包丁もってこっちみんな
Story:百崎日向は故郷である「竹之山」へむかう電車をまっていた。そこへ小学生時代の同級生と名乗る相原沙耶子が声をかける。しかし日向には昔の記憶がなく・・・。一方、一足先に「竹之山」で待つ日向の婚約者神原正樹は、この地域にまつわるある噂をきくーー。
「第24回日本ホラー小説大賞」という話をきいて書店へ。
「角川ホラー文庫」っていうホラー専用のレーベルがあるなんて知らなかったよ、、、。
おかげで「角川文庫」のコーナーを永遠さまよってしまった。
240ページというサクッと読めるボリューム。
怖い描写よりも、主人公である日向の過去が気になって最後までスラスラいってしまった。
ホラー苦手なひとでもきっと大丈夫なはず。
というかグロい表現もかわいいモノ。
ホラー中毒者には物足りないとおもう。
日向の過去を追っていくうちに、二転三転していくそれぞれのキャラの印象。
ちょっとミステリー色もあるこの小説。
とりあえず正樹はいいやつ。
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ここからネタバレあり感想
親友「さっちゃん」は沙耶子ではなく、火事で死んだ咲子のほうでした。
いじめられていた沙耶子のどえらいまわりくどい復讐の物語。
全体的に現実感のない話だけど、
沙耶子のキレた理由が妙にリアル。
(というかスクールカーストの描写が生々しい)
よく聞く、いじめてるヤツより信じてたヤツに裏切られたほうに殺意がむいちゃうタイプ。
咲子はホントにいい子だったなのになぁ。
作中のホラー描写より、沙耶子のひねくれっぷりの方がすさまじくホラー。
被害者であり、加害者でもあった日向は最後の最後に報いをうける。
まあ読んでて「沙耶子がこんなあっさり引き下がるわけないよなぁ」って思ってたら、案の定だよ。
正樹、、、。
このオチのために出てきたんじゃないかっていうキャラクターだったよ。
ある意味「ハラサキ」というタイトル伏線回収の犠牲者ともいえる。
表紙の日向の「なんかヤバい感」は異常。
そんな小説。