ。たぶん日本一のカモだったかもしれない。
叙述トリックがほんとにすごい。
最後まで読んだとき思わず「はぁぇぇぇ(感嘆)」とリアルに声がでたよ。
気づかない、っていうか気づけない。あまりに自然すぎて。
んでもってね、ストーリーそのものがおもしろいんっすよ。
犯行シーンなんて猟奇殺人の現場を実際に目撃してるような、、、。
登場人物たちの思惑と行動がまぁ錯綜して錯綜して。
クライマックスあたりの緊張感ったらもう。
いままで読んできた小説の中で、個人的な満足度としてはナンバー1かもしれない。
惜しむらくは、万人向けではないということ。
いろんな方がおっしゃってるけど
ほんとにグロいぞ。
下のほうでネタバレあり感想
ここからネタバレあり感想
稔=息子=犯人っていう勘違い図式がはじめのほうで、できあがってしまってた。
てめーのせいだぞ雅子。
しかしこの勘違いにぜんぜん違和感をもたせない我孫子先生はすごいなぁ。
実際には父親だったわけで。
息子はまともな子だったわけで(惜しいヤツを亡くした(´A`。)。
いろいろ解説されてる方のサイトを見ると、改めて息がもれる(ってかみんな解説書くのうますぎ)。※食事の際の会話や、大学の講義についてのシーンなど
ある種「伏線」とよぶものなのだろうけど、こうまで巧妙に隠されると「伏線」の定義がおかしくなるよなぁ、、、。
そしてこの作品を語るうえで欠かせないのが「グロ」。
読む前は「字面だけで『グロい』って(笑)」なんて思ってたけど、
「よ、読み飛ばそうかな」
ってくらいにグロい。やられた。
文字だけでこんなにも表現できるんだなぁ。
殺人犯稔の狂気については、岡村孝子さんの「夢をあきらめないで」の受け止め方がやばい。
このこじらせ方がなんていうか、、、ね。
最後にひとこと
こんなオカンは嫌だ。
そんな小説。