小説「ロートレック荘事件」感想
筒井康隆、、、やはり天才か。
Story:ロートレックの作品が集められた山荘。かつて自分の父親が所有していた別荘に帰ってきた重樹たち。さまざまな思惑が重なる中、事件が発生するーー。
「時かけ」書いたひとのミステリー小説。
すごいひとって何でも書けちゃうんだなぁ。
タイトルにもなっている「ロートレック」という画家さん。
この人に対する知識ゼロだったんだけど、知ってたらもっと面白く読めたのだろうか。
とりあえずこの作品、
映像化はムリ。
下のほうでネタバレあり感想へ
ここからネタバレあり感想
読み終わって、
自分がいかに小説を流し読みしているか痛感しました。
重樹=有名画家、プロローグ以外の「おれ」
忠明=重樹のいとこ、プロローグの「おれ」
と思って読みすすめていたら、
重樹=エッセイスト、絵にくわしい、犯人
忠明=重樹の大学時代の友人、やさしい
修=重樹のホントのいとこ、有名画家、とある章の「おれ」はこいつ、みんなからチヤホヤされてたのもこいつ、重樹が犯行を行った原因もこいつ、だいたいこいつのせい
修の名前が出たのはクライマックス。
修の存在を読んでいるひとに隠していたわけだ。
種あかししてから改めて読み返すと、違和感だらけだし、ヒントだらけだし、気づかなかった自分がホント馬鹿みたい、、、。
ミステリーにしてはめずらしく殺された側に落ち度がない。
女子3人とも悪いひとたちではなかったのに、、、。
殺されたのが純粋にかわいそう。
罪悪感が希薄だった重樹も、最後の最後に報いを受けることに。
あのオチはいい。かなりいい。
もうちょっと読解力を鍛えようと心に誓った。
そんな小説。